ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボは今季、低迷するチームの現状に不満を口にしていたが、現地時間2月5日(日本時間6日)のトレード期限までに動きはなかった。不甲斐ないチームに不満を爆発させる姿も見受けられるなか、殿堂入り選手のポール・ピアース(元ボストン・セルティックスほか)はヤニスの胸中をおもんぱかっている。
今季キャリア13年目を迎えたヤニスは、右ふくらはぎのケガなどもあり、ここまで29試合を欠場。出場32試合で平均27.6点、9.9リバウンド、5.4アシスト、フィールドゴール成功率63.7%、3ポイント成功率37.5%と奮闘しているが、チームは26勝35敗(勝率42.6%)でイースタン・カンファレンス11位。プレーイン・トーナメント進出圏内の10位シャーロット・ホーネッツには4.5ゲーム差をつけられ、優勝争いどころか、プレーオフ進出も危うい状況だ。
ヤニスは現地時間3月4日(同5日)のアトランタ・ホークス戦、第4クォーター残り4分20秒にチームが気の抜けたディフェンスで失点して103-121と18点差に広げられると、フラストレーションを爆発させ、ゴールの支柱にボールを投げつけ、テクニカルファウルを吹かれた。
試合後、この場面についてヤニスは「少しイライラしていた」と述べつつ、不甲斐ないチームに対し、再び警鐘を鳴らした。
ピアースは、ポッドキャスト番組『No Fouls Given』で、「ヤニスがこのゲーム(バスケットボール)に深い愛情を持っているのは間違いない」と前置きした上で、生え抜きのエースの胸中を推測した。
「彼はプレーできる。ただ(ベンチに)座っているのが好きなタイプには見えない。だから、彼のモチベーション、エネルギーは『くそっ!』という反骨心みたいなものから来るのもわかる。
年齢(31歳)もキャリア(13年目)もこのレベルに達しているのに、チームがこの状況ではフラストレーションが溜まるよ。家に帰るのも辛い。ヤニスを幸せにしているのは、家に帰って子どもを抱きしめ、笑顔を絶やさないことだけだ。子どもがいなかったら、きっとフラストレーションでいっぱいだろう。妻も子どももいないなんて地獄だよ」
バックスは2021年にリーグ優勝を果たしているが、直近3シーズンはすべてプレーオフ1回戦負け。当時のスタメンだったドリュー・ホリデー(現ポートランド・トレイルブレイザーズ)、クリス・ミドルトン(現ワシントン・ウィザーズ)、ブルック・ロペス(現ロサンゼルス・クリッパーズ)はチームを去り、残っているのはヤニス、弟のタナシス・アデトクンボ、そしてボビー・ポーティスだけとなった。
「このレベルにいたら、もう(優勝の)チャンスはないってわかっている。でも、ロスターを見てみると、『たとえ自分が健康だったとしても、チームはどうなっていただろう?』と思う。ヤニスがどれだけ素晴らしい選手だったとしても、今のロスターはまだ構築されていない。
(バックスが)どこへ向かおうとしているのか見当もつかない。彼ら(バックス)がどれだけのキャップスペースやドラフト指名権を持っているかは分からないが、ロスター上の選手たちを補強して、来年また優勝争いに加われるような動きは見られない」
バックスの戦力、チーム作りの弱点を厳しく指摘したピアース。その中で、孤軍奮闘するヤニスに対しては「彼のプロ意識を尊敬している。もちろん、試合への取り組み方もね。だが、誰かが彼を救わないといけない。見ていて心が苦しいよ」と同情していた。
構成●ダンクシュート編集部
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