
【バイタルエリアの仕事人】vol.62 古賀太陽|「一番大事にしているのは認知」柏の鉄人CBが語る守備の極意「『ボールが出てこない』が理想」
攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第62回は、柏レイソルの古賀太陽だ。
前編では柏のレイソルのポゼッションスタイルやリカルド・ロドリゲス監督について語ってもらった。後編ではまず、「バイタルエリア」に対する考え方を訊いた。
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守ることに関して言うと、僕が一番大事にしているのは認知。あとは未然に防ぐことです。この2つはリンクしています。自分が見えていないものは守れないと思っていて、例えば、背後を狙ってくる相手に気づいていなければやられてしまう。逆に認識できていれば、相手より先にボールに反応して未然に防げる。そもそも「ボールが出てこない」が理想の形だと思っています。
危険な場所にボールが出てこない、自分が先に反応することで相手が走るのをやめるとか、そういうことを常に繰り返し続けることは一番意識しています。
自分は能力がめちゃくちゃ高いわけでもなく、身長もセンターバックの中ではそんなに大きくない。身体的な能力のある選手なら、遅れて反応しても守れたり、カバーできたりする部分もあると思いますが、僕にはそれができないので、相手より早く予測してボールに触らずとも守れるように絶えず考えています。
一方、攻撃ではとにかくどこに立つか、ポジショニングはすごく大事にしています。ボールを受ける前に関してはそこでどれだけ優位性は保てるか。ボールを持っている時は、とにかく脱力した上で、相手からするとどこにどういうボールを出してくるかわからないような雰囲気を醸し出すのはとても重要ですし、それが自分の良さだと思っています。
昨シーズン、攻守において見事な活躍ぶりだった27歳は、さらにレベルアップする上で、新たに意識していることを明かす。また、参考にしている選手やこれまで対戦して嫌だった選手も教えてもらった。
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昨季は自信を持ってプレーはできていましたし、それこそ自分の理想形である「未然に防ぐこと」ができていました。また、相手にボールが渡ったとしても、自分にアドバンテージがあるような場面を多く作り出せていました。
ただ、そういう状況に自分が持っていけているのも、チームとしてしっかりと前進しながら押し込めていたのが大きな要因ですし、ボールを奪われても、相手が苦し紛れのクリアにさせるなど、そういうシチュエーションをみんなで作り出せていたからこそだと思っています。自分一人の力ではありません。
一方、個人のスタッツで見た時、空中戦やデュエルの勝率など、数字が意外とついてきてないと感じます。それは未然に防げていることが多かったり、そもそもデュエルの局面に持っていかせていなかったりとか、さまざまな要因はあるとは思っていますが、選手としてさらにレベルアップすることを考えた時に数字も大事だと思っています。この半年間もそうですし、夏以降のリーグ戦もそうですが、より結果として明確に目に見えるものを増やしていきたい気持ちがあります。
僕が参考にしている選手はアストン・ビラのパウ・トーレスです。プレーの選択肢が多く、逆サイドの対角まで見えていて、相手の出方によってギリギリで判断を変えられる。ドリブルでも持ち運べるし、持っているモノの幅が広い印象です。
ドルトムントのニコ・シュロッターベックもビルドアップの能力が秀でていて好きな選手ですし、マンチェスター・シティに移籍したマーク・ゲイのプレーも見ています。彼は守備力が高く、攻撃では配給の際に常に脱力していて、どこにでもパスを出せる位置にボールを置きながら、相手に悟られないような雰囲気があります。
これまで対戦して一番嫌だなって感じたのは、昨季、紅白戦の時に対峙したチームメイトの細谷真大です。日頃からあのレベルを体感できているからこそ、レベルアップさせてもらったなと思います。
彼はフィジカル的なところがフォーカスされがちですが、駆け引きの部分でもいろいろと考えながらやってきます。それこそ去年は練習で今までで一番マッチアップする機会が多かったのですが、真大は相手にいたら嫌だなっていうのはつくづく感じます。
昨年の夏、森保ジャパンの一員としてE-1選手権を戦い、3試合中2試合にフル出場。東アジア制覇に貢献した。
実に6年ぶりに日の丸を背負って戦い、日本代表への想いは一層強くなったようだ。最後にチームとして、個人としての目標を語ってもらった。
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日本代表は常に目ざしたい場所です。自分はアンダー世代から呼んでもらえていましたが、その当時から一緒にやっていた選手たちが今はA代表にたくさんいる。まったく代表に絡めない時期でもつねに意識はしていましたし、悔しさもありました。実際に去年、E-1選手権で呼んでもらえて、海外組も含めたA代表に入りたい気持ちがより一層強くなりました。
海外移籍は、代表に行くための道ではないですけど、そこに繋がる近道だと感じるので、もちろん意識はします。可能性がある限りは探り続けたい気持ちもありますし、向上心やモチベーションの部分でも、捨ててはいけないものだとも思っています。
ただ、一方でJリーグに所属している選手がA代表に呼ばれている過去を見ています。これまで実際にそういう選手たちがA代表の中心となっていて、前回のワールドカップに出場した谷口彰悟選手もそうです。当時、Jリーグでプレーしていて、あれだけ大舞台でハイパフォーマンスを発揮できるんだということに感銘を受けましたし、自分がレイソルにいる限りは、それを目ざしてやっていきたいです。
レイソルとしては、このスタイルで常にタイトル争いをするクラブになっていくことが、短期的でもあり、長期的でもある目標です。今のスタイルを確立して、常に優勝争いをしているチームでありたいと強く思います。
個人としては、代表は入っていくためにも、チームが常に上位にいなければいけないと思いますし、その中心に居続けることが大事です。昨シーズンのパフォーマンスをスタンダードにして、より上積みをしていきたいです。
またタニさん(大谷秀和)のように、チームの絶対的な存在であり、レイソルと言えば古賀と言われるくらいになりたいです。ただそうなるためにはタイトルが絶対必要だと思っています。
タニさんは現役時代、レイソルでタイトル何個も獲っていて、チームの中心でキャプテンとして活躍されていました。あそこまでなるのは難しいですが、少しでも近づくために、やはりレイソルでタイトル獲る。その中心にいたいです。
※このシリーズ了
取材・構成●中川翼(サッカーダイジェストWeb編集部)
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