今年の全豪オープンテニスのジュニア予選を見てきて感じたことは、プロへの意識が高いジュニアとそうではないジュニアが明確に分かれていることです。プロ意識が高い選手は、どん欲でプロになるためにやるべきことをやっています。日本のジュニアもプロを目指すのであれば、そうあるべきでしょう。
ボールを打つことに対してどん欲なジュニアは多くいますが、ボールを打つのがうまいだけではプロで生きていけません。様々なことに対してどん欲であるべきです。例えば、自分の身体を管理することに対してどん欲に取り組んでいますか?
私は毎朝、今日はどこの筋肉が張っているのかなど、自分の身体を確認する作業をしていました。毎日行なっていると違いがわかるようになるため、「今日はここをマッサージしよう」とケアするべき部分がはっきりしたり、疲労が限界に来ているのか、まだ行なえるのかなども判断できます。
ジュニアの頃は、寝れば翌日には元気な身体になっている場合が多く、自身の身体の状態を把握することも簡単ではないでしょう。マッサージを受ける前と後でどれだけ変化があるのかを感じにくいジュニアもいるだけに軽視しがちですが、身体との日々の対話を行なっておくことで、自分の身体の状況を把握できます。身体の違和感など微妙な違いを感じ取れるようになると、故障を回避できる可能性も高くなるのです。
加えて、自分の身体を管理できるようになると、どうすればパフォーマンスを上げることにつながるのかも考えられるでしょう。そういうどん欲さを、色々な面で持つことで、プロの世界で生きていける準備ができるようになるのです。
他に見習ってほしいのはコミュニケーション力。コーチや周りの人たちとの会話がしっかりキャッチボールができることはもちろんです。それに加えて、国際大会に出場した時は日本人同士で練習するのではなく、海外の選手と打つことで色々なプレースタイルの選手のボールを経験する機会にするべきです。
日本人選手は自分が良いボールを打てるかどうかということに執着して、それを確認できる相手と練習しがちです。試合直前の練習であれば、その点を優先してもいいですが、他の時は経験値を上げることを考えましょう。
ただ、海外の選手と一緒に練習をすると言っても、良い相手を見つけることは簡単ではありません。そこで、私が携わっているジュニアのプロジェクトでは、ダブルスを自分より強い外国人選手と組むように言っています。どうすれば自分より強い選手がパートナーになってくれると思いますか? 考えましょう。そして、実行しましょう。
ダブルスのパートナーならば、一緒に練習しやすいですし、そこからまた輪を広めていくことも可能になります。
色々な事にどん欲に取り組んでください。ジュニア時代の取り組みがプロになった後にも大きく影響してきます。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
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