
「何かが足りない」勝ち切れない浦和に漂う悪循環を打破するには——。カギを握る敵将の言葉
4月12日に開催されたJ1百年構想リーグ地域リーグラウンドEAST第10節で、浦和レッズは東京ヴェルディと対戦した。
CBに負傷者が続出しているなか、ボランチが主戦場の柴戸海を最終ラインの中央で起用し、最前線ではオナイウ阿道と肥田野蓮治が2トップを組んだ浦和は、前半から主導権を握って敵陣へと進入。再三チャンスを作り出すと、後半開始早々にマテウス・サヴィオのスルーパスを受けた肥田野が左足でシュートを決めて先制に成功する。
さらに64分にも決定機を創出し、金子拓郎が相手GKと1対1になるも仕留め切れず。追加点を奪えずにいると、74分にPKを与えてしまい、染野唯月に決められて1-1の同点に追いつかれる。
勝ち越しを狙うべく攻勢を仕掛け、ラストプレーで長沼洋一がボックス内でビッグチャンスを迎えるも活かせず。1-1で90分を終え、最終的にはPK戦で1-3の敗戦を喫した。
これで5連敗を喫した浦和。東京V戦では何度もロングボールの起点となってチャンスメークをしたオナイウは、FWとしての責任を痛感する。
「チャンスはありましたし、相手に当たってしまったシーンなど、個人だけではなく、チームとしても2点目を奪えた場面がありました。このポジションの選手としては自分も含めて責任を持たないといけないし、それが直接的に勝点3につながってくると感じています」
チームとして計16本ものシュート数を記録した試合内容に関しては「ゲームコントロールもできていたと思うし、自分たちの狙っている形だったり、チャンスを作ることだったりもできていました」と振り返る。それでも、「試合が終わってみて、最後に勝点3を取れてないのは、やはり何かが足りないと思う」と反省。結果が伴わなかったことに悔しさをにじませた。
一方、最終ラインで覇気のあるプレーを何度も見せていた柴戸は、決して多くなかったピンチのなかで1失点してしまったことを「勝てないチームの典型的な形」と表現。「もう少しいろいろな部分にも目を向けながら改善していく必要があります」と細部の修正を強調している。
今季、リード後に追いつかれると、一度も勝ち越せていないなど先制した後の戦い方は依然として課題であり、PK戦も3連敗と苦しい結果が続いている。浦和が好転するために何が必要なのか。それは敵将の言葉に隠されているのかもしれない。
東京Vの城福浩監督は試合後、勝利を手にしながらも自チームの途中出場した選手たちに対して「チェイシングがまだまだ足りない。バトンを受けた選手が頭から湯気が出るようなボールの追い方ができていなかったので、そこは非常に不満です」とキッパリと言い切った。白星を掴むためにやるべき基準に達していなかった選手たちに厳しい言葉をかけている。
決して浦和の途中出場組を非難したいわけではなく、選手たちの言葉を見ればそれぞれが危機感を持ちながら戦っているのは明白だ。ただ、今節の結果は“頭から湯気を出す”ほどのプレーを求めた東京Vに傾いた。ピッチに立つ選手全員が勝利への執念を燃やして最後までやり切らなければ、この悪循環を取り払うことはできないのだろう。
再び4、5万人のサポーターに埼玉スタジアムへ足を運んでもらうためには、その募る想いをプレーに乗せて結果を手繰り寄せる必要がある。
文●藤井圭(サッカーライター)
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