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『サイレントヒルf』“メロ狐”も話題の泰江和明が“メロい”と思った共演俳優とのエピソード

『サイレントヒルf』“メロ狐”も話題の泰江和明が“メロい”と思った共演俳優とのエピソード

前回のインタビューから、この2年で経験した数々の出来事が自身の価値観を大きく変えたという泰江和明。プライベートな出来事から、世界的に注目を集めたゲーム『サイレントヒルf』の裏話、主演作品の舞台「文豪とアルケミスト 掬ウ者ノ響歌(コンチェルト)」に懸ける覚悟、さらにミュージカル『憂国のモリアーティ』緋色の研究 Repriseへの意気込みまで、率直な言葉で語ってもらった。

■“本当のスタート”32歳へ向けてミュージカルを頑張りたい

――「WEBザテレビジョン」には2年ぶりのご登場ですが、この2年間を振り返っていかがですか?

あっという間でしたね。でも自分としてはとても大事な期間でした。今年32歳になるんですけど、僕としては32歳が役者として本当のスタートだと思っているんです。あと1年切ったことで、そこまでにどれだけのことを経験できるかを、ずっと考えて過ごしてきました。

――なぜ32歳がスタートだと?

僕の憧れの人が「若いときの苦労がその後の人生の力になる」と言っているんです。そして、その人は32歳で大きなことを成し遂げました。歴史的に見ても、32歳がターニングポイントになっている偉人が多いんです。

僕自身を振り返ってみると、怪我に苦しんだこともありましたし、主演にも挑戦して、さまざまなことを経験してきました。その積み重ねがあって、32歳からまた新しいスタートを切れるんじゃないかと感じているんです。40代、50代で本当に力を発揮できる役者になりたい。そのための準備期間が今なんだと思っています。

――32歳までのラスト1年で、やろうと決めていることはありますか?

具体的な目標というより、どう生きたいかという軸を作ることを真剣に考えました。それで出てきたのが、「世界平和のために俳優をする」という考えです。

感動や喜びを与えることで、誰かの心を豊かにしたい。社会や人のために、自分がなにができるかを考えたときに、これが答えであり使命だなと感じているんです。今は、その軸に向かってまっすぐ進んでいる感覚です。

――夢に向かって、今とくに取り組んでいることは何ですか?

歌ですね。ミュージカルにもっと挑戦したいと思っています。ブロードウェイ作品を観たときに、音楽の力の大きさをありありと感じたんです。音楽って、誰もが日常で触れているものですよね。

音楽の力を上手に扱える役者になりたいと思って、歌の練習を続けています。得意ではないんですけど、だからこそ努力しています。

――6月から上演されるミュージカル『憂国のモリアーティ』緋色の研究 Repriseにも出演されますね。

新しい挑戦だと思っています。大先輩たちと舞台に立つので、どう戦えるか考えています。ミュージカルは役者の能力が一気に試されるジャンルだからこそ、楽しみでもあり緊張もしていますね。

――では、今のご自身の強みはどんなところですか?

技術的な武器というより、人のために動き続けられることかもしれません。とにかく行動派だと思っているのですが、ひとつのことに集中すると周りが見えなくなるタイプでもあります。

もっと周りを見られるようになりたいなと思いながらも、30代、40代になっても本気で挑戦し続けることはすてきだなとも考えています。自分が決めた目標に向かって、全力で取り組む姿勢は変えたくないですね。

■狐面の男が“メロ狐”と話題に

――デビューから10年が経って、俳優としての方向性や軸も変化してきましたか?

変わってきていますね。舞台、映像、ゲームなどさまざまな経験をする中で、今はミュージカルに興味が向いています。ただ、今は修行期間だと思っているので、まだ固める必要はないかなって。最終的にはマルチに活動ができる俳優になりたいです。

――2025年リリースの『サイレントヒルf』は世界的な人気ゲームで、泰江さんが演じた狐面の男も話題になりましたね。

正直、最初は作品の規模を知らなかったんです。ゲームをしないですし、ホラーも苦手で、『バイオハザード』くらいしか知らないほどで(苦笑)。でも、作品の大きさを知らなかったからこそ、自然体でオーディションに臨めたと思います。

――ホラーが苦手なのに、演じきれたのはすごいですね。

文字で見るのは大丈夫なんです(笑)。でも、ゲーム配信は怖くて難しそうですね。スケジュールをとるのも大変ですし。それでも、何か作品に還元できないかと考えて、KONAMIさんに監修していただいたコスプレ写真をSNSに上げています。

――狐面の男という役柄についての思いはありますか?

撮影が終わってから、ストーリー制作を手掛けた竜騎士07先生とお会いしまして、狐面の男は先生にとっても大事な人物だと教えていただいたんです。現場で自分ができることは精一杯したけれど、先生のお話を最初から知っていたら、もっとできたことがあったような気がしていて。また挑戦できる機会があったらうれしいですね。

――モーションキャプチャーの演技はいかがでしたか?

舞台とは全然違いました。360度カメラがあって、正面を気にせず動ける。映像作品に近い自由さがあって、楽しかったです。声優としてのお仕事でもあり、ひとつの作品でさまざまな経験ができました。

――ちなみに、狐面の男はヤンデレ的魅力から“メロ狐”とも言われ、ネット上で大人気です。そこで、泰江さんが最近メロいと思ったことを教えて欲しいです。

日頃甘えないような人が甘えているところを見せる瞬間ってメロいなって思いますね。かわいいなって(笑)。

それこそ昨日、舞台の稽古が終わって夜に配信があったんですよ。その帰りに、身長が高くてクールなイメージだった小坂涼太郎くんが、「まだみんなと帰りたい」「ちょっと歩きましょうよ、ひと駅」みたいなことを言ったんです。

あ、そういうこと言うタイプなんだと思って、キュンとしちゃいました。結局その日は、一駅ではとどまらなくて、みんなでご飯を食べに行きました。意外な一面を見られるとうれしいし、メロいなって感じます。

■経験を重ねたこその魅力を持つ俳優になりたい

――舞台「文豪とアルケミスト 掬ウ者ノ響歌(コンチェルト)」は、これから大阪公演が始まります。

シリーズ9作目で、かなりハードな作品です。殺陣も多くて、本当に命を削るような感覚ですね。これまでアクションの経験はありますけど、どの作品よりもハードなんですよ。

でも、だからこそ主演として舞台に立てることがありがたいです。人生で何回主演をできるかわからないけれど、こんなに素晴らしい作品で主演をつとめられることは、きっとこれからの俳優人生にもつながることが多いだろうと感じています。

――この舞台の稽古中に、泰江さんに大きな出来事があったと伺いました。

生まれてから一度も会ったことのなかった父と、初めて会うことができたんです。父は入院していて、もう話もできない状態だったのですが、3日間一緒に過ごして、その帰りに亡くなりました。

正直、父という存在をどう受け止めていいかわからないまま生きてきたんです。でも母や姉と初めて父の話をして、「父ともっと話したかった」「父をもっと知りたかった」と思っていいんだと気づきました。ちゃんと見送れたことで、心の整理もできた気がします。

この経験があって迎える主演だったので、人としてひとつ成長した感覚があります。大阪公演を終えたら、また違う自分になっているかもしれません。

――2026年は忙しくなりそうですね。

駆け抜けたいですね。最近は自分の人生を描いた小説を書いてみたいとも思っています。俳優が小説のお渡し会をやったら面白いかなって。まだ未完の人生だから、未来に向かって続く小説になると思うんです。

――現時点の将来の夢は何ですか?

ミュージカルを作って、その主演をやりたいです。自分の中で表現したいテーマがあって、舞台化して届けたいという思いが強くなっています。そのためにも、まずは俳優として力をつけたいと思っています。

最近読んだ本で、木の年輪の話があったんです。天気や環境によって年輪が変わるように、人間も経験で深みが出るという話で、それがシワとして現れる。その話を読んで、人間のシワってとてもかっこいいと思ったんです。

僕も役者として、年輪を刻む人になりたい。若々しい美しさももちろんすてきなことですが、僕は経験を重ねたこその魅力を持つ俳優になっていきたいですね。

◆取材・文=イワイユウ
ヘア&メーク=田中宏昌
スタイリング=北村梓(Office Shimarl)

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