昨年後半に背中の疲労骨折による戦線離脱を経験し、今年2月に約8カ月ぶりの実戦復帰を果たした男子テニス世界ランキング30位のアルテュール・フィス(フランス)が、4月13日~19日の日程で開催された「バルセロナ・オープン・サバデル銀行」(スペイン・バルセロナ/クレーコート/ATP500)を制し、ツアー通算4勝目を飾った。
21歳のフィスにとっては、2024年10月の「木下グループジャパンオープン」(日本・東京/ハードコート/ATP500)以来となるタイトル獲得。今季のクレーコートシーズン初戦となった今大会には第9シードで出場し、同胞のテレンス・アトマネ(現41位)、ブランドン・ナカシマ(アメリカ/同33位)、ロレンツォ・ムゼッティ(イタリア/同9位)、さらには19歳の注目株ラファエル・ホダル(スペイン/同55位)と実力者を連破して決勝へ駒を進めていた。
現地19日に行なわれた決勝の相手は、これまでにツアー17勝を挙げている第5シードの元トップ5選手アンドレイ・ルブレフ(ロシア/同15位)。試合はフィスがオープニングゲームでいきなりブレークを許すも、その後はベースラインでのストローク戦を支配し、第3ゲームから怒涛の6ゲーム連取に成功して6-2で第1セットを先取。第2セットも5-2とリードし、そのまま快勝で試合を決めるかと思われた。
しかしここからルブレフが猛反撃。「勝ちが見えたことで少し考えすぎてしまった」というフィスはサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった第9ゲームを落とすと、第10ゲームでは3本のチャンピオンシップポイントを逃して5-5に追いつかれ、続く第11ゲームもブレークされて逆転を許してしまう。
それでも第12ゲームですぐさまブレークバックし、タイブレークをフィスが7-6(2)で制して1時間40分で勝負あり。優勝後のオンコートインタビューで21歳は苦しんだ試合終盤を「ひどい展開だった」と振り返り、次のように語った。
「1セット半までは良いプレーができていたが、試合全体を通して少し身体が硬くなっていたし、第2セットの終わりの方は、もはや精神的なプレッシャーとの戦いだった」
その上でチームメンバーへの感謝を交え、喜びをこう口にした。「チームのみんなには本当に感謝している。8カ月ほどケガで苦しんだが、こうしてコートに戻り、トロフィーを勝ち取ることができた。最高の仕事ができて、本当にうれしい」
この結果フィスは大会後に更新された世界ランキングで、昨年9月以来となる25位をマーク。同郷のアルテュール・リンダークネシュ(フランス/現26位)を抜いて半年ぶりにフランス勢ナンバーワンの座に返り咲いた。一方のルブレフは終盤に驚異の粘りを見せたものの、昨年2月の「カタール・エクソンモービル・オープン」(ハード/ATP500)以来となるタイトル獲得にはあと一歩届かなかった。
文●中村光佑
【動画】フィスVSルブレフのバルセロナOP決勝ハイライト!
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