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三又又三の「社長、前借りいいですか?」〈ところで年収は?〉

三又又三の「社長、前借りいいですか?」〈ところで年収は?〉

 元気ですか〜!(猪木風)。還暦ブレイクを本気で狙っている三又又三(58)です。

 不動産会社に就職して、もう3年が経とうとしています。

 おかげさまでつい先日、「三又さんから家を買いたくて」と言うお客さんと無事に契約を済ませることができました。うれしいことに、「三又さんと働きたい」って、うちの会社に転職してくる人もいるんですよ。

 改めて振り返ると、僕の心の中でも大きな変化がありました。

 それは、他人に興味が持てるようになったこと。芸人1本でやっていた頃は、つるむのは同じ業界の人ばかりで、世間がどうなろうが関係ない。自分のことばかり考えていたような気がします。

 東京・新橋の駅前で酔って騒いでいるサラリーマンを見ても「うわ、あんなに荒れて‥‥。からまれたらイヤだな」くらいにしか思いませんでした。しかし、実際に自分が毎朝早く起きて朝9時に出社。みんなと一緒に店舗や事務所の掃除をする“修行僧”のような生活を送っていると、こう思えてくるんです。

「わかるよ。たまには思い切り酔っ払いたいよね」

 不思議なことに、不動産の仕事で接客をしていると、「相手のことをもっと知りたい」という欲がどんどん出てくる。御夫婦の方には「なれそめは?」「プロポーズはどちらから?」と根掘り葉掘り聞くわけですけど、これがとにかく面白いんです。

 人からいろいろ話を聞き出すうえで、僕が参考にさせてもらっているのが、NHKで放送している「鶴瓶の家族に乾杯」。笑福亭鶴瓶さんがゲストの方といろんな街を訪ねては、地元の人と交流していく旅バラエティーなんですけど、鶴瓶さんのコミュニケーション能力がとにかくすごい。偶然、街で出会った人に、

「このあたりでどこかおいしいお店知りませんか?」

 こんな差し障りのない質問から入って、

「ほな、家に行ってもいいですか?」

 と気づいたら、家の敷居をまたいでズンズン入っていくじゃないですか。

 もう、一瞬で相手の懐に飛び込んでいく。「家族に乾杯」は僕にとっていちばんの教科書ですよ。

 実は不動産の仕事をしていくうえで、お客さんにどうしても聞かなきゃいけないことがあるんです。それが年収。僕はそれを聞くのがイヤでイヤでしょうがなかった。初対面の人にいきなり「いくら稼いでるんですか?」なんて聞けないでしょう?

 でも、住宅ローンを組むなら、絶対に必要な個人データですし、僕らもそれを知らないと予算が立てられませんからね。

 よくバラエティーであるじゃないですか。芸人に、「最高月収はいくら?」「超売れっ子だったあの時の年収は?」って聞く企画が。僕も何度も聞かれましたけど、心の中で「なんでこんな下衆な質問ばかり‥‥」って毒づいてましたよ。

 できることなら年収なんて知りたくないですよ。だけど年収を知らないと仕事にならない。

 でも、ある時に気づいたんです。「これは漫談と一緒だ」って。

 まずは「天気がいいですね」とマクラから始まって、「ご趣味は?」「ご職業は?」「今のお家賃は?」と徐々にほぐして、会話のキャッチボールを積み重ねてから「ところで年収は?」と本題に入っていくわけです。

 ここで大切なのは、その人に本当に興味を持つこと。「へ〜、そうなんですか〜」なんて適当に相槌を打っていたら絶対にバレますから。会話中、「それでそれで?」と心の底から関心を持って「本当ですか〜!」と本気でリアクションをする。

 友人やご家族とのコミュニケーションでお悩みの方は、まずは相手に興味を持つ。ここから始めてみてはいかがでしょうか?

三又又三(みまた・またぞう)株式会社TAP所属のお笑い芸人。「踊る! さんま御殿!!」(日テレ系)、「志村けんのバカ殿様」(フジ系)等数々のバラエティーに出演。2023年より不動産会社に勤務し、芸人との二刀流で活動。今夏より漫才協会に入会。

配信元: アサ芸プラス

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