
「目標は10回目の優勝」記念すべき“100回目”の関東大学サッカーリーグ戦がいよいよ開幕! 各チームの主将が意気込み「早大の存在を改めてアピールしたい」
記念すべき100回目の関東大学サッカーリーグ戦が、4月4日に開幕する。
一口に“100回目”と言っても、今日に至るまで積み上げてきた歴史と伝統を鑑みれば、その重さを実感せずにはいられない。しのぎを削り合う選手や指導者はもちろん、学生主体の大会運営を原則にしているだけに、これまで携わってきた多くの学生スタッフや関係者の方々もまた、さぞ感慨深いことだろう。
とはいえ、まだまだ通過点。紡いできた記録や記憶が有形無形のバトンとなって、次の世代へと受け継がれていく。
同リーグ戦の創設は、1924年だった。日本サッカー協会の設立が1921年なので、その3年後には第1回を開催したことになる。関東大学ナンバーワンの座を巡り、早大、東京帝国大(現・東大)、法大、東京高師(現・筑波大)、慶大、東農大の6チームが相まみえ、栄えある初代王者に輝いたのが早大だった。
戦時下の1943年から3年間は中止されていたが、終戦の翌年から再開され、日本サッカー界の発展に寄与すべく、長きにわたりその役割を果たしてきた。
アニバーサリーシーズンの到来を前に、3月30日、都内で記者会見が行なわれた。1部に属する12大学のキャプテンが一堂に会し(筑波大のみ、授業の関係で、キャプテンの徳永涼に代わり、GK入江倫平が出席)、今季への抱負や意気込みを語った。
100回目となる今季の概要・展望について(一財)関東大学サッカー連盟の佐藤健副理事長は「選手個々のレベルが高く、チーム力が拮抗しているので、一節一節、目が離せない状況になるのではないか。昇格組の3チーム(駒大、早大、法大)の活躍も期待している」とまとめつつ、“100回目”のシーズンに向けての熱い思いも明かした。
中大を卒業し、住友金属(鹿島アントラーズの前身)に進んだ佐藤副理事長は、現役引退後、指導者となり、鹿島のスクールコーチやソニー仙台の監督を経て、2001年から母校の中大に戻り、指揮を執った。そして、現在は連盟の要職に就く。様々な立場で、大学サッカー界に携わってきた人物だけに節目の“100回目”に喜びも一入だろう。
「私は中大出身ですが、2つ上の先輩に金田(喜稔)さんがいて、筑波大には(2つ下の)風間(八宏)さんがいて、彼らは大学時代から有名で、日本代表でも活躍していました。今で言うなら三笘(薫)ですね。関東大学サッカーリーグ戦を経て、スーパーな選手が輩出されていますが、これからもJリーグや海外クラブ、ワールドカップなどで活躍する選手が続いていくはずです。日本サッカー界に貢献する存在として、大学サッカーの価値がさらに高まるのではないかと考えています」
同リーグ戦は人材の宝庫と言っても過言ではない。今季開幕直前の時点で、プロ内定者は21名。そのひとりが昨年度のリーグ得点王であり、今年は国士大のキャプテンも務めるFW本間凜だ。卒業後は川崎フロンターレに進む。
「もちろん2年連続の得点王を目ざしています。以前、明治大の中村草太選手が2年連続で得点王とアシスト王を取っていますが、その姿を見ていて、自分もそういう結果を出せるフォワードになりたいと思っています。ただ、キャプテンという立場もあるので、チームが勝つためにどうしたらいいか、しっかり考えながら1年間、取り組んでいきたいです」
大学ラストシーズンにかける本間キャプテンの思いは、非常に強い。
「高校2年の時に100回目の選手権に出ましたが、大学4年生になった今年は100回目の関東大学リーグと、100という数字に縁があるのかなと感じています(笑)。チームとしての目標は、やはり10回目のリーグ優勝です。お世話になった大澤英雄先生(昨年2月に他界)に感謝を込めて、良い報告ができるよう、頑張りたいと思います」
昨夏、特別指定選手として東京ヴェルディに加わった日大キャプテン、平尾勇人も注目されるFWだ。大学3年の時点で、Jリーグ初出場を果たすどころか、すでにJ初ゴールも記録するなど、自身のキャリアを上書きしていく。
サイドバックとして急速に力をつけてきた中大のキャプテン、常藤奏は柏レイソル入りを決めているし、将来性豊かな面々に事欠かない。Jクラブの各スカウトが試合会場に足繁く通い、情報収集するだけではなく、シーズン中に練習参加の機会を設けている。各大学とJクラブの交流は盛んなので、折に触れ「内定ニュース」が更新されていくはずだ。
シーズンのスタートを彩る開幕カードは、昨年度の覇者・筑波大と、4年ぶりの1部昇格を果たした早大の顔合わせとなった。4月4日、東京・味の素フィールド西が丘での開会式を終え、昼12時にキックオフされる。早大のキャプテン、鈴木大翔は「個人的にすごく楽しみにしています」と語り、こう続けた。
「1部に昇格して最初の試合で、昨年度の優勝チームと対戦できるのはありがたいです。このような機会はなかなかないでしょうから、僕ららしく泥臭く戦って、しっかり勝ちきりたいと思います。早大が関東大学リーグ戦の初代チャンピオンというのは知っていますし、リーグ戦の最多優勝回数(27回)を誇っているということも知っています。試合に勝つことで、早大の存在を改めてアピールしたいです」
開幕戦当日は、一般の観客とともに開会式に参加した同リーグ戦の1部から3部までの大学の選手たちがスタンドを埋める(違法薬物問題により、活動停止中の流経大は開会式に不参加)。大勢の目の前で試合ができることも「大きなモチベーション」と、早大の鈴木キャプテンは笑顔で付け加えた。
かたや、迎え撃つ筑波大のGK入江は「チャレンジャー精神を忘れず、一個一個、戦っていきたい」と、危機感を原動力に連覇に挑むことを強調した。
「昨年の結果を経て、ほかの大学は筑波を食ってやろうと向かってくるでしょう。ただ、自分たちは自分たちをあまり強くないと思っています。昨年にしても“今年はヤバイな”という気持ちでスタートして、一戦一戦、何とか勝ちながら、シーズン2冠(リーグ戦とインカレ)という結果になりました。今いるメンバーの個性を活かしながら、今年は今年なりのスタイルを確立させて、優勝したいと思います」
すでに104回を数える関西学生サッカーリーグとともに、大学サッカー界をけん引する関東大学サッカーリーグ戦は、何より競争力が高い。100回目を迎えた今季、予断を許さぬタイトル争いはもとより、選手それぞれがどのような成長ストーリーを描いていくのか。周囲の関心が尽きることはないだろう。
取材・文●小室功(オフィス・プリマベーラ)
【画像】日向坂や乃木坂の人気メンバー、ゆうちゃみ、加護亜依ら豪華タレント陣が来場、Jリーグのスタジアムに華を添えるゲストを特集
【画像】Jリーガーが好きな女性タレントは?長澤まさみ、ガッキー、広瀬すずらを抑えての1位は…
【記事】「大谷翔平って何であんなに凄いの?」中村俊輔の素朴な疑問。指導者としてスーパースター育成にも思考を巡らせる
