ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンドでブラジル、イギリス、さらに優勝候補のアメリカ、強豪メキシコ相手に4連勝。世界トップレベルのアメリカから奪った大金星は、WBC史上最大のアップセットとも称された。
堂々1位で決勝トーナメントに進出したイタリア代表は、準々決勝でプエルトリコにも勝利。WBCベスト4進出はイタリア代表における史上最高位だ。そんな快進撃を続けているイタリア代表のフランシスコ・セルベリ監督について、伊スポーツ紙『Gazzetta dello Sport』が現地3月15日の記事で特集した。
「1986年3月6日、ベネズエラのカラボボ州バレンシア生まれの40歳。母ダメリスはベネズエラ人で、父エマヌエレはイタリアのプーリア州ビトント出身。父は11歳の時に海を渡った移民だ。現役時代のセルベリは、前任監督で球界の伝説的選手のマイク・ピアッツァと同じ捕手としてプレー。ニューヨーク・ヤンキースでは2009年にワールドシリーズのリングを手にした。偉大な球団で、野球に対する方法論や重圧をコントロールする術を身に付けた。それこそが、今大会のWBCでベスト4に進んだアッズーリ(イタリア代表の愛称)に植え付けているものだ」
チャンピオンリングを手にしたヤンキースでプレーした後は、ピッツバーグ・パイレーツ、アトランタ・ブレーブス、マイアミ・マーリンズに所属。メジャー13年で通算730試合に出場し、通算成績は打率.268、OPS.740、41本塁打、275打点。「世代を代表するスーパースターではないが、堅実で生産的な選手。捕手というポジションの平均的な打撃成績をつねに上回っていた」。
セルベリ監督は、父の祖国との絆を決して忘れてはいなかった。2009年と17年のWBCにイタリア代表選手として出場。いずれの大会もイタリアは1次ラウンドで敗退した。2025年1月、セルベリはピアッツァの後任としてイタリア代表監督に就任。その時、セルベリ監督はひとつの方針を決めた。
「イタリア代表のユニホームを着ることを、本当に誇りに思える選手が必要だ」
指揮官は野球の国内リーグがあるイタリアで育った選手と、アメリカで育ったイタリア系アメリカ人を融合させている。「チームのキャプテンで、カンザスシティ・ロイヤルズのスター選手、ビニー・パスカンティーノは、セルベリ監督の功績をこう語っている。“異なる魂をひとつのグループとして団結させ、楽しみながらプレーができるチームを作ったことだ”」。
そんなセルベリ監督は、サッカーにも強い関心を示している。同紙によると「心のチームはユベントス」で、「生涯、応援し続ける」と語っているという。「現チームで評価しているのはFWケナン・ユルドゥズ、FWフランシスコ・コンセイソン」だが、「永遠のアイドルはアレッサンドロ・デル・ピエロ」だ。「2010年、セルベリはトリノでデル・ピエロと初めて会った。デル・ピエロと撮った写真は宝物で、同様にジャンルイジ・ブッフォンとの写真も大切な一枚になっている」。
そのデル・ピエロとブッフォンが出場した2006年のワールドカップ・ドイツ大会で、イタリア代表は4度目の世界制覇を成し遂げた。サッカー代表とは異なり、主要国際大会の優勝経験がない野球のアッズーリは、今大会でどこまで勝ち進むのか。デル・ピエロやブッフォンのように優勝トロフィーを掲げることができれば、野球史に残る歴史的な快挙となるだろう。
イタリア代表は現地3月16日(日本時間17日午前9時)、ベネズエラ代表と準決勝を戦う。
構成●THE DIGEST編集部
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