テニスの四大大会で22勝を誇るラファエル・ナダル(スペイン/39歳)が、マドリード工科大学から名誉博士号を授与された。式典は3月25日に同大学で行なわれ、スポーツ界での卓越した功績が、学術界からも高く評価された。
今回の授与は、同大学のスポーツ科学部の提案によって実現したもの。長年にわたりトップレベルで結果を残してきた実績だけでなく、努力や献身、忍耐といった姿勢が、スポーツの枠を超えて広く社会的価値を持つと認められた形だ。
トップアスリートが名誉学位を授与される例は少なくない。テニス界ではロジャー・フェデラー(スイス)が2024年にダートマス大学から名誉学位を受けている他、陸上のウサイン・ボルト(ジャマイカ)やサッカー界のペレ(ブラジル)らも、競技における功績や社会的影響力を評価され、各国の大学から名誉学位を授与されている。
なお、ナダル自身も2015年にマドリード・ヨーロッパ大学、2025年にサラマンカ大学から名誉博士号を授与されており、今回で3度目となる。
スピーチに立ったナダルは、学術機関からの評価の重みをこう語った。
「キャリアを通じて様々な栄誉を受けてきましたが、学術界からのものは特別な意味を持っています。なぜなら、それらは知識、教育、社会の進歩に専念する機関の敬意を象徴しているからです」
さらに、スポーツと学問に共通する本質についても言及する。
「エリートスポーツにおいて、工学やいかなる科学分野においてもそうであるように、才能は重要ですが、それ単独で十分であることは決してありません」
「進歩は大きな変化からではなく、日々の小さな改善から生まれます。ボールを少しうまく打つこと、ゲームをより深く理解すること、全ての勝利と全ての敗北から学ぶことです」
また、次世代へのメッセージとして、目標設定の重要性を強調した。
「短期、中期、長期の目標を持つことは不可欠です。それらを達成するためには、毎日熱意と、最善を尽くすという決意を持って目覚めなければなりません」
そのうえで、結果が出ない局面での姿勢にも触れている。
「結果がすぐに出ないことも多いなか、ポジティブな態度を保ち、取り組み続けることが最も重要になるのは、まさにそうした局面においてです。改善が始まるのは、ほとんど気付かないうちに、その絶え間ないハードワークの中においてなのです」
「成功は時に人を惑わせます。常に謙虚さと自己批判の精神を保つことが不可欠です。成功は束の間のものであり、取り組みから気を逸らすべきではありません」
そして最後に、学生たちへこう呼びかけた。
「皆さんに伝えたいのは、自分の才能を信じ、しかし何よりも自分のハードワークする能力を信じてほしいということです。あらゆる機会を捉え、間違いを恐れず、常に忍耐と謙虚さを保ってください。皆さんには違いを生み出す能力があります」
今回の栄誉は、ナダルが体現してきた哲学の重みを改めて示した。
構成●スマッシュ編集部
【動画】何度見ても感動する「ナダルのキャリアベストATPショットTOP10」
【関連記事】アルカラスを不安視する声に大先輩ナダルが反論!「2敗したくらいで心配する必要は全くない」<SMASH>
【関連記事】引退したナダルが今だから明かすフェデラー攻略法!「高いボールでバックハンド攻め続ける」<SMASH>

