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【今さら聞けないサッカー用語:消える/消す】相手や味方との位置関係や視野、認知を巧みに利用。消えたら“現われる”ことが大事

【今さら聞けないサッカー用語:消える/消す】相手や味方との位置関係や視野、認知を巧みに利用。消えたら“現われる”ことが大事


 聞いたことはある、何となく意味も分かる。でも、詳しくは知らない。そんなサッカー用語を解説。第20弾は「消える/消す」だ。

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 守備と攻撃の両局面で使われる専門的なニュアンスを含んだ言葉であり、相手や味方との位置関係や視野、認知を巧みに利用するプレーを指す。

 まず守備における「消す」とは、相手選手の選択肢や影響力を意図的に排除するのを意味する。たとえば、パスコースを「消す」場合、単にそのラインに立つだけでなく、ボール保持者の視野や身体の向きを読み取り、最も出したいコースを優先的に遮断することが求められる。

 また、マーク対象の選手を「消す」とは、その選手にボールが入らないようにポジショニングし続けたり、仮に受けられても前を向かせない状態を維持することだ。これはマンツーマンの対応に限らず、ゾーンディフェンスにおいても重要で、特定のスペースごと「消す」ことで、攻撃の起点を封じるケースも多い。
 
 攻撃面においては、ポジティブな意味とネガティブな意味の両方で用いられる点に特徴がある。

 ポジティブな意味での「消える」は、自身の存在を相手守備の視野や意識から外す高度なオフ・ザ・ボールの動きを指す。ディフェンダーの死角に入る、味方選手の動きに紛れる、あるいは一度、プレーエリアから離れることでマークを曖昧にし、次の瞬間にフリーで現われる。

 このように「消えてから現われる」一連の動作によって、相手の認知にズレを生み出し、決定的なパスやシュートの機会を引き出す。特にゴール前では、この駆け引きが得点に直結する重要な要素となる。

 ネガティブな意味での「消える」は、いわゆる「試合から消えている」状態を指す。これは相手の守備に意図的に隠れているのではなく、単純にプレーに関与できていない、あるいは関与しようとしていない状況である。

 たとえば、ボール保持者に対して有効なサポートポジションを取れない、パスコースに顔を出さない、守備の間に立っているだけで動き直しがないといった状態が該当する。この場合、相手にとって脅威にならず、結果として攻撃の選択肢を減らしてしまうため、チーム全体の流動性や前進力を損なう要因となる。

 両者の違いは、意図と再関与の質にある。ポジティブな「消える」は、あくまで次のプレーに関わるための準備として、一時的に視野から外れる行為であり、再び現われるタイミングと位置に明確な狙いがある。それに対してネガティブな「消える」は、周囲との関係性を築けず、結果的に孤立してしまっている状態を表わすケースもあるわけだ。

文●河治良幸

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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