
U-21日本代表が韓国に悔しい敗戦…得点直後、交代した石井久継に指揮官が投げかけた“厳しい言葉”「これくらいやって当たり前だよ」
[国際親善試合]日本 1-2 韓国/3月29日/Korea Football Park
一言で言えば、悔しい敗戦だった。
3月29日に行なわれたU-23韓国代表との国際親善試合。2028年夏のロサンゼルス五輪を目ざすU-21日本代表は、今秋のアジア競技大会(アジア版のオリンピック)を見据えた2歳年上の韓国と対戦した。
U-23韓国代表に対しては、今年1月のU-23アジアカップ・準決勝で対戦しており、その際は1−0で勝利を収めている。そうした過去の悔しさが相手にあったのはもちろん、今秋に日本で開催されるアジア競技大会の優勝で兵役免除が与えられるため、強化への本気度は高い。
韓国は海外組の選手8名を今遠征で招集しており、日本戦のスタメンにはポルトガル1部のアロウカでプレーするMFイ・ヒョンジュ、ドルトレヒトに籍を置くFWユン・ドユン、193センチの大型FWイ・ヨンジュン(グラスホッパー)らが名を連ねた。こうしたメンバー構成からも、熱量が見て取れる。
そうした前提条件を踏まえて苦戦も予想されたが、日本は試合内容で互角以上の戦いを展開。大岩ジャパン初招集組のCB山田海斗(神戸)、MF岩本悠庵(中京大)、FW福永裕也(京都産業大)、FWワッド・モハメッド・サディキ(岐阜)、FW小池直矢(法政大/磐田入団内定)といった新戦力がスタメンの半数を占めたものの、物怖じせずに立ち向かって強度の高いプレーを披露した。
しかし、一進一退の展開が続くなか、30分にイ・ヨンジュンに決められて先制を許す。気落ちせずに立ち向かったが、後半開始早々に再びイ・ヨンジュンにネットを揺らされた。
2点のビハインドを背負った状況下で、日本は選手を入れ替えながら攻撃を展開。攻勢を強めた80分には、キャプテンを任されたMF石井久継(湘南)がMF石渡ネルソン(C大阪)の右クロスからゴールを奪った。だが、反撃はここまで。決定力不足に泣き、1−2で敗れた。
試合後、悔しさを滲ませた大岩剛監督。選手たちの奮闘に一定の評価を与えた一方で、厳しい言葉も投げかけている。とりわけ、象徴的なシーンがあった。ゴールを決めた直後にMF名和田我空(G大阪)と交代した石井に対し、ベンチに戻ってきたタイミングでこんな話をしたという。
「ベンチに座っていた久継に言ったんだけど、これくらいやって当たり前だよ。今日は良いプレーだった。でも、それは当たり前。まだまだポテンシャルある。90分続けないといけないし、今日は90分試合に出そうと思っていた。攻守において、あれだけ運動量を見せて、スピード感もあったし、最後にフィニッシュのところまで入っていける。それが普通だよっていうレベルになりたいよねと」
A代表の選手を見れば、2列目のポジションで当たり前のようにハイレベルなプレーを見せている。だからこそ、大岩監督は選手に満足して欲しくないし、より貪欲に上を目ざして欲しいという。
「(同じロス世代の)佐藤龍之介だって、鈴木唯人だって、A代表で当たり前にやっている。あそこのポジションの選手を見た時に、やっぱりそこを見ないとだよねという話をしたんです。良いプレーだったね、同点に追いつきたかったけど、ナイスゲームだったね。そうじゃない。自分たちはA代表を目ざしているんだよねと。海外組やアジアカップ組がいなくて、周りで色々言われるかもしれないけど、俺たちもやれるというのを示さないといけない」
厳しい言葉かもしれないが、もっと上のステージを目ざすのであれば、満足している場合ではない。28年夏のロス五輪がターゲットではあるが、ひとりでも多くの選手がA代表に食い込むことが最も重要なのだ。指揮官が石井に投げかけた言葉の真意は、まさにそこにある。
石井に限らず、良いプレーをした選手はたくさんいるが、これくらいやって当たり前。高い基準を求める指揮官の言葉を汲み取り、今後選手たちがどのような進化を遂げていくのか楽しみに待ちたい。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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