バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガ2025-26シーズンは、いよいよプレーオフへ突入。現地時間3月7日に準々決勝がスタートした。男子日本代表の石川祐希が所属するレギュラーシーズン1位シル スーザ スカイ・ペルージャは、8位ヴェロバレー・モンツァとホームで対戦。セットカウント3-1(21-25、25-20、25-16、25-17)で勝利を収め、準決勝進出へ向けて好発進した。
レギュラーシーズン上位8チームがスクデット(リーグ優勝)を争うプレーオフ。準々決勝から決勝までの各ステージは上位チームのホーム試合でスタートし、3戦先勝(最多5試合)で勝者が決定する。昨季はイタス・トレンティーノが優勝。一昨季の王者ペルージャは、クチーナ ルーベ・チヴィタノーヴァに逆転を許して決勝の舞台に立てず連覇を逃した。
王座奪還を狙うペルージャの先発は司令塔がイタリア代表シモーネ・ジャンネッリ、OPの元チュニジア代表ワシム・ベンタラ、MBにロベルト・ルッソとフェデリコ・クロザートのイタリアコンビ、OHはポーランド代表カミル・セメニウクと元ウクライナ代表オレフ・プロトニツキ、Lが元イタリア代表マッシモ・コラチ。右膝負傷で戦列を離れている石川はリベロ登録でのベンチ入りとなった。
〈S:セッター、OH:アウトサイドヒッター、OP:オポジット、MB:ミドルブロッカー、L:リベロ〉
後半戦でモデナとミラノから白星を勝ち取ったモンツァだが、フィンランド代表OHルーカ・マルッティラとハンガリー出身OPクリスティアン・パダルの主力2選手が2月初めに退団(両選手ともトルコリーグへ移籍)。クラブ生え抜きの19歳ディエゴ・フラシオを先発OPに起用し、Sヤン・ツィマーマンとOHエリック・ロアースのドイツ代表コンビ、もう1枚のOHにマルティン・アタナソフ(ブルガリア)、イタリア代表経験のあるMBトーマス・ベレッタとレアンドロ・モスカ、Lのレオナルド・スカンフェルラで布陣を組んだ。
ブロックとエースを含む5得点で第1セットを勢いよくスタートさせたペルージャだったが、誤打2本などでリードを手放すと固い守備が光るモンツァにラリーを連取されて形勢一転。その後も被ブロックが続くなどしてサイドアウトを奪えず一気にビハインド6点へ後退する。終盤、リリーフサーバーに起用されたOHドノヴァン・ジャヴォロノク(チェコ共和国)が3連続ブレークに貢献するも、点差を詰めるに留まり試合を先行された。
第2セットはジャンネッリの1枚ブロック、セメニウクのエースや相手のアタックミスで早々に前へ出る。すると1セット目終盤から投入されたMBセバスティアン・ソレ(アルゼンチン)がブロックを含む2得点を挙げて序盤の内にリードは5点。中盤にはルッソの2連続エースを挟んでソレとプロトニツキがブロックを決めて9点差へ広げる。後半、モンツァがLスカンフェルラの好守で粘り若手OPフラシオの攻撃で4点を返すが、ベンタラとセメニウクが確実に相手コートにアタックを沈めてブレークを許さずに1セットを奪い返した。
第3セット前半まで僅差で追尾を許したペルージャは、後半に入り再びルッソのサーブを起点にソレがブロック、プロトニツキもレフト攻撃を沈めて3連続ブレークに成功する。レセプションを崩された場面では、2セット目にアタック決定率70%をマークしたモンツァのOPフラシオをプロトニツキがブロックで阻止。ジャンネッリがコート外からワンハンドで上げたディグをセメニウクのブロックアウトで得点に変えて20点台に乗せ、以降サーブミスが続いた相手を寄せ付けずセットを連取した。
第4セットも前半からアクセルを踏み込んだペルージャがブレーク8回を奪ってそのままリードをキープする。後半にサーブと攻撃のミスで3得点を献上するが、迎えた終盤にセメニウクのサーブが炸裂。エースに続き、モンツァのレセプションを苦しめて自らのバックアタックで連続ブレークを引き寄せる。迎えたマッチポイントでリリーフサーバーを任されたジャヴォロノクが相手の守備を崩し、ダイレクトで自陣へ返ったボールをジャンネッリが押し込んで試合終了。ペルージャが初戦に勝利して準決勝進出へあと2勝とした。
復帰へ向けて回復プログラムをこなす日々を送る石川はコートサイドで見守った試合を、「1セット目は取られてしまいましたけど、2セット目以降は自分たちの流れで試合を進められたと思います。僕は練習を見れてないので分からないですけど、いい状態でできてるんじゃないかなと思います」と振り返った。
ペルージャは1週前に開催されたスーペルコッパで4連覇を達成。大会最多の優勝7回を果たした後、初のホーム戦が行われた本拠地パラバルトンでは優勝カップがお披露目された。試合後には主将ジャンネッリを先頭に選手とスタッフがサポーターの集うエンド席前に整列。一緒に大型モニターで決勝のハイライトシーンを鑑賞し、今季2つ目となるタイトル獲得の喜びを分かち合った。
「スーペルコッパで優勝できたことは良かったです。その前から非常に良い形で試合もできていて、スーペルコッパの流れもあって今日の試合にもいい状態で臨めたと思います」と語った石川。優勝のプラス効果を実感しているようだ。
例年のスーペルコッパはシーズン開幕前に行われ新チームの力を試す場と言えるが、今季はレギュラーシーズンを終えてからの開催。チームの成熟度がカギを握る大会であった。そして、ペルージャにとってはコッパ・イタリアで2季連続の準決勝敗退を強いたヴェローナにリベンジを果たしての栄冠。映し出される一つ一つのプレーを食い入るように見つめる選手たちの眼差しは、思いのほか真剣だった。
その光景の中にいた石川に、「どんな形でも、頂点に立つのはやはりいいですね」と伝えるとこのように返した。
「そうですね。自分が出場できたなら、もちろんそれに越したことはないんですけど。タイトルを獲ることはやっぱり重要なことだなと感じています」
ペルージャの次戦はプレーオフ準々決勝の第2戦(日本時間3月16日午前1時開始予定)。準決勝進出へ王手をかけるべくモンツァのホームへ乗り込む。
取材・文●佳子S・バディアーリ
【動画】PO準々決勝でペルージャがモンツァに先勝
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