
『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』の主題歌「LOVE IS THE STRONGEST」(歌:May'n)ジャケットビジュアル(日本コロムビア)
【画像】「えっ、本人では」「当時を思い出す」これが、2020年代に再現された、初代「ギャバン」の輝くボディです(5枚)
「デメリットを超えるメリット」がある?
2026年2月に放映開始した特撮番組『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』は、「スーパー戦隊」シリーズの代わりとして始まった東映の新ヒーロー・シリーズ「PROJECT R.E.D.」第1弾です。SNS上の特撮ファンからは、比較的好意的な反応が多いと見られます。
本作は1982年に放送された『宇宙刑事ギャバン』のリブート作品です。単純に区別できるものではありませんが、もとになった作品に若干のアレンジを加えて時代に合わせたものが「リメイク」、原典をリセットして再構築したものが「リブート」と呼ばれることが多い印象です。大まかには誤差の範囲かもしれません。
放送開始まではさまざまな憶測がされ、なかには辛辣な意見も見られました。その理由は大きく分けてふたつあります。ひとつは長年続いてきた「戦隊」シリーズを終了させた原因とする意見、もうひとつは往年の名作『宇宙刑事ギャバン』のリメイクに不安を感じる意見でした。
後者の「リメイクに批判的な意見」には、いくつか理由があります。それは他の事例も含めて、リメイク作品の多くが「成功」とは言い難い結果を残しているからでした。それでも、リメイク作品は少なくなるどころか、近年は増加の一途をたどっています。なぜでしょうか。
それは、「デメリット」以上に「メリット」があるからです。そのことが、昨今のリメイクブームともいえる現状を後押ししているのかもしれません。

2026年1月から放送中の『鎧真伝サムライトルーパー』は、人物や設定など、過去作と異なる要素も少なくない。画像は同作ティザービジュアル (C)SUNRISE
「大人世代」をターゲットにしたことで起こり得ること
特撮やアニメのリメイクブームは、過去にも何度かありました。1970年代初頭に往年の作品がいくつかリメイクされています。これは、カラーテレビの普及により、白黒テレビ時代の作品の掘り起こし……というのが主な理由でしょうか。
1980年代初頭にも、過去の名作がいくつかリメイクされたことがあります。この時は続編となる作品も制作されています。この時代はアニメブームがきっかけで、アニメの視聴者層が増えていったことが要因でしょう。実際、アニメ雑誌が乱立したのもこの時期でした。
こうしたリメイクは、人気作品を復活させて新規ファンとなる層を掘り起こすのが主な目的でした。リメイク作品を「数字が見込める人気作品」と考えたわけです。ところが近年は、前述したようにリメイク作品に否定的な意見も見られることがあっても、リメイクが行われています。
理由のひとつは、時代が変わったことです。少子化となった昨今、リメイクは新規の子供層に向けたものというよりも、「当時視聴していた大人」に向けたものへと変わりました。ここが過去と大きく違う点です。
ところが過去の人気作品は魅力であふれているものです。人気作品で好きなポイントは人それぞれ異なることが多いはずです。しかしリメイクした際、スタッフの判断で過去作から引き継ぐ要素は取捨選択されます。その選択によっては、一部に否定的な意見を招くものがあるかもしれません。
それだけでは、リメイクはデメリットが大きいと思えてきます。ところが、それを覆すのが近年発達してきた「SNS」という情報伝達手段です。このSNS上での拡散が、近年のリメイク作品では重要な追い風になると考えられます。
批判的な意見があっても、SNS上で話題になること自体が、宣伝としては大きなものになります。特にリメイク作品は一定のファン層が確保されているわけで、一から制作したオリジナル作品よりも、SNSで話題にしてもらいやすいでしょう。
こうしたSNS上のメリットは、リメイク作品の特権といえるかもしれません。近年でいえば『鎧真伝サムライトルーパー』も、それに近い形で話題となっています。現在、そしてこれからのリメイクは、子供世代を狙うよりも、「いかに過去のファン層がSNSで拡散するか」が重要な時代といえるのかもしれません。
