
「2失点もしているようでは」「攻撃は良しとしますが守備は課題を抱えたまま」浦和に3-2で劇的勝利も長谷部茂利監督は厳しい言葉。川崎の守備強化は進むのか
[J1百年構想リーグEAST第9節]川崎 3-2 浦和/4月5日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu
川崎と浦和が対戦したゲーム、川崎はFW小林悠、浦和はCB宮本優太がアップの最中に出場を回避し、開始15分には浦和のCBダニーロ・ボザが負傷交代するなどアクシデントが続くなか、試合は点の取り合いとなった。
その攻防を最終盤に、途中出場のボランチ、河原創の強烈なミドルで制したのが川崎だ。2節前は国立で横浜に0-5で敗れ、前節は町田にPK戦負け。勝利が欲しかったなかでの勝点3に、スタジアムは沸いた。
だが、試合後、川崎の長谷部茂利監督は厳しい言葉も残した。
「取り消されたゴールもありますし、こういうゲームをしたいわけではありませんが、浦和さんとはこういうゲームが多いのかなと昨年から思います。入りがよくなかったのは確かですし、2失点もしているようでは。他にも危ない場面がありました。攻撃のところは3点取りましたし、他にも前半はチャンスがありそうだった印象があるので、攻撃は良しとしますが、守備のところは少し課題を抱えたまま、時間ばかり過ぎてなかなか苦しい状況ではあります。
ただ、前半戦というか9試合終わって、ひとつの区切りという意味では自分たちが勝利で終えた。最後の最後でサポーターの力を借りて、やはりあちら(フロンターレ側)のゴールで決めたというのも大きいですし、今日のところは、自分たちの流れが悪かったりピンチの時に、より一層サポーターの声が大きかったと感じています。それも当然選手の励みになって、やられるかというところで凌いだ部分も、特にセットプレーではあったと思うので、スタジアムそのもの、雰囲気そのものが非常に良かった。最後は勝ってそういう雰囲気になったので良かったなと、ホッとしています」
順位は4位に上がったが、14ゴールに対し、9試合で16失点。得失点は「−2」で、首位の鹿島とは勝点9差となっている。
昨季就任した長谷部監督の下で攻撃は維持しつつ、守備の強化に取り組んできたが、怪我人が続く影響もあり、改めて成果をなかなか出せていない状況だ。
浦和戦も試合開始直後のセットプレーと、後半開始直後のカウンターで失点。立ち上がりや終盤など“取られる時間が悪い”クセはなかなか治らず、難しいゲーム運びを強いられている。
もっとも守備面での基本事項などを何度もチームメイトと確認してきた今季加入の山原怜音はチームとして少しずつ前進しているとも語る。
「失点をしていること自体は修正をしないといけないと思います。(失点をしたのは)前後半の入りなので、少しふわっとしているところがあったかもしれず、そこは修正ですが、今日は3点取って逆転して勝てた。僕の印象は川崎というクラブは毎回3点ほど取る。得点はこれくらい取れなくちゃいけないですし、失点はゼロに抑えたい。得点力はこうやって自信を掴みつつ、失点しないところは課題に向き合いたいと思います。
(守備面は)前半は良かったですが、2失点目したあとは焦りや、疲れもあったと思います。90分常にプレッシングをかけながら後ろも横のスライドを一生懸命やるのは難しい時間もあるので、それだったらどこで前線からスイッチを入れるのか共有する。高い位置からかけるのか、少し下がった位置でかけるのか。前は行っているけど、後ろは行けない中途半端なものが続くとダメで、後半もそういうシーンがあった。そこはひとりではできないので、誰が喋ってやるか、チームの課題だと思います。
(守備をしっかり整理して)できている時間を増やすことはできていると思います。ただ、90分できないと、ああやって失点してしまう。特に前半はできていたのに、後半はちょっとできなくなると、失点をしてしまう世界なので、いかにできる時間を長くできるか。もちろん90分できないとダメだと思うので、そこは自分たちの課題かなと思います」
今は一歩ずつ進むしかないのだろう。18試合という短期決戦の百年構想リーグで、半分の9試合を戦い、指揮官も改めて前半戦を総括する。
「手応えはあるかないかでいうと、あまりないです。今日のところは勝ちましたし、交代選手が大活躍しましたが、前半戦の9試合の総括という意味では、それは『ない』ほうに近い、限りなく近いと思います。
ただ、試合に出場するチャンスを得た若い選手であったり、ベンチに入る選手というのは、いつ出て行ってもという準備をしてくれているので、そのあたりの試合に出て行く、関わるという本来プロ選手があるべき姿を経験できているというのは、まずいいことだと思います。そこから成長してくれること。どういうふうに自分が試合に入っていくのか、スタートであれ交代であれ、そのあたりが高まっていくとそこが成長になると思うので、まず私はそういうチャンスを与えることが大事だと思っていますが、まだそこ(手応え)には至っていません。これからだと思います」
長谷部監督は「そういう(浦和戦のような)ゲームをしたいわけではありません。3点取りましたが、無失点で終わりたい。それが強い希望です」と指標を示す。
“長谷部フロンターレ”はその理想に向かって改善できるのか。少しずつ進むしかないのだろう。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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