
「銀魂」20周年プロジェクトの最後を飾る完全新作映画「新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-」が、全国公開中。原作でも屈指の人気を誇る長編「吉原炎上篇」を、完全新規作画で映画化する本作。夜王・鳳仙との死闘や神楽の覚醒がスクリーンで蘇ることにファンの期待が高まる中、予告編で明かされたのは「真選組の参戦」という衝撃の事実だった。原作やTVシリーズには一切登場しないはずの彼らが、なぜ吉原桃源郷に? 今回は、真選組局長・近藤 勲役の千葉進歩と、副長・土方十四郎役の中井和哉を直撃。「銀魂 THE FINAL」での“最後の別れ”から数年、再び本編の世界線で刀を握ることになった二人に、制作決定時の心境や20年で培った阿吽の呼吸、さらにはプライベートで「護りたいもの」まで語ってもらった。
■「THE FINAL」を経ての再始動、それぞれの“受け止め”
――20周年、そして「新劇場版」公開おめでとうございます。今回は「吉原炎上篇」の映画化ですが、まさかの真選組参戦ということで。最初に話を聞いた時の心境はいかがでしたか?
千葉 僕はずっと前から「吉原炎上篇をやるらしいよ」とは聞いていたんです。でも原作を知っているからこそ、「あ、じゃあ僕らの出番はないな」と思っていて(笑)。そうしたら後から「実は真選組も出ます」と聞いて……単純に「やったー!」って喜びましたね。人気のあるエピソードにどう参加できるんだろうとワクワクしました。
中井 僕は……最初は信じてなかったですね(笑)。だって「THE FINAL」(2021年公開)の時に、「これでもう全部終わりです」って散々言われたじゃないですか。あの時、僕もインタビューで「好きだからこそ別れなきゃいけない時がある」みたいな、すごくカッコつけたコメントをした覚えがあるんですけど……でももう、そんなことはもう、どうでもいいです(笑)。
――(笑)。あの時の涙を返してくれと。
中井 まさに「終わる終わる詐欺」ですよね。もうこれからは変にカッコつけず、素直に「銀魂が好きだ、いつまでもやらせてください!」と言い続けることにします(笑)。
千葉 僕も「『銀魂』なら何でもあり」という境地に達しているので、今回の参戦も驚きつつ、すんなり受け入れられました。

■近藤が遊女に!? 吉原に馴染みすぎた真選組の“違和感のなさ”
――実際に台本を読んでみて、真選組の登場の仕方についてはどう感じましたか?
千葉 最初は「顔見せ程度かな」とか「本編の邪魔にならないようにしなきゃ」と思っていたんです。でも蓋を開けてみたら、本編の屋台骨は崩さずに、かなりガッツリ絡ませてもらっていて。「あ、こんなに暴れていいんだ」と嬉しい驚きがありました。

――予告では、近藤さんが遊女の格好をしているシーンがありましたね(笑)。
中井 そうなんですよ。遊郭という舞台と近藤さんの相性が良すぎて、めちゃくちゃ馴染んでるんです。「あれ? 最初から吉原炎上篇にいたんじゃない?」って錯覚するくらい(笑)。
千葉 あれは一応潜入捜査のはずなんですけど、完全に遊女になりきっていますよね。きっと近藤の中の乙女心に火がついたんでしょう(笑)。
――そこへ土方が鋭くツッコむと。飛ばしまくりですね。
中井 はい。助走なしでいきなりトップギアのボケとツッコミが始まるのが「銀魂」のテンポですから。スタジオで千葉さんの声や、桂役の石田(彰)さんの声が聞こえてくると、自然と「あ、このモードだ」ってスイッチが入りました。


■収録現場の最優先事項は「石田彰の誕生日祝い」!?
――久しぶりの本編収録だったと思いますが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
千葉 今回は分散収録でもあったので全員集合とはいかなかったんですけど、僕らが収録した日には、ある重要なミッションがありました。
中井 そうそう。石田彰さんのお誕生日祝い(笑)。
千葉 収録が始まる前に、まず「おめでとうございます!」って皆でお祝いして。それが終わったら「よし、じゃあ仕事するか」みたいな(笑)。
――仕事よりもお祝いがメイン。
中井 家を出る時、「今日は石田さんを祝いに行くんだ!」っていうくらいのモチベーションでしたから(笑)。もちろん収録も魂を込めましたけどね。
千葉 そこはまあ、長年やってきたチームですので。「はいはい、分かってますよ」という阿吽の呼吸で。
中井 我々もいい大人ですからねえ。
――久しぶりで役が思い出せないなんてことは……。
中井 そこまでの年齢じゃない(笑)。もうちょっとは若いですから。

■「土方は女房みたいなもの」 20年で熟成された“フォロ方”との絆
――近藤と土方について、振り返ってみてこの20年間で関係性に変化は感じますか?
千葉 初期の頃、近藤って全然局長らしくなかったんですよ。ストーカーだし、迷惑ばかりかけて(笑)。でもシリアスな長篇を経て、「あ、この人はやっぱり局長なんだ」という芯が見えてきた。それと同時に、土方への信頼感も増していった気がします。
――信頼感、ですか。
千葉 ええ。土方は組織のナンバー2ですけど、近藤からすると「一番頼りになる女房」みたいな存在なんです。僕がどれだけボケても、必ず拾ってフォローしてくれる。ファンの間では「フォロ方」なんて呼ばれてるくらいですから(笑)、その安心感は年々増していますね。
中井 僕も、近藤さんへの接し方は当初から変わっていないつもりなんですけど、積み重ねてきた時間の分だけ深みは増している気がします。近藤さんが変わらずにそこにいてくれるから、土方も土方でいられる。理屈ではなく、反射神経で支え合える関係ですね。

――作中では「護るもの」のために戦う姿が描かれますが、お二人が今、プライベートで「これだけは死守したい!」と思っているものはありますか?
中井 うーん……本当に何も思い浮かばないな(笑)。
――こだわりがないのがこだわり、みたいな?
中井 いや、それすらない(笑)。あ、でも「ズボンのウエスト」かな。これ以上サイズアップしないように、そこだけは必死に守ろうとしています。
――それは大事ですね(笑)。千葉さんはいかがですか?
千葉 僕は、うちで飼っているうさぎですね。今、10歳になるんですよ。
――10歳! うさぎとしてはかなりのご長寿ですね。
千葉 そうなんです、だから、なるべく一緒にいる時間を増やして、できる限りのケアをしてあげたいなと。それが今、僕が一番「護りたいもの」ですね。
中井 大事だね。

――素敵なお話をありがとうございます。では最後に、ファンへメッセージをお願いします。
中井 今の技術で描かれる映像美とアクションは、皆さんの期待を軽く超えてくると思います。「銀魂ってこんなにカッコよかったっけ?」と驚く準備をして劇場に来てください。
千葉 「銀魂」のブレない面白さと、映画ならではのスケール感が融合しています。僕ら真選組も、本編の邪魔にならない程度に(笑)、でもしっかりと爪痕を残していますので、ぜひその活躍を見届けてください!
――ありがとうございました。
◆取材・文=岡本大介



