政府・与党内で茂木敏充外相の評価が上がっている。先の日米首脳会談では当初、同行する予定がなかったが、ホワイトハウス内の会見場に座り、高市早苗首相をサポートした。政権内では、
「存立危機事態などの安全保障関連法、憲法、国際法などを絡めて、アメリカとどう交渉するか。戦略を立てたのは茂木外相だ」
とする声が上がっている。高市首相はただその場を盛り上げ、エアカラオケをするパフォーマンスだけ。
「さながら、ホステスのような役割だった」(外務省関係者)
すなわち「茂木参謀、高市ホステス」が今の高市政権だ。
日米首脳会談へと向かう政府専用機の中には、相変わらずの膨大な資料があった。
「高市首相は資料を持っていないと不安なようです」(自民党職員)
膨大な資料を深夜まで読み込む「勤勉な姿」は、高市首相の売りだ。この国会でも委員会席には膨大な資料を持ち込んで、「勉強の跡」をアピールしているが、「入試会場まで問題集を何冊も持ち込む受験生は不合格になる」とは受験の定説だ。
「優秀な首相ほど、官僚のブリーフ、資料の要点だけをつかみ、資料はそれほど読みません。地頭がいいのです。その点、高市首相は…」(官邸関係者)
これに比べ、東京大学、ハーバード大学卒の茂木外相の地頭の良さはピカイチだ。これまでは優秀すぎて官僚を怒鳴るタイプだったが、この中東情勢の変化の中で、官僚は茂木外相に頼り切りだという。
「憲法上の制約、日本とイランの歴史的つながり、アメリカの要請、中国への牽制、欧州と足並みを揃える。この五つの変数を組み合わせ、戦略を組み立てていました」(前出・外務省関係者)
反中親米の構図だけで思考がフリーズしている高市首相とは大違いだという。
高市首相は憲法九条が嫌いで改正したいため「法律的制約」との表現を使っているが、茂木外相はアメリカからのホルムズ海峡への支援要請に「憲法九条の制約がある」と明言、明確なメッセージを発している。
日米首脳会談では、高市首相はX JAPANの歌に合わせてエアカラオケをするなど、相変わらずはしゃいでいた。こうした頭を使わないパフォーマンスは得意だ。レールは茂木外相が敷いていたのだから、気分は楽だったに違いない。
(健田ミナミ)

