最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
【ザスパ社長・細貝萌の生き様】早朝から小学校の校門前に立つ理由。マラソン大会のゲストランナーで快走。このクラブが生活の一部になるように――

【ザスパ社長・細貝萌の生き様】早朝から小学校の校門前に立つ理由。マラソン大会のゲストランナーで快走。このクラブが生活の一部になるように――


 2024年末の現役引退後、ザスパ群馬の社長に転身し、早いもので1年3か月の時間を過ごした細貝萌社長。「スーツは20種類くらい持っていて、TPOに合わせて変えています」と本人は笑顔で話したことがあったが、その姿もすっかり定着してきた印象だ。

 その細貝社長が今、力を入れているのが、ホームタウン活動。率先して地域の学校などを回り、クラブの認知度向上を図っているのだ。

「2026年からは小学校回りをスタートさせました。僕らのクラブは群馬県全域がホームタウンなのですが、練習拠点のGCCザスパークや正田醤油スタジアム群馬のある前橋市、隣接する高崎市などから始めて、徐々に活動を広げていくことにしています。

 今月に入ってからは、GCCザスパークに近い前橋市立桂萱東小学校、高崎市の城南小学校に行きました。登校時間の朝7時半頃に校門前に立って、クラブ公式マスコットのザスパンダとともに子どもたちを迎え入れて、『おはようございます』と挨拶する活動ですね。ザスパンダのシールを配って『ぜひ応援してね』と声をかけたりもしました。

 僕らが校門前に立つことで、『今朝、学校にザスパ群馬の人が来ていたよ』と家族に話してくれるでしょうし、クラブのことを意識するきっかけになると思うんです。

 学校では挨拶活動に加えて、僕が5~6年生を対象にちょっとした講演会もさせてもらいました。『将来の夢』をテーマに、プロサッカー選手としてやってきた自分の経験を伝えながら、自分のイメージを持ってもらうような形ですね。

 これまでも中学や高校で何度か講演させてもらっていますけど、彼らにザスパ群馬を認知してもらう機会になればいい。そのために駆け回っています」と、細貝社長は新たな取り組みを嬉しそうに語る。
 
 子どもたちへのアプローチは、Jクラブ全体が力を入れている部分。たとえばヴァンフォーレ甲府などは、約10年前からマスコットのヴァンくんが明るく身体を動かす「ヴァンくん体操」を作り、地元の幼稚園・保育園、小学校、地域のお祭りなどで披露している。それが定着し、子どもたちにはヴァンくんの存在が刷り込まれ、コアファンの拡大につながっているという。

 同じ地方クラブのザスパ群馬も、地元の子どもたちがザスパンダのステッカーを貼ったり、ザスパンダと一緒に踊ったり歌ったりするようになれば、確実に認知度も、盛り上がりも増す。そういった未来をイメージしながら、細貝社長は気温0度近い初春の早朝に外に出て、大きな声で挨拶しているのである。

「群馬県民は約190万人いますが、1人でスタジアムに来られない幼児と高齢者を除く人々にどれだけアプローチしていけるかがカギになってきます。現状の観客数は前橋市、高崎市、伊勢崎市、太田市、渋川市という順。太田市はBリーグのグンマクレインサンダーズの本拠地ですが、サッカー人口も多いので、けっこう来ていただいています。

 こうした地域の掘り起こしは当然続けますし、他地域にもアプローチをしていかなければいけません。群馬県も広いので、沼田市や草津町になると車で2時間かかるほどの距離がありますけど、そういうところにも目を向けていく必要がありますね。

 僕自身も行政と連係して安中市やみどり市、千代田町のマラソンにゲストランナーとして参加し、20キロ走りましたけど、そういう活動も精力的に取り組んでいます。サッカー教室も頻繁に行っていますし、ホームタウン活動の重要性を強く感じています」と、細貝社長は少し前まで現役選手だったメリットを活かしながら、アクションを起こしているのだ。
 
 そうした活動の背景として、集客に苦戦しているところが大きいのだろう。J3に降格した2025年の1試合平均観客数は3,555人で、J2だった2023年の4,121人、2024年の3,988人を下回った。そして迎えた2026年。百年構想リーグはJ2・J3の混合リーグということで、数字が上向くのではないかと思われたが、フタを開けてみると3,032人という厳しい状況になっている。

 今後はベガルタ仙台などアウェーから多くのファン・サポーターが来る見通しのチームとの対戦があるため、数字は多少なりとも増えるだろうが、現実は厳しいと言わざるを得ない。仮に、アルビレックス新潟、松本山雅FC、RB大宮アルディージャなどファン・サポーターの多い近隣地域のクラブが同じグループだったら、また違った展開になっていたかもしれないが、「相手に関わらず恒常的に大勢の観客が集まる形」にしていかなければ、未来への希望も見えてこないのだ。

「会社としては勝敗に左右されることなく、お客さんが入るのがベストだと考えています。もちろんスポーツですから、勝てば人が集まるのは事実ですけど、『ザスパのサッカーが楽しかったから、また行きたい』という人を増やさないといけないし、『生活の一部にザスパがある』という状況になるのが理想的。『どういう時でも応援したい』と思う人を増やすことが、僕らにとっての大きな課題だと位置づけています。

 僕はドイツでプレーさせてもらいましたけど、ヘルタ・ベルリンを筆頭にどのクラブも地域に根付いていた。ヘルタのホームはオリンピア・シュタディオンで、約7万人の収容規模を誇るのですが、バイエルン・ミュンヘン戦は超満員に膨れ上がりましたし、シャルケ戦も6万人は入っていましたね。一番少ない試合でも4万5,000人はいました。

 そういう熱気の中でプレーできることに幸せを感じていました。このクラブの選手にもそういう感動を味わってほしいと思っています」
 
 細貝社長は自身のキャリアを踏まえながら、クラブのあるべき未来像を口にする。若き経営者の熱い思いをスタッフや選手たちもしっかりと受け止め、できることをやろうという姿勢を見せている。

 前橋育英の後輩に当たるセンターバックの大畑隆也が「ハジさんが社長になると聞いた時は、『ハジさんが社長なら、他からオファーがあっても残りたい』というくらいの気持ちになりました。今も毎週、ハジさんやいろんな人への恩返しのために戦いたいと思っていますし、早く群馬をJ2に上げたいです」と力を込めた通り、現場も含めて一体感を高めている。

 だからこそ、彼や豊富なキャリアを持つ小柳達司、青木翔太、風間宏希といった面々が中心となって、タフに戦える集団を作り上げてほしいところ。魅力あるサッカーをして強いチームなら、きっと観客数も増えていくはず。今後の推移を興味深く見守りたいところだ。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

【画像】日向坂や乃木坂の人気メンバー、ゆうちゃみ、加護亜依ら豪華タレント陣が来場、Jリーグのスタジアムに華を添えるゲストを特集

【画像】Jリーガーが好きな女性タレントは?長澤まさみ、ガッキー、広瀬すずらを抑えての1位は…

【記事】「大谷翔平って何であんなに凄いの?」中村俊輔の素朴な疑問。指導者としてスーパースター育成にも思考を巡らせる
配信元: SOCCER DIGEST Web

あなたにおすすめ