
「(日本代表では)いい感触を持って終われなかった」ドイツで躍動する24歳MFはなぜ森保ジャパンに復帰できたのか「選ばれただけで満足している場合ではない」【現地発】
フライブルクでの好パフォーマンスを背景に、昨年9月以来の日本代表復帰を果たした鈴木唯人。その現在地はゴールやアシストという数字によるものだけでなく、地道な取り組みの積み上げによるクオリティアップによってつかみ取ったものだ。
ゲンクをホームで撃破したヨーロッパリーグ・ラウンド16セカンドレグの試合でも、鈴木はトップ下として高いインテンシティを維持し続けた。スプリントの回数は明らかに多く、攻守にわたって走り切る。途中、疲労の色を見せる場面もあったが、それでも最後までその足が止まることはないし、スピードも、プレーの切れも落ちることがない。
本人はフル出場にこだわっているわけではないことを明かしている。
「結果としてフル出場できているのはいいことですけど、最後まで出ようとは思っていなくて、力を使い切ったら、いい選手がベンチに残っているので交代でいいと思っています」
自らの役割を全うすることにフォーカスし、その結果として出場時間が伸びている。何度もスプリントで戻るプレーを繰り返せることからも、「身体の状態はいい」と語る背景には、日々の積み重ねがある。
「コーチ陣も自分がそれをできると信頼して指導してくれていますし、自分もそれに応えたいと思っています。いい関係性でやれていると思います。個人としてもレベルアップできているかなと」
ゲンク戦ではゴールを決めるだけではなく、終盤の78分に、見事なアシストもマークしている。右サイドでボールを受けた鈴木は巧みなステップで対面のDFを外すと、そのままドリブルでペナルティエリア付近まで運ぶ。タイミングを見極めたラストパスでマクシミリアン・エッゲシュタインのゴールをアシストし、勝利を決定づけた。
最後まで走りきれる、戦いきれる身体と、求められる役割を理解したプレー選択。それをベースに自身の良さを発揮することができる今、鈴木は明確な手応えをつかんでいる。
「選ばれただけで満足している場合ではない。向こうで自分ができることをしっかり見せるしかないと思っています」
これまで日本代表では「いい感触を持って終われなかった」と振り返るが、現在は違う。
「今はすごくやれる感覚があります。非常に楽しみですし、今の自分がどこまで見せられるのか。フライブルクで積み上げてきた自信を発揮して、鈴木唯人を示したいと思っています」
フライブルクで見せているのは、単なる運動量ではない。連続したプレーの中で強度を落とさず、スペースでボールを受け、攻撃にアイデアを加え、ゴールに直結する仕事へとつなげていく力だ。
その連続性とプレーの質は、代表の中でも新たな化学反応を生み出す可能性を秘めている。強度と創造性を両立させる鈴木唯人は、日本代表に新たな選択肢をもたらす存在になり得る。
取材・文●中野吉之伴
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