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[本田泰人の眼]鈴木唯人には疑問符。どこかエゴイスティックに見える。唯一の収穫は塩貝健人。何かをやってくれそうな期待感がある
[国際親善試合]日本 1-0 スコットランド/3月28日/ハムデン・パーク
スコットランド戦を終えて、正直な感想を言わせてもらえば「ガッカリ」の一言だね。ワールドカップのメンバー選考が最終段階にあるこの時期に、チャンスをもらった選手たちに期待はしたけれど、思うようにアピールできなかったように思う。
前半の戦いを見ていて「ダメだな」と確信してしまった。案の定、後半に三笘薫や堂安律、鎌田大地といった主力が入った途端、攻撃のクオリティが劇的に変わった。
厳しい言い方をすれば、彼らが入ってようやく“サッカー”になったけれど、本番を見据えたら、これでは困る。主力に依存し切っている現状が、改めて浮き彫りになった試合だったね。
かつての三笘や中村敬斗がそうであったように、本来ならこうした試合で序列を一気に変えるほどのインパクトを残す選手がどんどん出てこなければいけない。それなのに、今の控え組からは、そうしたギラついたエネルギーが感じられなかったのが本当に残念だね。
唯一、ポジティブな形として振り返りたいのが、ゴールシーンだ。ここでは戦術的な「入れ替え」が見事に機能していたね。
まず、左サイドの三笘とシャドーのポジションにいた中村が、状況に応じて役割を入れ替えた判断が素晴らしかった。このスイッチによって相手守備陣にズレが生じ、攻略の糸口が見えたね。
さらに言えば、3バックの左に入った鈴木淳之介のオーバーラップを高く評価したい。後ろの選手がここぞという場面で厚みをもたらすことで、攻撃のバリエーションが格段に増したんだ。
この得点場面では、期待の塩貝健人がエリア内で粘って“アシスト”のような形になった。もしかしたら本人はシュートを狙っていて、でもトラップミスだったかもしれないけれど、あそこに顔を出して“何か”を起こしたことが重要なんだ。
結果として、フィニッシュの瞬間にエリア内には7人もの選手がなだれ込んでいた。こうした厚みのある攻撃こそ、我々が求めている形だよ。
個別の評価に移るけど、厳しいようだけど鈴木唯人には疑問符がつくね。彼のプレーはどこかエゴイスティックに見えるんだ。チームの守備や攻撃のリズムを壊している場面が目立ったし、あれでは周りも使いにくい。本人はボールを触りたがっていたけれど、チームとして機能していたかと言えば、首をかしげざるを得ないね。
唯一の収穫と言えるのが、先述した塩貝だ。途中出場で短いプレータイムながら、身体能力の高さ、特に対人の強さとスピードは目を見張るものがあった。短い時間でこれだけ可能性を感じさせたのだから、もっと長い時間、彼を見てみたかったね。
次はワールドカップの優勝候補、イングランドとの一戦だ。スコットランド戦の前半のような内容をそのままぶつけたら、ボコボコにされるだろうけど、逆に言えばこれほど自分たちの真価を問える相手はいない。僕は、現時点でのベストメンバーで真っ向勝負を挑むべきだと思う。
イングランド戦で僕が考えるスタメンは【3-4-2-1】だ。
GK:早川友基
3バック:渡辺剛、谷口彰悟、鈴木淳之介
ボランチ:佐野海舟、鎌田大地
ウイングバック:伊東純也、三笘薫
シャドー:堂安律、中村敬斗
FW:上田綺世
イングランドのパワーをいなすだけでなく、デザインされたセットプレーを武器に戦えば十分に勝機はある。世界トップレベルを相手にガチンコ勝負を挑むことで、主力たちがさらに一段階上のレベルへ覚醒するはずだ。
そして、膠着した展開でジョーカーとして期待したいのが塩貝だ。その爆発力は、強豪相手でも何かをやってくれそうな期待感がある。彼のような新星が、序列をひっくり返すような突き上げを見せてくれることを心から期待しているよ。
▼スコットランド戦の採点
スタメン)
GK 鈴木彩艶/6.5
DF 瀬古歩夢/5.5(78分OUT)
DF 渡辺 剛/6.0(HT OUT)
DF 伊藤洋輝/5.5(HT OUT)
MF 田中 碧/5.5(78分OUT)
MF 藤田譲瑠チマ/5.0(78分OUT)
MF 菅原由勢/5.5(63分OUT)
MF 前田大然/5.0(63分OUT)
MF 佐野航大/5.5(HT OUT)
MF 鈴木唯人/5.0(63分OUT)
FW 後藤啓介/5.5(63分OUT)
途中出場)
DF 谷口彰悟/6.0(HT IN)
DF 鈴木淳之介/6.0(HT IN)
MF 三笘 薫/6.0(HT IN)
MF 堂安 律/6.0(63分IN)
MF 中村敬斗/6.0(63分IN)
MF 伊東純也/6.5(63分IN/MOM)
FW 上田綺世/6.0(63分IN)
DF 橋岡大樹/5.5(78分IN)
MF 鎌田大地/6.0(78分IN)
FW 塩貝健人/6.0(78分IN)
監督)
森保 一/6.0
【著者プロフィール】
本田泰人(ほんだ・やすと)/1969年6月25日生まれ、福岡県出身。帝京高―本田技研―鹿島。日本代表29試合・1得点。J1通算328試合・4得点。現役時代は鹿島のキャプテンを務め、強烈なリーダーシップとハードなプレースタイルで“常勝軍団”の礎を築く。2000年の三冠など多くのタイトル獲得に貢献した。2006年の引退後は、解説者や指導者として幅広く活動中。スポーツ振興団体『FOOT FIELD JAPAN』代表。
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