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ミーマイナー・美咲「浅く広くより、狭く深く繋がることを大事に生きている」/連載「歌詞にしなかったこと」

ミーマイナー・美咲「浅く広くより、狭く深く繋がることを大事に生きている」/連載「歌詞にしなかったこと」

ミーマイナー 美咲

2024年9月にシンガーソングライターの美咲とボカロPのさすけにより結成されたバンド・ミーマイナー。結成1年で大型ロックフェスに出演を果たし、ソニー・ミュージックレーベルズへ所属が決定、 “次に来るバンド”として注目され2026年5月13日(水)にはメジャー1stEP「部屋とガラクタと私」をリリース予定。ミーマイナーの音楽ができる裏側や、ボーカル・ギターの美咲の歌詞製作の過程を覗き見られる連載「ミーマイナーの 歌詞にしなかったこと」連載第6回は、出会いと別れについて“生まれたての言葉”を紡いでくれた。


■「別れの季節」

ミーマイナーのボーカルギターをやってます。美咲です。春はよく“出会いの季節“って言われるけど、私は“別れの季節“だと思っている。クラス替えも入学式も、子どもなんだから素直に新鮮さを楽しめたらよかったのに、私にとっては“これまでの生きてきた自分との別れ”という感覚があった。新しい日々にワクワクするんじゃなくて、もう二度と戻れないクラスが恋しくなって毎日なんか違うって思いながらしばらくを過ごす。そんな学生時代だった。

私の人格や生きる意味は、私の中にあるんじゃなくて、人や組織との中に存在してたんだと思う。だからずっと別れが苦手で、だからずっと春が苦手です。私が悲しいと思っていても、みんなは楽しそうで、新しいクラスにすぐに馴染んでいて、私だけが恋しがってたっていうのも寂しかった。私が大事にしてたものは、そんなに特別なものじゃなかったんだって思い知らされるのは、これまでの積み重ねた時間や心を否定されたような気がするし、次は何を頼りに生きていけばいいのか分からなくなる。また間違えてしまいそうで怖くなる。大事にすると決めたものを、自分より大切にして神様のように信じてしまう。圧倒的に私が悪い。一度守ると決めたものは最後まで守り抜くっていう、私の性質はいつ、どこで、どうして私のものになったんだろう。


 

でもね、私は去年から春が好きになった。いいや、春を好きにさせてくれた人に出会って変わった。その人はもう近くにはいないけど、離れてしまってもそれまでの時間や受け取った心が今の私を作ってると本気で思っている。だから去年から春が好きです。ありのままの私を、どんな姿も、最高だと言ってくれた初めての人だった。出会えてよかったと思える別れは初めてだった。これからもずっと2025年の春を抱きしめて、生きていくと思う。これを読んでくれていて、届いてくれていたら嬉しいなあ。

 

■「感情的で」

悲しみや不安が人一倍強くて、多分それをみんなより上手くコントロールできてないし、衝動的で不安定な人間だなと思う。でもだからこそ分かってあげられたことも、気づいてあげられたこともあった。熱量高く生きられるのも、周りの空気に影響されてしまうのも、妄想的で創造的なのも、感情的だからだと思う。だから私は、全ての人の長所は短所と表裏一体だと思う。好きな人の好きだったところが最終的に離れる原因になる、なんてことをどこかで読んだことがある。これも結局良いも悪いも表裏一体だからだ。私は大切な人の好きなところもだめなところも全て抱きしめたい。私は、そういう覚悟で人を愛すると決めている。

ミーマイナー・美咲

■「感傷的な」

悲しみは人生の本質だと思っている。生きること、全ては最終的に、悲しい。ドラマとか映画では出会って、恋に落ちて、結ばれるまでが描かれて終わることが多いけど、実際人生はその逆だと思っているから別れるところまでを描く、えぐい作品はないのかなと思ったりしていた。(最近そういう作品に出会った)別れが喪失感を生むのは、これまでの連載でも書いてるように“その人がいたから存在していた自分“を失うという部分にもあると思うけど、その人といたら“来るはずだった未来“も失うことになるからかなと思う。穏やかな時間も、行けるはずだった場所も、なくなってしまうからね。実際にはなくならないんだけどね。傷を見るのは痛々しい、触るのはもっと痛いけど、見ないと分からない事も触らないと分からない事もある。深く思考した先に見える世界や正解が尊いと思うから、私は傷を眺めるのが好きだ。一つの形から無数の可能性を想像したい。たとえそれが迷惑でももう無意識で、癖のようなものだから、止められない。

ミーマイナー 美咲

悲しみの輪郭は一つ一つ違う、それをどうやって音と言葉で表現するか、それがアーティストの本質だと思う。私にはこう見えていると表現した悲しみが聞いてくれた人と重なった時、会ったことのない知らない人とでも、深く繋がることができると思う。私は浅く広く繋がることより、狭く深く繋がることを大事にして生きている。これからもそうやって生きていく。

美咲

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