
スコットランド戦のシャドーはどうする? 三笘薫と佐野航大が組むメリット。塩貝健人が入れば“新旧NECトリオ”の可能性も【現地発】
現地3月28日にスコットランド代表と、同31日にイングランド代表と対戦する日本代表は、24日からグラスゴー近郊のダンバートンで本格的な調整に入っている。
25日のトレーニングでは実戦形式のメニューも盛り込まれ、スコットランド戦の先発候補と見られる伊東純也(ゲンク)、小川航基(NEC)、前田大然(セルティック)らが同組でプレー。森保一監督は彼らを配置しつつ、これまでのベースである3-4-2-1システムで挑むことになりそうだ。
こうしたなか、特に気になるのがシャドーの人選。南野拓実(モナコ)と久保建英(レアル・ソシエダ)という絶対的主軸が揃って負傷で離脱するなか、指揮官はW杯本番を視野に入れ、新たなコンビの構築を迫られているのだ。
過去にこのポジションでプレーしたことのある伊東、堂安律(フランクフルト)、三笘薫(ブライトン)、町野修斗(ボルシアMG)、鈴木唯人(フライブルク)の5人はまず有力な候補と見ていい。
そこに、最近はクラブで2列目に入っている藤田譲瑠チマ(ザンクトパウリ)、中盤のマルチ型・佐野航大(NEC)、初招集の塩貝健人(ヴォルフスブルク)らが加わり、10人近い面々の中で効果的な形を見出していくことになる。
この日、伊東らと同組に陣取っていたのは、三笘と佐野航のコンビ。途中で三笘と塩貝が何度か入れ替わっていたが、指揮官は彼ら3人を回しつつ、スコットランド戦を乗り切るプランを実行に移すべく、準備を進めている様子だ。
三笘と佐野航が組むメリットを考えてみると、三笘がより攻撃に比重を置けることが1つ挙げられる。彼が代表で長く主戦場としてきたウイングバックは守備負担が大きく、低い位置に押し込まれる時間帯も長くなりがちだ。
となると、前線に上がる回数、決定機を演出する機会は自ずと減ってしまう。三笘のストロングが影を潜めてしまうのだ。
しかしながら、シャドーであれば、三笘は思い切って前線に出ていける。自陣に引いて守りに入るケースも減り、ドリブル突破やゴールに迫っていく力強さも出しやすくなる。
その相棒が佐野航であれば、中盤全体を幅広く動きながら三笘をサポートできる。もともとボランチからトップ下、シャドーなど多彩なポジションをこなせる彼はそういった能力が高い。
さらに言うと、最前線の小川と常日頃から共闘しているため、どういう距離感でプレーすればお互いを活かせるかを感覚的に理解している。それをピッチ上で体現できるのは、非常に前向きな要素。本人も「シャドーでやりたい」と熱望している。
「チームでもプレー強度やスピード感というところは、最近できてきていると思うので、それをもっと高いレベルでやっていかないといけない。ボールを持った時のチャンスメイクだったり、相手を剥がしてから前に出ていくところはぜひ見せたいですね」と意欲満々だ。彼のようなフレッシュな人材が攻撃を活性化してくれれば、W杯に向けて大きな希望が生まれてきそうだ。
一方、三笘に代わって塩貝が入ってきた場合は、“新旧NECトリオ”が完成する。同じクラブで長い時間を過ごし、特徴を知り尽くす3人が代表でともに戦えるメリットは大きい。代表は練習時間が限られているため、ある程度、計算できるユニットをそのまま持ち込むのは有効な策。森保監督も彼らのスムーズな連係に期待を寄せているはずだ。
伸び盛りの塩貝は推進力や爆発力に長けたアタッカー。スピードスターの前田に通じる長所がある。スコットランド戦では前田が左ウイングバックに入ると見られるため、塩貝は彼とポジションを入れ替えながら縦への迫力を押し出せる。
“左の槍2本”がどういった相乗効果をもたらすのか。そこはぜひとも国際試合で見てみたいところだ。
もちろん時間帯や状況によって伊東がインサイドに移動したり、町野が入って2トップ気味になるといったオプションもあり得るだろう。そうやって南野&久保コンビに見られなかった“新たな色合い”をスコットランド戦で確認できれば、森保監督の安心材料も増えてくる。
「怪我の功名」という言葉もあるが、主軸の負傷離脱を逆手にとって、異なるストロングを作り出せれば、日本のW杯躍進の可能性も上がるだろう。
スコットランド戦で出場が有力視される三笘、佐野航、塩貝のパフォーマンスがどのような形になるのか、その動向を冷静に注視していきたいものである。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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