いよいよ第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕した。プールDではスター軍団のドミニカ共和国とともに、ベネズエラの戦いぶりにも注目が集まる。前回大会では1次リーグを4戦全勝で突破しながら、準々決勝でアメリカに惜敗した。
初の決勝進出を目標に掲げる今大会は、準々決勝では日本と対戦する可能性もある。ただ、ホセ・アルトゥーべ(アストロズ)、パブロ・ロペス(ツインズ)、ミゲル・ロハス(ドジャース)、ホゼ・アルバラード(フィリーズ)といった主力選手が故障や保険問題で出場できず、前回と比べて戦力が落ちているという声もある。
そんなベネズエラ代表の現状を知るため、ブルージェイズのキャンプ中に正遊撃手のアンドレス・ヒメネスに話を聞いた。2022年から二塁手として3年連続ゴールドグラブ賞に輝いた名手は、アルトゥーべにもかかわらず、今回のチームに自信を持っている様子。その背景には、フレッシュなメンバーのモチベーションの高さがあるようだ。
――WBCにベネズエラ代表として臨む意気込みは?
「この大会でのプレーを本当に楽しみにしてきた。自分にとってはベネズエラ代表として戦うのはこれが2度目になる。ビッグステージで世界最高の相手とプレーできるのは素晴らしいし、同時に自分の国を代表できることに本当に興奮しているよ」
――今回の代表チームの特徴は?
「前回とは少し雰囲気が違うと思う。素晴らしいプレーをしたいと思っている若い選手がたくさんいるし、ベネズエラ代表として初めて出場する選手も多い。みんながこの機会にワクワクしているし、ゲームへの情熱も大きい。おかげで、これまでとはひと味違ったモチベーションが生まれているように思う」
――ただ、若い選手が多いという背景には、一部の主力メンバーが出場できないという背景もある。ベネズエラの看板的な存在であり続けてきたアルトゥーべが欠場することは大きいのかな?
「それは確かに大きいよ。彼はチームリーダーの一人で、私の国で最も偉大な選手の一人だ。もちろん、私たちは彼の不在を残念に思っている」
――そんな中で、大黒柱サルバドール・ペレス(ロイヤルズ)の存在感をどう表現する?
「サルバドールこそが私たちのキャプテンだ。彼は本当に素晴らしいよ。サルバドールは偉大な人間であり、偉大なリーダーだ。彼と一緒にプレーし、ベネズエラを代表できることを嬉しく思っている」
――特に投手陣が駒不足で、打線の力が重要になるという見方についてどう思う?
「それらについて、実際にプレーしている僕たちには分からない部分もある。スプリング・トレーニングに入ってからもいろいろな話が入ってきたけれど、さっきも言った通り、才能あふれる選手がたくさんいる。新しい挑戦しようと意気込んでいる選手が数多くいるのは素晴らしいことだ。これからどんなチームになっていけるかを楽しみにみていきたいね」
――前回のベネズエラは準々決勝でアメリカに敗れたけれど、もっと上に進出しても不思議はないだけの力を持っていた。今回、勝ち進むことは可能なのかな?
「このメンバーに自信を持っている。何より素晴らしいのは、モチベーションにあふれていること。互いを信頼し合えば、私たちはうまくやれるはずだ。チームとしての目標はもちろん勝利だよ。優勝することが私たちの目標だ」
――順調に決勝トーナメントに進んだら準々決勝で日本と対戦する可能性もある。連覇を狙う侍ジャパンについて何か知っていることは?
「当たり前だけど、素晴らしい才能を持った選手が揃っているチームだ。大谷翔平、山本由伸、岡本和真がいる。全体として素晴らしいチームだ。出来れば彼らと対戦して、全力で競い合いたいね」
――新しいチームメイトの岡本とWBCで対戦したら盛り上がりそうだ。
「岡本のことは大好きだ。本当に一生懸命に練習に取り組んでいる。規律がしっかりしているし、自分の仕事と真剣に向き合っている。岡本という戦力の存在は、日本だけではなく、今季のブルージェイズにとって大きな助けになると思うよ」
迎えた初戦、ベネズエラはオランダに6対2で勝利。幸先の良いスタートを切った。
取材・文●杉浦大介
【著者プロフィール】
すぎうら・だいすけ/ニューヨーク在住のスポーツライター。MLB、NBA、ボクシングを中心に取材・執筆活動を行う。著書に『イチローがいた幸せ』(悟空出版 )など。ツイッターIDは@daisukesugiura。
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