
CLで躍動!マドリー18歳新星の知られざるキャリア「目も眩むようなスピードで階段を駆け上がった」【現地発】
「彼の名前はどう発音すればいいんだい?」
先日、テレビの討論番組でティエリ・アンリは、いかにも彼らしい言い回しでそう口にした。「今夜の彼を注意深く見ていたが、なんて試合をしたんだ! 全員の分まで走っていたじゃないか」
チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16第1レグでレアル・マドリーがマンチェスター・シティを3-0で粉砕した夜、かつてのフランス代表エースストライカーは驚きを隠さなかった。
この18歳の若武者が主力が怪我から復帰した際にどのような役割を担うのか、あるいは次にどんな一歩を踏み出すのかはまだ分からない。しかし、ティアゴ・ピタルチは現在マドリーが欠いている最も希少な二つの資質を示している。すなわち、ピッチで最も密集したゾーンでボールを要求し続ける度胸と、プレスに奔走し、味方のパスコースをこじ開けるハードワークだ
その2週間前のヘタフェ戦(0-1)で初めて先発に名を連ねる直前、アルバロ・アルベロアはピタルチについて尋ねられた。その言葉は、まさにチームが最も必要としていたタイプの選手を「ロボットのような人物像」として描き出したものだった。
「彼は非常にエネルギッシュだ。最大の強みはその強いパーソナリティだ。常にボールを欲しがり、プレッシャーがかかっても、全く動じない」
ピタルチにとって、マドリーは4つ目の所属先となる。まだ18歳になったばかりだが、アトレティコ・マドリー(2013-18)、ヘタフェ(2018-22)、そしてレガネス(2022-23)を経てバルデベバス(マドリーの練習場)に辿り着いた。
「彼が我々と過ごした1年の中で、ターニングポイントを挙げるなら、春に行われる地域選抜のトーナメントだろう」と、レガネスの下部組織責任者、ホルヘ・ブロトは振り返る。
そこには多くのスカウトが集まるが、マドリード州選抜のほとんどはマドリーかアトレティコの選手だ。その中で彼はレガネス所属ながら選出され、U-16のスペイン王者に輝いた。レガネス時代の彼は、同じく中盤を本職としながらも現在より攻撃的な役割を担い、「8番」としてよりゴールに近い位置でプレーしていたという。
2023年の夏にバルデベバスへやってきた当初、ピタルチはまずフベニールC(U-17相当)に加入した。2025年1月時点ではフベニールB(U-18)でプレー。今から15か月前、彼はまだマドリーのピラミッドにおいて、トップチームから数えて4段目に位置していた。
そこから目も眩むようなスピードで、階段を駆け上がることになる。アルベロアによってそのタイミングでフベニールA(U-19)に引き上げられると、昨夏には指揮官とともにカスティージャ(Bチーム)へ昇格。そして、プリメーラ・フェデラシオン(スペイン3部相当)でわずか14試合を経験した後、シティ戦で歴史を作った。
マドリーでCLの決勝トーナメントに先発出場した最年少のスペイン人選手(18歳220日)となり、ラウール・ゴンサレスが1996年3月に樹立した記録(18歳253日)を更新した。
シティ相手に見せたのは、成長過程にある若者とは思えない大胆さと、驚異的な走力だった。34本のパスを試みて32本を成功。誰もが躊躇するような危険なエリアでボールを受けようとするあまり、ニコ・オライリーにボールを奪われ致命的なピンチを招いたが、そこはクルトワによるお決まりのミラクルに救われた。
「彼の最も重要な資質は、ボールを持っている時も持っていない時も、ダイナミズムを発揮できるところだ」と、あるアナリストは分析する。
「特別なテクニックは持っていないかもしれない。しかし、非常に長い距離を走り抜き、通常のセントラルMFでは到達できないようなエリアに顔を出すことができる。それを支えているのは、彼のハート、気概、そしてフィジカルだ」
この急激な成長曲線を描く最中に、前監督のシャビ・アロンソも何度か招集リストに加えたが、実際にピッチへ送り出すことはなかった。しかしアルベロアは、自らの秘蔵っ子を、混迷を極めるチームのカンフル剤として投入する賭けに出た。
「18歳の若者をこれほどの大一番で使うことに、疑問を抱く人がいるのは理解できる。だが、ティアゴに関しては確信があった。彼はマドリーのカンテラを体現する存在だ。高額な移籍金でやってくる選手もいるが、彼らのような若者もまた、相応のチャンスを与えられるべきなんだ」
文●ロレンソ・カロンヘ(エル・パイス紙レアル・マドリー番)
翻訳●下村正幸
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