
「自信がある選手が揃うと良いプレーができる」後藤啓介、佐野航大、鈴木唯人のトリオがスコットランド戦で示した可能性【日本代表】
[国際親善試合]日本 1-0 スコットランド/3月28日/ハムデン・パーク
日本代表のスコットランド戦は、後半に伊東純也が挙げたゴールにより、1-0の勝利を収めた。
後半は伊東をはじめ途中出場の上田綺世、三笘薫、鎌田大地らカタールW杯からの主力メンバーが貫禄を示す形となったが、先発した後藤啓介や佐野航大、鈴木唯人といったA代表の経験が浅いメンバーでも、スコットランドを相手にそれなりのパフォーマンスを見せられたことは確かな前進と言える。
もっとも、キャプテンマークを巻いた前田大然とともに、前半のチームを心身両面で支えた菅原由勢が「急造チームにしては非常にクオリティはあった」と前置きしながら「最初に出ていた選手たちが試合を決めきる力というのは、厳しい言い方をするとそこが足りなかった」と語る。
内容的な手応えで満足していては、本当の意味で突き上げていかないが、後藤、佐野航、鈴木唯というフレッシュな3人のアタッカーのコンビネーションを中心に、前向きに捉えられるものも多々あった。
1トップの後藤、シャドーの佐野航と鈴木唯。3人の特長が噛み合った象徴的なシーンが、40分に見られた。スローインの流れから田中碧のシュートがクロスバーを叩いた直後の攻防で、スコットランドの縦パスを瀬古歩夢がカットしたところから、中盤で田中、藤田譲瑠チマと渡る。
そこから一度、3バック中央の渡辺剛を経由して藤田がリターンを受けるタイミングで、後藤がスッと落ちながら縦パスを受けに来た。
この時に相手ボランチのケニー・マクリーンが後藤に引きつけられたことで、その右脇で鈴木唯がフリーになり、後藤のワンタッチパスを前向きに受ける形に。左センターバックのスコット・マッケンナが鈴木唯に対応するため、左サイドバックのアンドリュー・ロバートソンが絞り気味にカバーせざるをえなくなり、大外の菅原が完全に空いた。
そこから攻撃が縦に加速する流れで、後藤はすぐに反転してスコットランドのセンターバック間に生じたギャップに飛び込んだ。そこでピッチに足を取られて転倒してしまったが、ファーに飛び出していた左シャドーの佐野航がワンバウンドしたボールを右足ボレーで叩く。シュートは上に外れてしまったが、さらに外側には前田も走ってきており、非常に厚みの感じられる攻撃だった。
「やっぱり由勢君のクロスの精度は高いですし、相手のラインが下がるのが早いというのはミーティングもそうですし、個人の動画チェックでも分かっていたので。自分が走ることで、何回かマイナスで航大君が空いたと思う。滑りましたけど、良い囮だったかなと思います」
そう振り返る後藤は、ポストプレーに関しても、周囲の選手たちがうまく感じて受けてくれるので、自信を持ってプレー選択ができていたという。
右サイドから攻撃に絡んだ菅原も「後藤君がしっかり起点になる強さを見せていたからこそ、みんなが信頼して、あそこにボールを入れていたと思う。航大と唯人のスペースへの入り方だったり、ボールの関わり方も素晴らしいものがあった。僕としては、ただ、タイミング良く、前に行くだけだった」と3人の連動を高評価した。
後藤も3人について「全員がクラブで調子が良いですし、唯人君はヨーロッパーリーグも勝っていて、航大君はNECで3位とか4位にいて、自分たちも3位にいて、良いプレーができている。そういう自信がある選手が揃うと、代表で短い期間で集まっても、ああやって良いプレーができる、前進できる」と胸を張った。
立ち上がりこそスコットランドにボールを持たれて、自陣で耐える時間もあったが、守備の部分でも前の3人が精力的に追うことで、スコットランドの攻撃選択をロングボールに頼らせて、日本のマイボールにさせるなど、攻守両面に効いていた。
78分に3-5-2のアンカーとして入った鎌田も「後半にこうやってメンバーを替えて、より攻撃的にできるようになったのは、前半のおかげでもあったと思う」と話した。
印象としては後半のメンバーが役者の違いを見せて、そこに初招集の塩貝健人が絡んで伊東のゴールが生まれたことにフォーカスされやすいが、前半に問題があったというより、良い流れを作ったことを評価するべき部分はあるだろう。
特に3人のアタッカーのパフォーマンスはポジティブに捉えたいが、結果というところで、イングランド戦でチャンスを得れば、個々が示していってもらいたい。
取材・文●河治良幸
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