F1日本GP決勝が3月29日に行なわれた。22周目にはオリバー・ベアマン(ハース)がスプーンカーブに進入する直前、前方にいたフランコ・コラピント(アルピーヌ)が大きく減速したため、衝突を回避するためにコース外へマシンを移動。コントロールを失い、マシン横をバリアに激しく叩きつける形でクラッシュした。
幸いベアマンは骨折などは無く、足首のねん挫という診断が下っている。F1公式サイトに対して、「まず第一に、すべて順調で、僕は元気だ」とコメント。「時速約50キロの大きな速度差があった。それは新しいルールの一部で、慣れなければならない。しかし、私がそのスピードで走っていたことを考えると、自分にも十分なスペースが与えられていなかったように感じた」とし、次のように語った。
「もっと柔軟に準備しなければならない。残念ながらこれはF1で前例のない大きなスピード差の結果だ。今は(次戦)マイアミGPでリセットして強く戻ってくるための1か月の時間がある」
一方のコラピントは動画配信サービス『Viaplay』に対して、「僕は(ベアマンの方へ)動いたりしたことは一切ない」「大きな問題は、接近スピードの違いだ。あまりにも違いすぎる」と主張。「彼(ベアマン)が無事で良かった」としつつ、次のように今回の事故が不可抗力だったと示唆した。
「彼(ベアマン)はおそらく僕より50キロほど速かっただろう。気づいた時には、すでに(ベアマンが)芝生に飛び出していた。問題は、それが文字通りアウトラップ対プッシュラップのように見えることだ。そんな状況でレースするのは非常に難しく、とても危険だ」
コラピントのマシンはカーブ進入前に2度のランプ点滅があったため、 MGU-K(運動エネルギー回生システム)によるパワー供給が無くなったと見られる。高速点滅は無かったため、スーパークリッピング(フルスロットル状態において、内燃エンジンの出力から自動でエネルギー回収する機能。最高速が急激に低下する可能性がある)ではないものの、コラピントが早めの減速による回生を強いられた可能性がある。
【画像】モデル、女優ら大物がズラリ…パドックを彩るF1ドライバーの“美しき妻や恋人たち”に注目!
【画像】目撃情報多数!ハミルトンと“3.5億フォロワー”世界的セレブの東京デート姿 今回のクラッシュに対しては、レース後に他のドライバーからも意見があがっている。オランダのジャーナリスト、ロナルド・ヴォーディング氏によれば、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はレース後に「これがこのレギュレーションの結果だ。一人のドライバーは実質的にパワーがない状態で、もう一人はマリオカートのキノコを使っているようなものだ。それで50~60キロの差が出る」と危険性を説明した。
また、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)は英放送局『Sky Sports』に、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)としてFIAに対して、このレギュレーションではこうした事故が頻繁に発生すると警告してきたと主張。以下のように、そのやりとりを振り返った。
「彼ら(FIAとFOM)が『予選は改善するが、レースはそのままにしておく。だってエキサイティングだから』と言った時は本当に驚いた。ドライバーとして、問題は予選だけでなくレースそのものにあると強く訴えてきたし、このような事故がいつか必ず起こると警告してきた」
また、今回はエスケープ・ゾーンが比較的広いエリアでのクラッシュだったが、市街地コースで同様の事故が発生すればさらに深刻な結果につながりかねないと説明。「今回の件が教訓となり、FIAとFOMが、レースは問題ないと言うチームや関係者の意見ではなく、ドライバーの声に耳を傾けてくれることを願っている」と語り、次戦マイアミGPまでの改善を求めた。
FIAはレース後、今回の事故に関する声明を発表。開幕以来、レギュレーションに関連するデータを収集中であり、「4月には新レギュレーションの運用状況を評価し、必要な修正点を判断するための会議が複数回予定されている」という。また、「現段階では、潜在的な変更内容に関する憶測は時期尚早。今後の最新情報については追って発表する」としている。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】コラピント急減速→回避したベアマンがクラッシュした場面

