“バスケットボールの神様”マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)は、生粋の負けず嫌いだったことで知られる。ブルズ時代のかつてのチームメイトであるホーレス・グラントが、そんなジョーダンの知られざるエピソードを明かした。
ジョーダンは相棒スコッティ・ピッペンとともに、1991~93年に史上3チーム目となる“スリーピート(3連覇)”を達成。その年のオフ、父親を不慮の事故で亡くして電撃引退したが、1995年3月18日にNBAのコートへ舞い戻ると、1996~98年にはデニス・ロッドマンを加えた三銃士で2度目の3連覇を果たし、ブルズの黄金期を支えた。
前期3連覇をともに経験したグラントは、人気ポッドキャスト番組『ALL THE SMOKE』で、「MJはとにかく練習から凄まじかった」と振り返った。
「どんなことにおいても負けるのが大嫌いなんだ。ある時、練習中にMJはセンターのウィル・パデューの顔面に一発食らわせたんだ。その後、バスに乗ってきたパデューの顔といったら……。映画『ちびっこギャング』に出てくるピーティー(目の周りに黒い縁取りがある犬)そっくりだったよ(笑)」
ジョーダンと言えば、NBAファイナル6回出場で優勝率100%、そのすべてでファイナルMVPを獲得したことでも知られるが、MLB挑戦を経て“45番”のユニフォームを身に纏って現役復帰した1994-95シーズンは、1年半のブランクの影響により、本来の姿ではなかった。
カンファレンス5位でプレーオフに進出したブルズは、1回戦でシャーロット・ホーネッツを3勝1敗(当時は3戦先勝)で下してオーランド・マジックとの準決勝へ。アンファニー“ペニー”ハーダウェイとシャキール・オニールを擁するマジックとのシリーズ初戦、ブルズは残り試合時間6.5秒で1点のリードを奪っていたが、ジョーダンがニック・アンダーソンにスティールされてまさかの逆転負けを喫した。
試合後、「彼は以前のジョーダンじゃなかった」とアンダーソンに言われたジョーダンは、3日後の第2戦に罰金覚悟でかつての23番に戻して38得点をマークし、意地の勝利に導いた。しかし、野球挑戦の間に10~15ポンド(約4.5~6.8kg)増加していた身体をバスケットボール仕様にアジャストしきれず、ブルズは2勝4敗で敗退した。
マジックの一員で“敵”となっていたグラントは、そこでもジョーダンの負けず嫌いぶりを目の当たりにしたという。
「MJは怒り狂っていた。試合後、ユナイテッド・センターから自分のポルシェを、まるで警察に追われているような猛スピードで飛ばして去っていったと聞いたよ。その後、MJに会った時、『今回はお前たちの勝ちだ。だが、次は見てろよ』と言われた。そして翌年、ブルズはデニス・ロッドマンを加えて、あの歴史的なシーズン(72勝10敗)を成し遂げたんだ。彼を本気にさせるとどうなるか、思い知らされたよ」
グラントはその後、2000-01シーズンにロサンゼルス・レイカーズでコビー・ブライアントと共闘し、自身4個目のリーグタイトルを獲得。ジョーダンと、その正統後継者と言われたコビーとの共通点について語った。
「MJとコビーは双子のようなものだ。2人とも練習への執念が凄まじかった。MJは(デトロイト)ピストンズの荒いプレーに対抗するために、毎日ウエイトルームにこもって肉体を作り上げた。
コビーもそうだ。試合でシュートが20本中5本しか入らなかった翌朝、4時半にはジムにいてシュートを打ち込んでいた。あのメンタリティこそが彼らを偉大にしたんだ」
偉大なレジェンド2人とプレーしたグラントだからこそ、感じるものはあったようだ。
構成●ダンクシュート編集部
【画像】シャック、アイバーソン、コビー、レブロン、カリー、ヨキッチ…2000年以降のMVPを受賞当時の写真で一挙振り返り!

