男子テニスで世界ランキング2位に君臨する24歳のヤニック・シナー(イタリア)と、コーチのダレン・ケーヒル氏(オーストラリア/60歳)によるタッグは、今やテニス史上屈指の成功例となりつつある。事実シナーは、これまでに獲得した26タイトルのうち、四大大会4勝を含む21タイトルをケーヒル氏の指導の下で手にしており、その実績は両者の関係性の良好さを裏付けている。
さらには今月の「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ATP1000)と「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ/ATP1000)を連続で制し、男子選手史上8人目となるサンシャイン・ダブルの偉業を達成。両者のタッグはますます完成度を高めており、その強固な関係は今後のテニス界において一時代を築く可能性すら感じさせる。
海外メディアでは、ケーヒル氏が2025年シーズン終了後にチームを離れるのではないかと噂されていたが、シナーの説得もあり、同氏はもう1年チームに残留することになったと報じられている。
そして今回、シナーはルーマニアのスポーツメディア『Digi Sport』のインタビューに応じ、かつてレイトン・ヒューイット(オーストラリア/男子元1位)やキャリア終盤のアンドレ・アガシ(アメリカ/男子元1位)、シモナ・ハレップ(ルーマニア/女子元1位)ら多くの名選手を指導した経験を持つケーヒル氏の現在の立場について、次のように語った。
「ダレンはチームにとって非常に重要な存在で、みんなをまとめてくれる人でもある。特に思い通りにいかない時など、重要な局面で彼の経験は大きい。だから彼がもう1年チームに残ってくれるのはうれしいし、今の自分のレベルを考えると欠かせない存在だと思う」
またケーヒル氏と第2コーチであるシモーネ・バニョッツィ(イタリア/42歳)の良好な関係性も、チームに好影響を与えているという。「2人はとても仲が良く、お互いに強い信頼関係がある。だからこそダレンがチームに残るという決断は非常に良いものだった」
ケーヒル氏にサポートを受ける大きな利点の1つは、同氏の広い人脈にアクセスできることだ。シナーはオフシーズン、現役時代に四大大会2勝を挙げたハレップと練習を行なった。この経験について、シナーはこう語っている。
「ツアーでは彼女と会う機会があまりなかったから、本当に素晴らしくて、感動的な時間でもあった。偉大なチャンピオンである彼女と話すことで、多様な状況に対する対処法を学べた。とてもいい時間を過ごせたことに感謝している」
ハレップとの練習は、サンシャイン・ダブル達成にも少なからず生きたと見られる。ただ、それもやはりケーヒル氏の存在があってこそだろう。今後も両者のタッグがどこまで進化を続けるのか、注目が集まる。
文●中村光佑
【動画】シナーがサンシャイン・ダブルを達成した「マイアミ・オープン」決勝ハイライト!
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