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新人ながら3ポイント成功数はリーグ1位。万年下位のホーネッツを変えたコン・カニップルは“バード二世”になれるか<DUNKSHOOT>

新人ながら3ポイント成功数はリーグ1位。万年下位のホーネッツを変えたコン・カニップルは“バード二世”になれるか<DUNKSHOOT>

現地2月26日のインディアナ・ペイサーズ戦、シャーロット・ホーネッツのコン・カニップルがNBA新人記録となる207本目の3ポイントを成功させた。ホーネッツの今季60戦目、カニップル自身は59試合目であり、22試合を残してのスピード記録だった。

“新人”という括りを外してもカニップルの3ポイントのペースは驚異的で、ここまで成功数は224本。2位のタイリース・マキシー(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)に22本差をつけてトップを快走中だ。ルーキーが成功数1位になれば史上初であり、成功率も43.7%で8位につけている。

 2月のオールスターの3ポイントコンテストでも決勝まで残ったカニップルだったが、シュートだけの一芸選手ではない。

 NBA1年目で通算1000得点、300リバウンド、200アシストをクリアした上で、3ポイント成功率40%を維持できれば史上3人目。シーズン成績は平均19.2点、5.3リバウンド、3.4アシストで、この3部門で彼を上回る新人は、ドラフト1位でダラス・マーベリックスに入団したデューク大の同期生クーパー・フラッグのみだ。

 1月29日の直接対決では、34得点のカニップルに対してフラッグは49得点。「今季対戦したすべての選手で、あいつが一番だった」とカニップルも脱帽した。しかしながらフラッグはケガが多く、出場数はカニップルの方が12試合多いため、新人王争いはカニップルが優勢と見る向きが多い。
  下馬評が低かったホーネッツを、プレーオフ圏内へ引き上げた原動力である点もプラス材料だ。ホーネッツのチャールズ・リーHC(ヘッドコーチ)が「(新人王レースにおけるカニップルのリードは)僅差ですらない」と言っているのは身びいきではなく、フラッグ自身も「あいつに追い越されたと思う」と認めている。

 ドラフトでは全体4位で指名されたように、評価はもともと高かった。『NBA.com』の指名候補者紹介では「オールラウンドプレーヤーで、特に3ポイントが売り物。NBAでもシューターとして即戦力になれる」と、ほぼ正確な見立てだった。
 
 似たタイプの選手としてはゴードン・ヘイワード、ウォーリー・ザービアック、ルーク・ケナードらの名が挙がっていたが、1年目から与えているインパクトは、彼らとは比較にならないくらい大きい。

 スター級の大半が黒人で占められているNBAでは、白人のドラフト上位指名自体が今では珍しい(ヨーロッパ出身者を除く)。ここ10年で5位以内の指名は、チェット・ホルムグレン(オクラホマシティ・サンダー/22年2位)とリード・シェパード(ヒューストン・ロケッツ/24年3位)、それにフラッグとカニップルの4人だけだ。 それだけ評価が高かったのだから、これくらいの活躍でも全然不思議はないのだが、過去には上位指名されながら期待外れに終わった白人選手も少なくなかった。

 カニップルにとってはホーネッツの先輩に当たるアダム・モリソンもその1人。ゴンザガ大3年時に平均28.3点をあげて大いに注目され、06年のドラフト3位で指名された(当時の球団名はボブキャッツ)。

 だが、カレッジで42.8%を記録していた3ポイント成功率は、NBAレベルのディフェンスを攻略できず1年目は33.7%、通算33.1%にとどまる。そもそも身体能力が高くなく、シュート力以外にこれといったセールスポイントがなかったモリソンは、結局3年間で161試合に出ただけ。25歳でNBAから消えてしまった。

 カニップルの指名も、シャーロットのファンの間ではモリソンを連想して不安がる声も聞かれたが、杞憂に過ぎなかった。

 数字には表れないが、カニップルの強みのひとつは意外なほどの競争心だ。デューク大時代のコーチが「バスケットボールの上手いアイスホッケー選手」と表現していたくらい、激しい身体接触も恐れない。

 大学とNBAの両方でチームメイトのシオン・ジェームズは「勝負どころでビビらず、率先してボールを欲しがるタイプ」と証言する。それでいて状況判断も優れ、無謀なシュートを打ったりはしない。
  ディフェンスでも「どうすればファウルせずに相手を守れるか、本当によくわかっている」(リーHC)。つまりはバスケットボールIQがとても高いのだ。子どもの頃から記憶力抜群で、何年も前の試合のゲーム展開をすらすら暗唱できる特技を持っているということだが、そうした能力も役に立っているのだろう。

 こうした特徴を並べていくと、あるスーパースターとの類似点が浮かぶ。史上最高の白人選手の1人、ラリー・バードだ。NBAで3ポイントを武器とした先駆者のバードは、異常なほどの競争心の強さで知られ、比類なきバスケットボールIQも備えていた。前述した「1000得点、300リバウンド、200アシスト以上、3ポイント成功率40%を記録した」2人のうちの1人でもある(もう1人はステフィン・カリー)。
 
 モリソンも大学時代にはバード二世と呼ばれていたが、遠く及ばなかった。それから20年、真のバード二世が現れた...と言うのは、現段階では気が早すぎる。けれどもカニップルは、万年下位球団だったホーネッツをプレーオフ争いができるまでのレベルに押し上げた。

 今後も成長を続けていけば、バード二世の称号も大袈裟には聞こえなくなるだろうし、そのようになれる資質があるのも間違いなさそうだ。

文●出野哲也

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配信元: THE DIGEST

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