
三笘、堂安、伊東、中村。イングランド戦で先発濃厚な4人の破壊力「それぞれの特長を出せれば噛み合う」と上田も期待【日本代表】
5月後半とも言われる2026年北中米ワールドカップの最終登録メンバー発表。日本代表にとって、現地3月31日のイングランド戦は本番前最後のテストマッチとなる。
相手がW杯優勝候補の強豪で、会場が超満員の“聖地”ウェンブリー・スタジアムとなれば、森保一監督も選手たちも自ずと闘争心が湧き上がってくるだろう。
「一番大切なのは、今の実力をさらに積み上げて、レベルアップしていくこと。明日の試合は世界トップクラスのイングランドと戦えるということで、ワールドカップ優勝基準、世界トップ基準で我々に何ができるのか、そこを力にしていけるように戦いたい」と森保監督も前日会見で強調。最高水準の質やフィジカル、強度を追い求めていく考えだ。
そこで注目すべきなのが、イングランド相手の攻撃陣の組み合わせとその効果だ。
ご存じの通り、南野拓実(モナコ)と久保建英(レアル・ソシエダ)というシャドーの主軸コンビを怪我で欠くなか、指揮官は28日のスコットランド戦(1-0)の後半から三笘薫(ブライトン)と堂安律(フランクフルト)をシャドーに並べる形にトライ。さらに中村敬斗(S・ランス)と伊東純也(ゲンク)を両ウイングバックに配置し、彼らが流動的に動くことで2列目に変化をつけようとした。
中村と三笘の左サイドは臨機応変にポジションを入れ替えながら敵をかく乱。右サイドも伊東と堂安が縦への推進力、ゴールに迫れる力強さという各々の強みを積極的に出そうと意思疎通を密にしており、その積み重ねが伊東の決勝点につながった。
「それが今のシステムの強みになっていると思いますし、誰がどこで出ても得点できる。得点力のある選手、違いを生み出せる選手が多いので、相手ディフェンス陣もやりづらいはず。こういう形を見出し、選手の良さを最大限に活かそうとしてくれているスタッフ陣の能力の高さも大きい。僕らが、できるポジションで思い切ってプレーできています」と堂安も自信をのぞかせる。
スコットランド戦では守備がハマらず、ギクシャク感が生まれる場面もあったが、攻撃面では魅力的なユニットが見られた。この2列目の機動力とコンビネーションが、イングランド戦の勝敗を左右する重要ポイントになるだろう。森保監督もスタートから彼ら4枚を投入し、勝負をかけていくはずだ。
ただ、イングランド代表のトーマス・トゥヘル監督も日本のアタッカー陣の特徴やユニットの動きを徹底分析。最大級の警戒を払ってくる見通しだ。
「スコットランド戦を見ると、ウイングバックからウイングバックへシャドーを経由する巧みな形でゴールを奪っている。これが戦術のカギ。我々はそれをしっかりと認識し、サイドの選手に細かい注意を払うように仕向けなければならない」と前日会見で言及。ジェームズ・ガーナー(エバートン)とエリオット・アンダーソン(ノッティンガム・F)らボランチ陣や最終ラインに激しくマークさせるに違いない。
そういう状況に直面しても、日本が相手を凌駕できれば、南野・久保の不在への懸念を払拭できるし、W杯本番への希望も見えてくる。最前線に陣取る上田綺世(フェイエノールト)のチャンスも増え、よりゴール前の厚みも増すと見て良さそうだ。
「純也君だったらクロスがあるだろうし、薫君だったらコンビネーションのところで背後に抜けれたらいいと思っています。律や敬斗が入ってきても、それぞれの特長を出せれば噛み合うと思うので、そこはお互いの良さをよく理解してプレーすることが大事だと思います」と、上田も彼らと一体感を持ちながら、ベストな関係性を模索していくという。
もちろん格上のイングランドにボールを持たれる時間が長くなるのは明らかで、日本のアタッカー陣に良い形でパスをつなげる回数も少なくなるだろう。そういった難しい環境でも、個々が所属クラブで磨き上げた経験値を駆使して、駆け引きや連係で敵をはがしていければ、必ず勝機を見出せる。そういう風に仕向けたいものだ。
日本はタフな集団であることを、改めて示さなければならない。2023年9月に敵地で行なわれたドイツ戦の勝利(4-1)が偶然ではなかったことをイングランド戦で実証し、W杯優勝候補の一角として世界中から認められるようなゲーム運びができれば、まさに理想的だ。
イングランドを相手に堂々たるパフォーマンスを見せてほしい。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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