日本時間の3月18日午前9時からマイアミで始まったWBC決勝。激戦の末にベネズエラがアメリカを下し、初の世界一の栄冠に輝いた。
マイアミの夜風の中、そのベネズエラと大会連覇を狙う日本代表「侍ジャパン」が激突したのは3月14日(日本時間15日)の準々決勝だ。しかし結果は、まさかの5-8。ベネズエラの猛攻に日本代表は、史上初のベスト8敗退という辛酸をなめることになったのである。
と、そんな歓喜に沸いたベネズエラ代表のロッカー付近から、耳を疑うような絶叫が響き渡ったのは、日本戦後すぐのことだった。
「俺たちは寿司を食ったぜ! 全員で寿司を食ったんだ! で、奴ら(アンチ)はどこだ。どこにいるんだよ!」
そう声を張り上げたのは、ベネズエラの至宝ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)だった。1番・ライトで先発出場したアクーニャJr.は山本由伸の2球目をライトスタンドへ運ぶ、先制本塁打を放った。
そんな興奮もあり、試合後に雄たけびを上げながらロッカーの階段を上がっていく動画がSNSで拡散。この「大問題発言」が国際的な大論争に発展することになったのである。スポーツ紙記者が眉をひそめて語る。
「アクーニャJr.は2023年に40本塁打+70盗塁をやってのけ、その年ナ・リーグMVPを獲得するなど、球宴に4度出場するブレーブスのビッグスターです。映像を見る限り、おそらく本人に侮辱的な意図はなく、あくまでノリで日本を『寿司』と表現したのでしょう。ところが日本が規律やスポーツマンシップを重んじる国として知られることもあり、『なんて品のない野郎だ』『明らかに日本を侮辱している』といった指摘が続発した。世界中からこの発言に対するバッシングが起こったというわけです」
さらに火に油を注いだのが、元メジャーリーガーのジェフ・フライ氏の投稿だった。
〈野球が上手いからといって、知性が必要とは限らないという証拠だ!〉
この辛辣なひと言に米メディアは「自分たちの文化を祝うイタリア(エスプレッソ)やメキシコ(ソンブレロ)と違い、他国の文化を揶揄するのは一線を越えている」と、人種差別的ニュアンスを含んでいると指摘。
この「相手を食う」スタイルは、ベネズエラ陣営のお家芸なのか。続く準決勝でイタリアを下すと、今度はファンが「ピザを食った!」と大合唱。これに韓国メディアは「もし韓国に勝って『キムチを食べた』と言われたらどう思うか」と、アジア全体への無礼として怒りの矛先を向けた。あちこちで炎上騒ぎを巻き起こす「大問題発言」となってしまったのである。
(山川敦司)

