現地3月22日に行なわれたカラバオ・カップ決勝は、マンチェスター・シティがアーセナルを2-0で下し、5年ぶり9回目の優勝を飾った。
聖地ウェンブリーでの決戦は60分にスコアが動き、ラヤン・チェルキのクロスをGKケパ・アリサバラガがキャッチしそこない、後ろにこぼしたところをニコ・オライリーが頭で詰めてシティが先制した。さらにその4分後には、マテウス・ヌネスのクロスを受けて、再びオライリーのヘッド弾が炸裂。プレミアリーグでは勝点9差で首位のアーセナルを追うチームが、このリードを最後まで守り切ってみせた。
ペップ・グアルディオラ監督が、ミケル・アルテタ監督との「師弟対決」を見事に制した。師匠に軍配が上がった注目の一戦について、英国の日刊紙『The Guardian』は「絶頂期の『シティ帝国』を見ているかのようだった。ここは彼らの空間であり、彼らの芝だった。シティはボールを支配しただけでなく、ボールを持っていない時間においても、スペースすら支配した」と、王者の快勝ぶりを強調している。
一方、4冠の夢が潰えたアーセナルに対しては、「本当に酷い出来であり、プレミアリーグで首位を争い、栄光を追うチームとしては、考え得る限り最悪に近いパフォーマンスだった」と酷評。バッサリと切り捨てた。
加えて、「圧倒されること自体はあり得る。細部で負けることもある。しかし、最も重要な国内決勝で、最大のライバルを相手に、アーセナルの内部構造は完全に崩壊していた。強度とパターンによって構築されたチームが、この日はいずれも示せなかった。試合の中盤には、まるで集団的健忘症に陥ったチームのように見えた」と過激な表現を綴りながら、以下のように続けた。
「中盤はほぼ即座に崩壊した。誰もが焦り、誰もが悪いプレーをし、それは慢性的で伝染するように広がり、光から目を背ける集団的な回避のように感じられた。ケパは最初の失点で壊滅的な役割を果たした。しかし、それは遅かれ早かれ、いずれにせよ起こるべくして起きたものだった。自分たちのプレーにおいてGKがこれほど重要であるのに、なぜこの試合で控えGKを起用したのか......」
このタイトル決定戦で、正GKのダビド・ラヤではなく、ウェンブリーでは再三悪夢を見せてきた控え守護神をアルテタ監督が起用したことに対しては、同メディアだけでなく、多くのメディアや有識者が言及している。
例えばOBでは、ジェイミー・レドナップが「ケパはラヤほど上手くない。だから2番手に甘んじているのだ。この起用は完全に裏目に出た」と苦言。クリス・サットンは「トロフィーを勝ち取ろうというなら、勝率を最大限に高めるために正GKを起用するのが常識だ」と、それぞれこの選択を糾弾している。
いずれにせよ、2019-20シーズンのFAカップ制覇以降の、無冠期間がまた伸びてしまったアーセナル。まだ3つのビッグタイトル獲得の可能性を残し、プレミアリーグにおいては前述の通り大きくライバルをリードしているものの、米スポーツ専門局『ESPN』は今回の完敗も加味したうえで、慎重な見方を崩さない。
「『ガンナーズ』に残された唯一の課題――それは、優勝できるか? ということだ。そして今回も、答はやはりノーだった。彼らは、あまりにも消極的すぎた。チャンスを創り出すためにリスクを冒すよりも、相手の攻撃を阻止することにばかり気を取られたその代償を払う羽目となったのだ。彼らのシーズンはまだ素晴らしいものになる可能性を秘めている。しかし、トロフィーはそう簡単に手に入るものではない。自ら手を伸ばして掴み取らなければならない。アーセナルにそれができるかどうかは、依然として疑問だ」
それに対して『The Guardian』は、「両チームは4月19日(プレミアリーグ第33節)に再び対戦する。それまでに、アルテタ監督がいかにして内部の勢い、エネルギー、チームとしての欲求を取り戻すのかを見るのは非常に興味深い。少なくとも、このような酷い決勝から立ち直ることで、本当のレジリエンスを示すチャンスはある。否応なく、アーセナルは目が離せない存在になっている」と、敗者の巻き返しに強い関心を示している。
構成●THE DIGEST編集部
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