まさかの大苦戦だ。
野球の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は東京ドームでプールCの最終戦が行なわれ、日本がチェコに9対0で勝利を収めた。4戦4勝で1次ラウンド首位通過で準々決勝に進出したが、格下相手に打線のつながりを欠き終盤までゼロ行進が続き、課題を残した。
すでに1次ラウンド首位突破を決めている日本は、2日前のオーストラリア戦からスタメンを大幅に変更。大谷翔平、鈴木誠也、近藤健介、牧秀悟、源田壮亮、若月健矢が外れ、森下翔太、佐藤輝明、周東佑京、中村悠平、牧原大成がスタメンに名を連ねた。今大会出場がなかった小園海斗は「6番・遊撃」で初先発した。
日本の先発マウンドには高橋宏斗が上がった。初回、1番のバブラを左飛に打ち取ると、2番のメンシークをスプリットで空振り三振。3番のフルプには左安打を許すも、4番のチェルヴェンカを三振に抑えて無失点に切り抜けた。
2回は先頭打者を見逃し三振にすると、6番のムジークも見逃し三振に切って取った。会長に飛ばす竜の剛腕は3回、バブラに安打を許して2死一塁となるも、メンシークを二ゴロに抑えて無失点。スコアボードにゼロを刻む。
4回も無失点に抑えた高橋は球数制限(65球)が迫るなか、5回のマウンドへ。三ゴロ、右飛に打ち取ったところで63球になり降板。2番手に宮城大弥が上がり、8番エスカラを左飛に仕留めた。
一方の侍打線はチェコ先発のサトリアを攻略できない。最速130キロに満たない直球と緩いチェンジアップで日本を翻弄する右腕は4回2/3を投げ6安打3奪三振、無失点に抑える快投で降板。この試合が現役ラストゲームとなる右腕へ東京ドームは敵味方関係なく、万雷の拍手が鳴り止まなかった。
6、7回も無得点が続く日本。スタンドからはフラストレーションがたまったファンから「打てよー!」「いつ打つんだー」という罵声が上がる。
試合の均衡が破れたのは終盤の8回裏、先頭の佐藤輝明が死球で出塁すると、途中出場の若月健矢が右翼線への二塁打で一塁ランナーの佐藤が一気にホームを狙う。チェコの中継プレーにミスが出てボールが転々とする間に佐藤がホームイン。ようやく日本が先取した。
このあと岡本和真が三ゴロで2死になったが、小園が四球で一、二塁に好機を広げると、7番でスタメン出場した周東が右中間への3ランで追加点。“お茶を点てる”ポーズが飛び出し、勢いを取り戻した侍打線がリードを4点にした。
一度お茶を点てた侍打線はもう止まらない。このあと連打と四球で満塁をつくると、相手投手の押し出し四球で1点を追加。トドメは村上宗隆に待望の今大会第1号となる右越えグラウンドスラムが飛び出し、この回だけで一挙9得点を挙げた。
9回は日本ハムの北山亘基が無失点に抑えてゲームセット。出場機会が少なかった選手の起用や今大会一度も登板がなかった23歳の金丸夢斗を7回から2イニング投げさすなど臨機応変な起用もあったが、格下相手にいささか不安の残る最終戦となった。
侍ジャパンは日本時間15日の準々決勝でプールD2位通過のチーム(ドミニカ共和国またはベネズエラ)と対戦するため、決戦の地である米国マイアミに向かう。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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