
新アニメ「本好きの下剋上 領主の養女」(毎週土曜昼5:30-6:00ほか、読売テレビ・日本テレビ系ほか)が4月4日(土)より放送開始となる。WEBザテレビジョンでは、人気キャラクター・フェルディナンドの声優を務める速水奨にインタビューを実施。役作りや収録の裏側、そして自身と役の共通点などについて語ってもらった。
同作は香月美夜の人気小説をアニメ化した作品の新シリーズ。本を愛する女子大生が、書物が希少な世界へ病弱な少女・マインとして転生。「本がなければ作ればいい」と奮闘する中、その強大な魔力を狙う陰謀に巻き込まれる。家族や仲間を守るため、彼女は領主の養女“ローゼマイン”として生きる道を選び、新たな運命を駆け抜ける。主人公・ローゼマインの声優を井口裕香、彼女の庇護者でもある神官長・フェルディナンド役を速水が務める。
■フェルディナンドは“逃げ場がない”キャラクター
――2022年放送の「本好きの下剋上」第3期から約4年ぶりとなる、待望の新シリーズ「領主の養女編」が始まります。今の率直なお気持ちは?
コツコツと“本好き”の世界が積み上げられて、たくさんの方に見ていただけるというのが、やっぱり一番うれしいですね。
何と言っても今回は、放送時間が“コナン君”(「名探偵コナン」毎週土曜夜6:00-6:30)と並ぶことになりました(笑)。“見た目は子供、頭脳は大人”のローゼマインが活躍するところを、多くの人に知ってもらえることを期待しています。
――フェルディナンドを演じる際に意識していることは?
色々な役を演じてきましたが、実はフェルディナンドが一番“逃げ場がない”キャラクターなんです。
他の役柄であれば、キャラクターに少し何か別の要素を被せたり、ちょっとしたアレンジを加えたりといろいろなアプローチができるんですが、フェルディナンドはそれが難しい。
彼は悪役ではないし、かといってすごく優しい人でもない。そして、常に本当のことしか言わない。でも、心の底ではローゼマインの無茶を心配し、彼女のことをすごく思っている。とってもストレートで嘘のないキャラクターだと思っています。
だからこそ、演じる時に僕が色をつけたり、“調味料”をまぶしたりすると、違うものになってしまう。「本好きの下剋上」という確固たる世界観の中にあるフェルディナンドという像にフィットさせるしかない、ハードルの高いキャラクターだと考えています。
――マイン(ローゼマイン)との関係性も少しずつ変わっています。「領主の養女編」の収録で意識したことは?
演技のアプローチ自体は、ほとんど変わっていません。ただ、彼がローゼマインに向けて放つお決まりの「馬鹿者」という言葉の中にも、以前とは違う響きがあるように感じます。
それが彼女に対する優しさなのか、理解が深まってきたからなのか…。フェルディナンド自身もはっきりとは気づいていない“人間味”のようなものが、少しずつ増している気がしますね。
■「とても和気あいあいと収録しています」
――2019年放送の第1期から約7年が経ちますが、特に印象的なシーンはどこでしょう。
やはり、マインが家族と別れるシーンです。彼女が神殿に入り、そして新シーズンでは領主の養女となっていく。そこに至るまでの家族との強い絆、人間関係こそが本作の一番の肝だと思っています。
愛する家族と別れてしまうけれど、別れることによってしか家族を守ることができない。その“究極の選択”をせざるを得ない過酷な宿命は、心に深く響くものがありました。
僕自身の出演シーンで言えば、第1期の最初に描かれるマインの記憶を探る場面。僕の中では、あの時こそがフェルディナンドとマインの“本当の出会い”だと思っています。
彼がマインの記憶を見たことによって、この壮大な物語が一気に広がっていく。収録としても最初だったこともあり、とても印象に残っています。
――この7年で、キャストの皆さんの関係性は変わりましたか。
とても和気あいあいと収録することができています。だんだん本当の意味での“アンサンブル”というか…長く一緒に作品を作ってきているという感覚を持つようになりましたね。
――皆さんの仲の良さが、作品に生きているんですね。
はい。普段の井口さんって…“天然”なんですよ(笑)。僕も天然で、井上和彦さん(ジルヴェスター役)も天然。どちらかというと“ボケ”ばかりが揃った楽しい現場です。

■自身の若い頃と重なるフェルディナンドの“不器用さ”
――ご自身とフェルディナンドに重なる部分はありますか。
若い頃は、フェルディナンドのような感覚を持っていた時期もありました。
自分が信じる真理や法則のようなものがあって、「それにちゃんと準じて生きていかなければならない」とかたくなになっていたり、そこから外れることを嫌ったりする頃が。フェルディナンドは多分そうだと思うんです。
でも、長く生きて経験を積んでいくと、それだけでは窮屈で生きていけないことに気づくんです。かといって、今も根っこの部分で自分の持っているものを妥協しているということはないので、そういった部分はあるんだと思います。
――なるほど。主人公のローゼマインは“本のため”なら手段を選ばず突き進みますが、速水さんにとって、それくらい大切なものはありますか?
やはり“家族”ですかね。自分のルーツですし、ここにいる存在意義や、人生の中で大きな比重を占めているのは家族だなという思いがあります。
■原作の“全編アニメ化”に意欲「もう全部セリフ録っとこう(笑)」
――それでは、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
ローゼマインが領主の養女として生きていく中には、信じられないほど過酷な条件や環境が待ち受けている。でも、彼女はとにかく「本を作る」という信念のもとに全てをクリアしていきます。
その姿がですね、まるでNHKの連続テレビ小説「おしん」(1983年)と重なるような、見事な“根性物語”です。今後もさらにいろんなキャラクターが絡み合ってドラマがどんどん展開していきますので、ぜひ楽しみにしてほしいと思います。
――原作の続きはまだまだ長いです。新シーズン放送前から気が早いですが、さらなる続編を期待しても良いですか?
はい。僕、以前から言ってるんですよ。「今からもう全部セリフ録っとこうよ」って(笑)。全部録っておけば、どれか使えるだろうと。たぶん井口さんも同じ考えだと思いますよ。

