現地時間3月15日に行なわれたオランダ・エールディビジ第27節で、フェイエノールトはエクセルシオールを2-1で下したが、3試合ぶりの白星を手にしたこのホームゲームでチームの全ゴールを挙げたのがストライカーの上田綺世だった。
前節NACブレダ戦で実に11試合ぶりの得点を記録していた日本代表は、50分にVARでゴールを無効とされたものの、その8分後に左からのクロスを左足でトラップし、冷静にGKの位置を見定めて右足のアウトサイドでゴールネットを揺らすと、その直後にはラヒーム・スターリングのスルーパスで抜け出し、GKとの1対1を難なく制して決勝点となる追加ゴールをマークしてみせた。
81分にゴンサロ・ボルヘスとの交代でベンチに退くまで、上田はボールタッチ22回で、シュート4回(枠内4回)、パス8回(成功6回)、チャンスメイク1回、ドリブル1回、クリア2回、ボール奪取1回、デュエル8回(勝利3回)、被ファウル1回というスタッツを記録している(データ専門サイト『FOTMOB』より)。
クラブは公式サイトで、「フェイエノールトはロッテルダム・ダービーで勝利を挙げたが、とりわけ大きく貢献したのは上田で、彼の2得点により、デ・カイプでの試合は最終的に良い形で決着。この日本人得点王は後半、わずか2分間の間に2ゴールを決め、前半の非常に低調な出来によって生じていたダメージを取り戻した。これにより今季リーグ戦で21、22点目を記録」と、背番号9の活躍ぶりを伝えた。
現地メディアの報道では、日刊紙『De Telegraaf』が「フェイエノールトは上田の活躍に感謝」と題した記事で、「チームを救ったのは、ほぼ3か月間ゴールから遠ざかっていたものの、突如として再び調子を取り戻した男だった。上田はジョーダン・ボス、スターリングのアシストを受け、わずか2分間の間に2度ゴールネットを揺らし、試合を完全にひっくり返した」とレポートを綴り、彼を「救世主」と表現している。
オランダの公共放送『NOS』は、「上田が完全に調子を取り戻した。11試合連続で得点がなかったこの得点王は、直近2試合で4ゴールを記録。彼のゴールはデ・カイプに控えめな歓喜をもたらした」と報道。この試合でも下位チーム相手に前半は苦戦したため、ホームスタジアムがファンの苛立ちと沈黙が支配する中で、彼が大きな仕事を果たした事実を、「静まり返ったデ・カイプで上田が活躍」という見出しで表わした。
クラブの地元ロッテルダムの公共放送『RIJNMOND』は、上田の得点について「ボスのクロスに誰も触れなかったが、日本人選手だけは見逃さなかった。彼は右足のアウトサイドシュートで、GKファン・ガッセルの体勢を崩した」「素早いカウンターの後、スターリングの絶妙なアシストを受け、上田は冷静に今季22点目を決めた」と、それぞれ言及している。
また同メディアでレポーターを務めるデニス・クラネンブルフ氏は、この試合を振り返る中でフェイエノールトについては終始厳しく評したものの、上田に対しては「ここ2試合で4ゴール。これでチームの問題が解決してくれればいいのだが……。彼自身は、やれると実感しているはずだ。すでに22ゴール。再び、ほぼ1試合1得点のペースに戻ってきている」とポジティブに語り、今後への期待も寄せている。
上田を称賛したのはジャーナリストだけではなく、元オランダ代表ストライカーで、欧州ゴールデンシュー受賞者(1981-82)でもあるヴィム・キーフトは、『NOS』のサッカー専門番組『Studio Voetbal』で「彼は非常に鋭かったと思う。先週もすでに2ゴールを決めていたから、スピードと自信を備えていた。彼は解き放たれたようだ。良い動き出しも多く見られた。相手のレベルを考慮に入れる必要はあるが、上田は戻ってきた。それはシーズン残りに向けて、希望を与えてくれる」とのコメントを残した(サッカー専門誌『VI』より)。
敵将もまた、上田の決定力に脱帽しており、『VI』ではエクセルシオールのルベン・デン・ウイル監督が「フェイエノールトにはクオリティーの高い選手が非常に多くいるが、なかでも上田はエールディビジで群を抜いて最高のストライカーだ。彼がペナルティーエリアに入れば、10回中9回はゴールになる」と最大級の評価を下したと報じられている。
構成●THE DIGEST編集部
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