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「初々しさの中に、凛とした誠実さがある」――ヒットメーカー・渡辺拓也が語るハルニシオンの魅力

「初々しさの中に、凛とした誠実さがある」――ヒットメーカー・渡辺拓也が語るハルニシオンの魅力

ハルニシオンと豪華作曲家陣の対談連載。第二弾は渡辺拓也氏と語り合ってもらった。
ハルニシオンと豪華作曲家陣の対談連載。第二弾は渡辺拓也氏と語り合ってもらった。 / ※提供画像

2月にデビュー1周年を迎えたアイドルグループ「ハルニシオン」。2年目をさらに盛り上げるべく、春からの新展開「ハルキャン」がスタート。その特別企画の一環で、WEBザテレビジョンではハルニシオンに楽曲を提供した豪華作曲家陣4名(ナッツP、渡辺拓也、エンドウアンリ、矢野達也)とメンバーによるスペシャル対談を連載でお届けする。

第2弾のゲストは、多数の人気アーティストへの楽曲提供をし、ハルニシオンの「Luv it!」「ただ、君に咲く。」「流れ星はどこから来るのか」、そして最新曲「サクラ舞う」の4曲を手掛けたヒットメーカー・渡辺拓也氏。驚異的な制作スピードの裏側や、幻となった「Luv it!」の初期歌詞、そしてハルニシオンの未来への期待まで、ハルニシオンメンバーの村瀬ゆうな・長浜瑠花と語り合ってもらった。

■「初々しさの中に、凛とした誠実さがある」渡辺拓也が語るハルニシオン
ハルニシオン(写真左から村瀬ゆうな、来海とい、福間彩音、芹沢心色、長浜瑠花、馬場彩華)


村瀬ゆうな:今回は渡辺拓也さんと、私、村瀬、長浜で対談させていただきます。よろしくお願いします! 渡辺さんとお顔を合わせて直接お話しする機会をいただけて本当に嬉しいです。私たちハルニシオンの活動はどのくらい見てくださっていますか?

渡辺拓也:X(旧Twitter)での発信も含めて、YouTubeに上がっている動画なども拝見させていただいていますよ。

村瀬ゆうな:完成した曲を聴いてくださった感想をお聞きしたいです。これまでに「Luv it!」「ただ、君に咲く。」「流れ星はどこから来るのか」の3曲を提供いただきましたが、完成した音源を聴いた時の印象はいかがでしたか?

渡辺拓也:出来上がった歌のテイクも含めて、皆さん本当に歌が上手いなと。作品としてすごく良い仕上がりになっているなと思いながらいつも聴いています。バズ狙いの消費されていく楽曲が多い中で、芯の通った活動をされているグループはやっぱり素敵だなと思います。ハルニシオンの“凛とした誠実感”はずっと持ち続けてほしいと思いますね。


■ 驚異の制作スピードと、同時進行の裏側

長浜瑠花:渡辺さんは本当にたくさんの楽曲を制作されていると思うのですが、1曲にかかる期間って、ゼロから完成までだいたいどれくらいになるんでしょうか?

渡辺拓也:プロジェクトによってまちまちなのですが、皆さんに聴いていただく最初のデモ音源を作るまでは、だいたい3日ぐらい取っています。パッとひらめいて1日でできちゃうこともあるんですが、色々手直ししていくと「パッと生まれたものがイマイチだな」と思う可能性もあるので。そういう可能性も含めて、自分の中ではデモ作りに3日間を取るようにしています。

長浜瑠花:勝手に1週間とか1カ月とかかかっているのかと思っていたので、たった3日でこんな素晴らしい曲を作ってくださるなんて驚きです!

渡辺拓也:そこからフルサイズにしたり、歌詞をしっかりと入れていく作業になると、やっぱり2~3週間後とかにはなりますね。

村瀬ゆうな:至る所に渡辺さんの楽曲があるくらい、いろいろなアニメ楽曲やアイドルさんを手掛けているイメージがあります。ハルニシオンの曲を作っている時も、きっと何曲も同時進行されている状態だと思うのですが、だいたい何曲ぐらい並行して作っているものなんですか?

渡辺拓也:今もとても多いんですけど、現在で12~13曲ぐらいですかね…?
村瀬ゆうなと長浜瑠花


村瀬ゆうな:ええー! すごい!どうやって頭を切り替えているんですか、すごいです! そして、ハルニシオンの曲(「Luv it!」「ただ、君に咲く。」「流れ星はどこから来るのか」「サクラ舞う」)も、極端にジャンルが違う楽曲になっていると思います。共通して大事にしていることなどはありますか?

渡辺拓也:ハルニシオンに関しては、春っぽさを大切にしていますし、やっぱり「フレッシュだな」とすごく思っています。そういうフレッシュさや初々しさの中にある「凛とした誠実さ」がありますから、楽曲もそこから外れないようにとは考えて作りましたね。

村瀬ゆうな:手掛けていただいた曲の中でも「ただ、君に咲く。」は特にハルニシオンの色を出してくださったと感じます。

渡辺拓也:テーマとして「花」や「花びら」、季節で言うと「春」といった要素はグループとしても打ち出していると思うので、「ただ、君に咲く。」に関してはそういう部分を強く意識しました。

■ 幻となった「Luv it!」のボツ歌詞と、制作のアプローチ
ハルニシオンと豪華作曲家陣の対談連載。第二弾は渡辺拓也P氏と語り合ってもらった。


村瀬ゆうな:渡辺さんの楽曲は、アーティスト側に寄せるというより、渡辺さんが出した色にアーティスト側が染まっていくような感覚があります。曲を作っていくにつれて、相手のことを知って近づけていくこともあるんですか?

渡辺拓也:がっつり組んでやらせてもらうアーティストの場合は、お互いに寄り添っていくこともあるんですけどね。男性グループだと僕自身が仮歌を歌うから向こうが僕の歌い方に寄せてきてくれることもあるんですよ。今回のように曲を作って、歌ってもらって、ライブを観て……という間接的な関わりの中だと、ボーカルの声を想像しながら、自分の得意な部分や色を出していくことが多いです。

村瀬ゆうな:ファンの皆さんの反応などを参考にされることはありますか?

渡辺拓也:SNSなどで見たりしますね。そこに次の作品を作るヒントがあったりするので。ハルニシオンのファンの皆さんの反応も見ていますよ。

長浜瑠花:「流れ星はどこから来るのか」は本当に人気がある楽曲で、ライブでイントロがかかると「うわー!」って歓声が上がるんです。「“流れ星”が聴きたくてライブに来た」と言ってくださる方もいて。渡辺さんのファンの方が「渡辺さんの曲だから」と足を運んでくださることもあります。

渡辺拓也:それはうれしいですね。エゴサをしていると熱量の高い楽曲ファンの方の存在が目に入りますね。私以外の方も、ハルニシオンは作家陣が強いですよね。

村瀬ゆうな:渡辺さんの楽曲はギターサウンドのイメージが強くて、ファンの方も特典会でエアギターを披露する方もいるんです。「Luv it!」はまさにギターサウンドが印象的で、どういう風に作っていくのか気になります。

渡辺拓也:「Luv it!」はギターリフが先にできて、メロディーができたものにそこにドラムを付けて行くという作り方をしました。僕の場合は、基本的にメロディーから先に出てきますね。なんとなくの仮の歌詞をメロディーと一緒に出すんですが、そのハマりが良ければそこから歌詞を膨らませていくこともあります。

村瀬ゆうな:今までで一番難航したフレーズや、記憶に残っている歌詞はありますか?

渡辺拓也:一番難航した……実は、「Luv it!」の時に僕はハルニシオンチームと初めてご一緒したんですが。最初に曲を作った時は全く違う歌詞だったんですよ。その時の歌詞は1節も残っていません。

村瀬&長浜:ええー!

渡辺拓也:まだ「ハルニシオン」というグループがどういう方向に行きたいのかが分からなかったので、探り探りで僕なりのアイドル曲を出したんです。最初はもっとはっちゃけた歌詞だったんですよ。いわゆるSNSでのバズを狙うような歌詞を入れていたんですが、それはプロデュースの方向性としては違うという話になり、改めてゼロから書き直した記憶がありますね。「こういう歌詞はなかったからどうですか?」と提案したんですけれど、走り出したばかりのグループだから、まだその時期ではなかった。統一された方向性で作り直しました。

村瀬ゆうな:そんなことがあったんですね…歌詞もハルニシオンに寄せていただいたのを私達も感じましたし、「Luv it!」はライブでどこに入れても違和感なく、たくさん盛り上がっていただく曲になりました。その後、「ただ、君に咲く。」も、ワンマンライブのタイトルになった曲でしたし、私達も解像度が高くて本当に感動していました。

■「ただ、君に咲く。」と、アリーナを見据えた未来への期待

村瀬ゆうな:提供してくださった3曲の中で、特に思い入れのある曲はありますか?

渡辺拓也:もちろん全部気に入っていますが、一番入り込んで書いたのは「ただ、君に咲く。」ですね。すごく思い入れがあります。「Luv it!」の歌詞で、ファンの方が「メンバーの名前が入っている」と呟いていたのを見たんですよ。

長浜瑠花:あれは狙って書いてくださったのかなと思っていたんですが……。

渡辺拓也:「Luv it!」はたまたまだったんですが(笑)、それっていいなと思って、「ただ、君に咲く。」は狙って歌詞に名前を入れてみたんです。フレッシュなアイドルの楽曲ならそれもいいなと思ったんですよね。2サビだったかな…。

ハルニシオン 長浜瑠花
ハルニシオン 長浜瑠花 / ※提供画像

長浜瑠花:ひょっとして、「花瑠風(はるかぜ)」とかですか・・?

渡辺拓也:そうそう!みなさん名前が素敵なんですよね。歌詞に入れやすい名前をしています。

村瀬ゆうな:楽曲は作ってもらって終わりじゃないのが作家さんとの縁だと思っています。ライブで披露して、変わって、育っていくものだと思っています。いただいた楽曲がどう育ってほしい、そういう作曲家としての想いはありますか?

渡辺拓也:ロックの2曲はアップテンポでお客さんがタオルを振って盛り上がると思うので、そういう絵がやっぱり見たいですね。「ただ、君に咲く。」は…キュンとさせてほしい(笑)。“感動の感情”が芽生えるといいですよね。

村瀬ゆうな:ものすごくたくさんのアニメ曲やアイドルの楽曲を作ってこられましたが、アイドル楽曲を作る際に気を付けていることはありますか?

渡辺拓也:ファンの方々がどういう人なのかはけっこう調べますね。今は色々調べる方法がありますから。「Luv it!」の時「渡辺がハルニシオンに来た!」みたいなファンの反応はうれしかったですね。

ハルニシオン 村瀬ゆうな
ハルニシオン 村瀬ゆうな / ※提供画像

村瀬ゆうな:私達は渡辺さんの楽曲と知って驚きで椅子から転げ落ちました(笑)。「流れ星はどこから来るのか」の制作時の印象的なエピソードはありますか?

渡辺拓也:あえて花じゃないところに行ってみた曲ですね。ある時本当に流れ星を見たんです。「あれ、流れ星ってどっからくるんだろう?」ってリアルに思ったんですよね。流れ星って見た瞬間から輝いていて、星は売れている人の象徴というか、スターですよね。でも実は、すごい遠いところから少しずつ近づいてきて地道に一歩一歩進んできた結果なんだ、そう思ったんです。輝いている他の人を見ると、いいなって思ってしまうんだけれど、下積みがあってその結果今輝いているんだということを音楽にしてみたかったんですよね。


村瀬ゆうな:どの楽曲でも渡辺さんらしさを感じますし、歌っていても気持ちが乗っていくのが分かります。音で表現する際に渡辺さんらしさをどうやって演出されているんでしょうか。

渡辺拓也:メイン楽器はギターなので、ロックのほうがオーダーは多いですし、自分らしいと思いますね。自分らしさ…時代とともにギターだけでない自分もあるんですが。元々バンドをやっていたので、感情を吐き出すような楽曲はバンドっぽいギターサウンドかもしれませんね。

村瀬ゆうな:渡辺さんの楽曲は“ライブ感”をすごく感じるんですよね。

渡辺拓也:元々20代はバンドをやっていたんですが、鳴かず飛ばずで作家になったんです。小さいライブハウスで演奏するときの気持ち、袖から出ていく緊張感も感じてきたので、ライブ感は大事にしているポイントですね。ステージは大きいからいいわけでもなくて、数十人のステージでもやっぱり感動は生まれますよね。ハルニシオンはすでに日本武道館くらいまでの道のりは見えているような気もしますけどね。

長浜瑠花:たくさんのアーティストの方に楽曲提供をされていますが、アイドルに楽曲を提供する中で、一番嬉しい瞬間はどんな時ですか?

渡辺拓也:やっぱり曲がリリースされて、MVが出たりライブで観たりする瞬間ですね。初解禁の日のファンの人の反応を見るのが一番嬉しいし、ワクワクします。

長浜瑠花:私たちが渡辺さんの曲の良さをもっと引き出すためのアドバイスがあればいただきたいです!

渡辺拓也:女性アーティストに提供する場合、仮歌はボーカロイドに歌わせているんです。細かいニュアンスや息遣いはボカロに込めているんですが、実際に人間が歌う時はもっと「自分はこう歌いたい」という感情を乗せて歌ってもらっていいと思います。正解はないと思うので、もっと自分を出してもらって、自由にやってみてください。

村瀬ゆうな:レコーディングの時に、ぜひ渡辺さんにもディレクションで立ち会っていただきたいです!

渡辺拓也:これからのハルニシオンへの期待としては、今のライブハウスのライブも良いですが、アリーナやドームクラスの大きなステージになっても響くような曲を作っているつもりなので、そういう大きなステージで歌っている皆さんの姿を見たいです。

長浜瑠花:ありがとうございます! 頑張ります! もうすぐ5月1日に生バンドでのワンマンライブがあるんですが、渡辺さんの曲のドラムを叩いてくださっている北村さんが、ライブでもドラムを叩いてくださるんです。

渡辺拓也:生バンドだとまたアレンジも変わってくるかもしれないし、ライブ感があってすごく良いと思います。楽しみですね。

長浜瑠花:本当に楽しみです! 本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました!

ーーハルニシオン×豪華作曲家陣の対談連載、第三弾は5月公開予定。


(取材・文=WEBザテレビジョン編集部)


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