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低迷イタリアの国内リーグが抱える問題点とは――伊紙は制度面の改革を訴え「国内移籍と国際移籍の条件を、少なくとも同等にすべき」

低迷イタリアの国内リーグが抱える問題点とは――伊紙は制度面の改革を訴え「国内移籍と国際移籍の条件を、少なくとも同等にすべき」

3大会連続でワールドカップ予選敗退という未曽有の低迷に陥ったイタリア代表。その衝撃は国内サッカー界全体に波及し、育成、戦術、指導体制といったあらゆる側面に問題があると指摘されている。

 なかでも改めて焦点が当てられているのが、国内リーグ「セリエA」の構造的な課題だ。スペインのスポーツ紙『MARCA』は、イタリアサッカー連盟(FIGC)がまとめた報告書を基に、危機の実態を数字で示した。

 同紙は、「ピッチ上の出場時間の67.9%を外国人選手が占めており、これは欧州でもワースト6位の水準」とし、スペインの39.6%、フランスの48.3%と比較しても突出した高さであることを指摘。また、「平均年齢28歳は欧州各国リーグで8番目の高さ」であり、「代表チームに選出可能なイタリア人は、一定の出場機会を得ている284人のうち、わずか89人」に止まるなど、国内選手の減少が顕著である。

 さらに深刻なのは若手の機会不足で、「21歳以下の選手の出場時間はわずか1.9%で、50か国中49位」という極端な低水準が示されている。若手世代の代表が国際大会で好成績を収めているにもかかわらず、「彼らの多くが、トップチームでは出場機会を得られず、プリマベーラ(U-20チーム)や下位リーグへのレンタル、あるいはベンチ生活に甘んじている」とされ、育成からトップへの“最後の一歩”が欠けている実態が明らかだ。

 試合内容にも問題は及び、「試合のリズムは遅く、ボール循環の速度は低く、3-5-2の多用により、ウイングや1対1を仕掛ける選手が不足している」。また「平均ボール速度は7.6m/秒で、チャンピオンズリーグの10.4m/秒を大きく下回る」「ドリブル数も欧州5大リーグ最少(1試合平均26.69回)」といったデータも、プレースタイルの停滞を裏付ける。また「プレッシングの積極性を示す指標PPDAでも最下位」であり、全体的にリスク回避型で、消極的なサッカーが主流になっていると分析されている。

 とくに象徴的なのが、ドリブル能力の低下。「欧州主要リーグで最もドリブルが少ないリーグ」であり、「ドリブル数上位100人のうち、イタリア人はわずか8人で、その中の最高が56位」という状況だ。背景には、「欧州でドリブル数上位の74%がウイングやトップ下であるのに対し、イタリアでは3-5-2の普及により、そうしたポジションがほぼ消滅している」との見解が示された。

  一方、イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は外国人選手の増加に注目。「2017-18シーズンの55.2%から、2025-26シーズンには69.1%まで、外国人比率が上昇している」と伝え、その背景には国内移籍市場の特殊な仕組みがあると指摘する。「イタリア国内のクラブ間取引ではクリアリングハウス(清算機関)を通じた決済が義務付けられており、クラブが負債超過となる場合、銀行や保険による保証を求められる」という制度だ。

 この保証は、「手数料が高額で、場合によっては100%の担保を求められることもある」ため、とくに外国資本のクラブにとっては、大きな負担となる。その結果、「支払い条件が柔軟で制約の少ない国外クラブとの取引が優先される」傾向が強まり、「今季の完全移籍では、国外クラブとの取引が108件、国内は68件と大きな差がついた」と同紙は報じている。

 イタリアのクラブは「2020年以降、国際移籍に52億ドル(約8270億円)を費やし、フランス(46億ドル=約7300億円)やドイツ(45億ドル=約7160億円)、スペイン(36億ドル=約5700億円)を上回る規模となっている」とされ、国外依存の強さが浮き彫りになっている。レーガ・カルチョ・セリエAのエツィオ・シモネッリ会長も、「現状では、国外クラブから選手を獲得する方が有利」と認め、「国内移籍と国際移籍の条件を、少なくとも同等にすべきだ」と、制度改革の必要性を訴える。

 こうした状況の中で、同紙は「イタリアにはキリアン・エムバペやラミン・ヤマルはいないかもしれないが、才能を育て、支え、プレーさせるべき」と主張する一方、「現実には外国志向が蔓延している」と警鐘を鳴らす。育成よりも結果が優先され、若手が活躍の場を得られず、制度的にも国内市場が不利な状況に置かれている。その複合的な問題が、現在の停滞を招いているようだ。

 3大会連続のW杯不出場という結果は、単なる一過性の不振ではなく、長年積み重なってきた構造的問題の帰結だ。データが示す現実と制度の歪みを前に、イタリアサッカーは今、大きな転換点に立たされている。

 改革が進まなければ、若き才能はイタリアよりもトップレベルでのプレー機会がある国外に流出し、国内リーグの空洞化はさらに進むだろう。逆に言えば、ここで抜本的な見直しが行なわれるかどうかが、かつての栄光を取り戻せるか否かを左右する重要な分岐点となる。

構成●THE DIGEST編集部

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配信元: THE DIGEST

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