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衝撃の大逆転「パルマの戦犯→日本代表の英雄」GK鈴木彩艶、苦難を乗り越え“異次元の守護神”へ

衝撃の大逆転「パルマの戦犯→日本代表の英雄」GK鈴木彩艶、苦難を乗り越え“異次元の守護神”へ

3月のインターナショナルAマッチウィーク。アウェーの地でスコットランド、イングランドを撃破した日本代表のゴールマウスに君臨し、復調を印象づけたGK鈴木彩艶。しかし、そこに至るまでの道のりは苦難の連続だった。

 昨年11月のミラン戦(26節)で左手を骨折し戦線を離脱。3月13日のトリノ戦で約4か月ぶりの実戦復帰を果たすも、開始早々にキャッチングミスから股間を抜かれる先制点を許すなどチームは4失点の大敗(1-4)。続くクレモネーゼ戦でも2失点(0-2)を喫し、厳しい逆風の中で日本代表へと合流した。

 セリエAに精通する専門メディア『SOS Fanta』は、「負傷前のような安心感を与えていない」と疑念を向けたが、鈴木はトリノ戦を振り返り、こう語っている。

「残念なことに、僕のミスが敗戦に繋がってしまった。チームを失望させてしまったと感じている。思い描いていたような復帰戦にはならなかったけれど、今の僕にできるのは内省し、ハードワークを続けることだけだ。このミスから学び、糧にしなければならない」
  鈴木は、自身の未熟さを否定しない。「成長の過程で多くのミスを犯し、そこから学んできた。ミスを完全に避けるのは難しいからこそ、それを受け入れ、その後にどう振る舞うかが重要だと信じている」と語り、前を向く。

 この「ミスの受容と、その後の振る舞い」こそが鈴木の真骨頂だ。その強靭なメンタリティは、ふたつの代表戦、そしてパルマ帰還後のラツィオ戦(1-1)での好パフォーマンスで見事に証明された。自らの心の持ち方を、彼はこう分析している。

「キックオフの前、僕は目を閉じて自分が良いプレーを見せ、チームが勝利する姿をイメージする。感情をコントロールする術は心得ているつもりだ。ミスをした後でも、好セーブの後でも、集中力を維持しプレッシャーを感じることなくプレーし続ける。それが僕の強みだ」

 パルマの専門メディア『Forza Parma』も、代表戦での勝利に貢献した鈴木を熱狂的に迎えた。「主役を演じたのは、ザイオン・スズキだった。スコットランド戦、イングランド戦で何度も決定的な仕事を見せ、日本の歴史的勝利に貢献した。戦列復帰後、パルマで直面していた苦境を考えれば、重要な自信の注入となったはずだ」と日本人GKのパフォーマンスを称えた。 イタリアという、GKには特に厳しい評価を下す地で、これほどまでに一人の若き日本人が愛されるのはなぜか。地元紙『La Gazzetta di Parma』は、もはやフットボールの枠を超えた敬意を持ってこう表現している。

「かつて日本のGKは『キャプテン翼』のようなアニメの中だけの存在だったが、我々はこの謙虚で決然とした大柄な青年を、今や家族の一員として受け入れている。彼は、どんな父親も『娘の交際相手に』と願うほどの、理想の好青年だ。サムライとリア―チェのブロンズ像の中間のような体躯を持つ23歳は、もはや世界のフットボール界における一種の“異星人”である」

 そんな若者の「静寂」の源泉は、ピッチ外での徹底した規律にある。「身の回りのものを整えることは心を落ち着かせ、試合への準備に繋がる。試合の日、家を出る時はすべてを整理された状態にする。それが僕のルーティンのひとつだ」と明かす。
  パルマのカルロス・クエスタ監督も、左手中指と舟状骨を骨折した状態で10分間もゴールを守り続けた11月のミラン戦のエピソードを引き合いに出し、「スズキはパルマのためにすべてを捧げ、身を粉にして戦ってくれた」とその献身ぶりを称えている。

 自身の内面と周囲の環境を常に整え、ミスすらも成長の秩序へと変えていく。骨折という試練を経て、その輝きはより深く磨き上げられた。正守護神として初出場が期待される北中米ワールドカップ。その巨大な舞台に向けて、鈴木彩艶は今この瞬間も、静ひつで「整理された」準備の最中にある。

文●下村正幸

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配信元: THE DIGEST

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