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横浜に0-5の大敗で川崎に浴びせられたブーイング。「フロンターレのエンブレムを背負って戦っている身としてはあり得ない」「応援してもらって当たり前だと思っちゃいけない」選手たちはどう受け止めたのか

横浜に0-5の大敗で川崎に浴びせられたブーイング。「フロンターレのエンブレムを背負って戦っている身としてはあり得ない」「応援してもらって当たり前だと思っちゃいけない」選手たちはどう受け止めたのか


[J1百年構想リーグEAST第8節]川崎 0-5 横浜/3月22日/MUFGスタジアム

 MUFGスタジアムこと“国立”で川崎がホームゲームとして開催した横浜との神奈川ダービー。

 様々なイベントを催すなど川崎のさすがの“企画力”が光り、5万275人の観衆を集めたが、試合は川崎が0-5で敗れる結果となった。

 試合後、川崎の選手がゴール裏に挨拶に向かうと響き渡ったのが盛大なブーイングだった。

 所属17年目の小林悠は「(これだけのブーイングは)初めてくらいの経験だと思います。ただ、されて当たり前だと感じますし、何も言い返せないと言いますか、選手全員が分かっているはず。これだけ(試合へ向けて)盛り上げてもらって、この結果と内容だったら(ブーイング)されて当たり前だと思います」と厳しい表情を浮かべた。

 怪我人らを抱え、厳しい台所事情を強いられる川崎は、CBに今季アカデミーから昇格した林駿佑を抜擢し、同じく下部組織育ちの松長根悠仁と組ませて試合に臨み、開始早々にはセットプレーからその松長根が、キャプテンの脇坂泰斗のシュートのこぼれ球を詰めてネットを揺らしたが、VARでオフサイドの判定となった。

 すると、30分に谷村海那に先制点を奪われ、後半は立て続けに失点。反撃も実らず、0-5の敗戦を喫した。
 ショッキングな黒星に普段はブーイングをしないことで有名な川崎サポーターも、チームに怒りをぶつけた。その光景を今季新加入した山原怜音も振り返る。

「サポーターの方々の反応は当たり前だと思いますし、恐らく自分が逆の立場でも、5点差で負けるのはああいう反応になると思います。点差以上に自分たちは戦っていたのか、もっと走っていたのか、点を取ろうとしていたのか、その姿勢が見えなかったからこその反応だと思うので、ピッチで起きている現象はピッチでしか取り返せないと感じます。僕たちプレーヤー、クラブはすぐ次にくる試合に準備して、ピッチの上で取り返すにはそこしかないと思います」

 またキャプテンの脇坂も厳しい言葉を残した。

「5万人を超えるサポーターの皆さんが僕たちを応援してくれるなかでのゲームでしたので、非常にキャプテンとして申し訳ない思いですし、そういった気持ちが一番です」

 そして自らにベクトルを向けたうえで続けた。

「自分たちからボールを失った、オフサイドを何度も取られたり、あれじゃ話にならない。

 練習でやっていても試合ででていないのは、選手の問題でもあると思うので、意識で変わる部分はありますし、もっと声掛けが必要なことだと思います。(次の3月28日の)町田戦が本当に大事なゲームになるので、勝点3を取るために、切り替えようとか簡単な言葉で済ませるのではなく、切り替えようというのは当たり前の問題で、低レベルな話はないように、勝点3から逆算した攻撃と守備を週明けからやっていきたいです」

 またボランチの山本悠樹も今後に向けてのポイントを説明する。

「当たり前ですがみんな本気でやっていますし、頑張ろうとしている中で、チームとして一体感を持ってもっとできると思いますし、そこらへんが助け合いだったり、ひとつのプレーに対する責任感だったり、そこを指摘し合えないようでは変えていけないと思うので、試合に出ている選手を中心に厳しくやっていくしかないですし、受け止めるしかないと思います」

 改めてチームと苦楽をともにしてきた小林も訴えた。

「あってはならないと言いますか、フロンターレのエンブレムを背負って戦っている身としてはあり得ない試合だと思います。なんとか1点だけという気持ちでやりましたが届かなった。

 普通の負けと思っちゃいけないし、一人ひとりがこの負けとどう向き合うか、本当に明日からどう変わっていくのか。みんなが考えないとフロンターレのタイトルを獲っていた時代が終わっちゃうと思うので、もう一回全員が向き合わなくてはいけない時だと思います。

 簡単に切り替えちゃいけない試合だと思いますし、0-5ってそんな簡単なことじゃない。それは分かっていると思いますが、選手全員で姿勢とかそういうところで見せていかなくてはいけない。それくらい重みのある試合だったと思います。

 連動して合わせていくとこがまだ足りないと言いますか、コンビネーションで崩すところも、自分たちは増やしていかないと、そこは個人の力はあるんですが、そこをみんなで選手のなかで合わせていったり、味方がこう動いたらこうだよねというのを1人、2人ではなく、3人、4人とつながっていく。そこを増やしていければ良いのかなと。そういう練習もたくさんやってもらっていますし、そこをどう合わせていくか、ずっと課題かなと思います」

 そして小林はこうも強調した。

「応援してもらって当たり前だと思っちゃいけない。そのためにもしっかり次に向かっていくしかないと思います」

 長谷部茂利監督が就任した昨季は、リーグ最多得点を奪った一方、失点数はリーグワースト3位タイを数え、最終順位は8位。守備強化と攻撃のさらなるパワーアップをテーマに掲げた指揮官の狙いは実現し切れなかった。

 そのうえで迎えた就任2年目はGKスベンド・ブローダーセン、CB谷口栄斗、SB山原ら即戦力を迎えたが、開幕戦で柏と5-3の打ち合いを演じるなど失点がかさみ、開幕からの数戦は被シュート数の多さも話題となった。

 そこで守備面の再整備に乗り出し、前節の東京V戦は2-0と今季初のクリーンシートでの90分での勝利を飾ったが、今節は5失点。長谷部監督も悔やむ。

「あってはいけないと思います。強いチームはクリアしたことをそのまま継続している印象です、考えです。昨年も同じようなことを繰り返して、あれができるようになったらこれが疎かになっている。この場で喋った気がします。今年はよくなりかけたところで大敗ですから、もう一度、自分たちがどういう道を歩んでいくのか、上り坂に違いありませんが、上がっていかなくてはいけない。そう思っています」

 果たして川崎はこの大きすぎる敗戦を受けて、どうチームとして、クラブとして課題に向き合っていくのか。

 何より不安なのはクラブがどういうサッカーを表現したいのか相変わらず分かりづらく、ここ数年、苦戦が続くなかで、個人的には0-5という敗戦にそこまでショッキングな想いがないところにある。それこそ、“勝者のメンタリティ”が薄まっていると言えるのだろう。

 一方で、勝つことがすべてではない、地域のために、支えてくれる人たちのために戦わなくてどうするんだ、という川崎には素晴らしい文化がある。そのうえで、今回の敗戦をクラブとしてどう受け止めるか。

 何よりもしていけないのは、シーズン中のひとつの敗戦として通りすぎ、また記憶が薄れ始めた時に同じ轍を踏むことである。

 遅すぎるとも感じるが、どれだけの人が危機感を持てるか。そこが大きな岐路のように映る。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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