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【雑草プロの世界転戦記39】プロツアー参戦は14~15歳から! 世界のトップを狙うためのキャリアパス<SMASH>

【雑草プロの世界転戦記39】プロツアー参戦は14~15歳から! 世界のトップを狙うためのキャリアパス<SMASH>

25歳でテニスを始め、32歳でプロになった市川誠一郎選手は、夢を追って海外のITF(国際テニス連盟)大会に挑み続ける。雑草プレーヤーが知られざる下部ツアーの実情や、ヨーロッパのテニス環境、選手たちの取り組みについて綴る転戦記。

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 前回からは、ヨーロッパなど海外の選手がプロになっていく行程にスポットを当てています。ジュニアからどのようにITF大会(※プロの下部ツアー)に移行していくべきなのか? 今回は、近年の世界ランク1位のプレーヤーたちを例に取り、そのキャリアパスを検証します。

 彼らはほとんどの場合、14、15歳でプロのITF大会に出場し始め、16、17歳にはそこで優勝しています。これが世界一になるためのキャリアパスの“スピード感”ということになります。

 ヨーロッパでは周囲にトッププロがたくさんおり、先輩たちのキャリアを参考に自分たちのプランニングをするため、そのようなイメージを持っていない日本人に比べると、かなり早い段階でプロツアーに出場しています。

 ただ、やがてナンバー1になる彼らでも、最初は早期敗退が続くケースも珍しくありません。ヤニック・シナーやロジャー・フェデラーは比較的長い間、下部ツアーで早期敗退が続きましたが、挑戦を続けていくうちにある段階でブレークスルーしています。他の歴代ナンバー1も含めて経歴をまとめてみました。
 ■ロジャー・フェデラー(スイス/1981年8月8日生まれ)

1996年:15歳でITFプロ大会出場開始。
1997年:比較的負けが多くベスト4が最高。
1998年:17歳でITF初優勝。
1999年:18歳でチャレンジャー(※ATPの下部ツアー)初優勝。
【ランキング推移】97年(16歳)704位⇒98年(17歳)301位⇒99年(18歳)64位⇒00年(19歳)29位⇒01年(20歳)13位

■ラファエル・ナダル(スペイン/1986年6月3日生まれ)

2001年:14歳でITFプロ大会出場開始。15歳でチャレンジャー出場開始。
2002年:16歳でITF初優勝。この年ITF優勝6回。
2003年:16歳でチャレンジャー初優勝。
【ランキング推移】01年(15歳)811位⇒02年(16歳)200位⇒03年(17歳)49位⇒04年(18歳)51位⇒05年(19歳)2位

■ノバク・ジョコビッチ(セルビア/1987年5月22日生まれ)

2003年:15歳でITFプロ大会出場開始、最初の3戦は初戦負け。16歳になってすぐ、4大会目でITF初優勝。
2004年:16歳でチャレンジャー出場開始。17歳の誕生日にチャレンジャー初優勝。
【ランキング推移】03年(16歳)679位⇒04年(17歳)186位⇒05年(18歳)78位⇒06年(19歳)16位⇒07年(20歳)3位

■ヤニック・シナー(イタリア/2001年8月16日)

2015年:14歳でITF大会出場開始。
2016年:ITF2大会に出場するも予選敗退。
2017年:ITF2大会に出場するも予選敗退。
2018年:16歳でチャレンジャー出場開始。17歳でITF準優勝。
2019年:17歳で先にチャレンジャー初優勝。翌週ITF初優勝。
【ランキング推移】17年(16歳)までランキングなし⇒18年(17歳)551位⇒19年(18歳)78位⇒20年(19歳)37位⇒21年(20歳)10位

■カルロス・アルカラス(スペイン/2003年5月5日生まれ)

2018年:14歳でITFプロ大会出場開始。
2019年:15歳でチャレンジャー出場開始。16歳でITF初優勝。
2020年:17歳でチャレンジャー初優勝。
【ランキング推移】18年(15歳)1491位⇒19年(16歳)492位⇒20年(17歳)141位⇒21年(18歳)32位⇒22年(19歳)1位

 こうして見ると、ナダル、ジョコビッチ、アルカラスは早くからプロツアーに挑戦し、なおかつ早い時期に結果を出しています。一方、フェデラーとシナーはプロツアー参戦後、2~3年苦しみますが、それでも参戦自体は早めです。5人とも14~15歳からプロツアーに出場しており、日本の一般的な基準よりも数年早いのがよくわかるでしょう。
  次に、僕が実際に会ったことがある、最近の各世代トップジュニアのキャリアパスを見てみましょう。歴代1位選手との比較材料になると思います。

■アルテュール・フィス(フランス/2004年6月12日生まれ)/現在31位(※26年3月16日付/以下同)

2020年:15歳でITF大会出場開始。
2021年:16歳で全仏予選出場(WC)。
2022年:ランキングが低くてもITF大会に全く出場せず、チャレンジャー予選に挑戦。
2023年:18歳でチャレンジャー初優勝&ATPツアー初優勝。
【ランキング推移】21年(17歳)613位⇒22年(18歳)251位⇒23年(19歳)36位

■ディノ・プリズミッチ(クロアチア/2005年8月5日生まれ)/現在108位。23年全仏ジュニア優勝

2021年:15歳でITF大会出場開始。
2022年:16歳でチャレンジャー出場開始。17歳でITF初優勝。
2023年:18歳でチャレンジャー初優勝。
【ランキング推移】22年(17歳)475位⇒23年(18歳)178位⇒24年(19歳)292位⇒25年(20歳)127位

■フェデリコ・チナ(イタリア/2007年3月30日生まれ)/現在203位。イタリアのこの世代のトップジュニア

2022年:15歳でITF大会出場開始。
2024年:17歳でチャレンジャー出場開始。ITF初優勝。
【ランキング推移】22年(15歳)1650位⇒23年(16歳)1849位⇒24年(17歳)522位⇒25年(18歳)236位

■マナス・ダムネ(インド/2007年12月29日生まれ)/現在460位。14歳でジュニアトップ100に

2022年:14歳でチャレンジャー出場開始。ITF大会出場開始。
2023~2024年:目立った活躍なし。
2025年:17歳でITF初優勝。
【ランキング推移】23年(16歳)1639位⇒24年(17歳)1064位⇒25年(18歳)588位
  彼らも基本的には世界ナンバー1になった選手たちと同様のキャリアを歩んでおり、15歳ではプロツアーに出場を始めています。ただ、ナンバー1選手たちほどのスピード感では結果を出せておらず、下部ツアーで頭角を現すのに何年か時間がかかる選手もいるということです。

 基本的には常に上のカテゴリーを狙って、ジュニア期からチャレンジするキャリア形成がはっきり見えます。まだ上で勝てる力がないからといって、挑戦自体を先送りしていては、手遅れになりかねません。勝っても負けても、プロツアーに身を置くのがヨーロッパの選手たちの考え方と言えます。

文●市川誠一郎

〈PROFILE〉
1984年生まれ。開成高、東大を卒業後ゼロからテニスを始め、32歳でプロ活動開始。36歳からヨーロッパに移り、各地を放浪しながらITFツアーに挑んでいる。2023年5月、初のATPポイントをダブルスで獲得。Amebaトップブロガー「夢中に生きる」配信中。ケイズハウス/HCA法律事務所所属。

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配信元: THE DIGEST

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