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【皐月賞】常識破りの逃げ…衝撃レコードVのロブチェンがダービーも本命か 東京2400mで注目すべき対抗馬は?

【皐月賞】常識破りの逃げ…衝撃レコードVのロブチェンがダービーも本命か 東京2400mで注目すべき対抗馬は?

4月19日(日)、クラシック三冠の第一関門である皐月賞(GⅠ、中山・芝2000m)が行なわれ、単勝1番人気に推されたホープフルステークス(GⅠ)の覇者ロブチェン(牡3歳/栗東・杉山晴紀厩舎)が積極的に逃げを打つと、追いすがる4番人気のリアライズシリウス(牡3歳/美浦・手塚貴久厩舎)を振り切って逃走劇を完遂。見事に一冠目を手にした。走破時計の1分56秒5は、従来の記録を0秒1上回る驚異的なコースレコードにして、レースレコードだった。手綱をとった松山弘平騎手は、スターアニスで勝った前週の桜花賞(GⅠ)に続いて2週連続のクラシック競走制覇となった。

 3着には中団からレースを進めた9番人気のライヒスアドラー(牡3歳/美浦・上原佑紀厩舎)が入り、4着には先行から粘り込んだアスクエジンバラ(牡3歳/栗東・福永祐一厩舎)が入着。5着には後方から最速の上がり(33秒4)で追い込んだフォルテアンジェロ(牡3歳/美浦・上原佑紀厩舎)が入り、ここまでの5頭が5月31日(日)に行なわれる日本ダービー(GⅠ、東京・芝2400m)への優先出走権を獲得した。
 
 一方、2番人気に推されたグリーンエナジー(牡3歳/栗東・上原佑紀厩舎)は追い込み切れず7着にとどまり、朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)の覇者である3番人気のカヴァレリッツォ(牡3歳/栗東・吉岡辰弥厩舎)は距離延長が堪えたか、3番手から直線でずるずると後退し、13着に大敗した。

 コースレコードが記録されるような究極の高速馬場で繰り広げられた一戦は、かなり極端なトラックバイアスが生じており、そのため道中の位置取りが結果を大きく左右した。

 確固たる逃げ馬が不在と見られ、どの馬がハナを切るのかが注目されるなか迎えたスタート。外の15番枠から内へ切り込みながら前を窺うリアライズシリウスが行くのかと思われたが、それを制して先頭を奪ったのは「正直、ハナに行くというのはあまり考えてはいなかったのですが、スタートが速かったですし、まわりの流れを見て逃げる形を取りました」(松山弘平騎手)というロブチェンだった。この思い切りの良さが功を奏した。先頭に立ったロブチェンは淀みのない流れを作り出し、1000mの通過が58秒9というやや速めのペースを刻みながらスパルタンな走りでレースを牽引。前めの位置取り、インコースが有利なトラックバイアスを読み切った、理想的なレース運びだった。

 後続も追撃に入りながら迎えた直線。リアライズシリウスに並びかけられたロブチェンは持ち前の強靭な末脚を発揮し、ライバルをねじ伏せると、ライヒスアドラーらの追撃も封じて驚愕のタイムでゴールを駆け抜けた。レース後、右後肢を落鉄していたことが分かったというが、それをものともしない圧巻の走りだった。
 「最後の直線は、一瞬前に出られそうになりましたが、もう一度差し返してくれて、しぶとく強い競馬をしてくれたと思います。最後の伸びはとてもいいものを持っていますし、今日のようなレコードで逃げ切って勝つようなスタミナも持っています。本当に自在性のある馬で、強いなと思います」と、松山騎手は相棒を称賛した。

 
 逃げ切りといっても、そのシチュエーションはさまざまだが、今回のロブチェンはスローに乗じたわけではなく、自らが作り出した厳しい流れで他馬を完封するという、極めて強い勝ち方だった。特にハナにこだわる馬ではなく自在性も持ち合わせているため、来る“二冠目”でも最上位に評価されるべき優駿であることは疑うべくもない。

 リアライズシリウスの、最後までロブチェンを苦しめたしぶとさは立派で、外の15番枠から前に位置を取るまでにいくらか脚を使っていることを考えれば走力は勝ち馬と遜色ない評価ができるだろう。

 3着のライヒスアドラーは前有利のトラックバイアスを跳ね返し、直線入り口で8番手という位置取りから0秒3差まで詰め寄った。そのタフな末脚は認めつつも、気になったのは道中で行きたがる素振りを見せていたことで、父が短距離寄りの種牡馬シスキンであるだけに、距離延長には若干の不安を残す。

 前めの5番手でうまく流れに乗って4着に好走したのが12番人気のアスクエジンバラで、キャリア7戦という経験値の高さが活きた印象。ただし、重賞2着2回、ホープフルステークス3着という戦績が示すように、終いの切れ味が不足しているのは如何ともしがたい。勝ち切るにはもう一段上のギアが必要になってくるだろう。

 ホープフルステークス2着という実績を持ちながら10番人気に甘んじていたフォルテアンジェロは、出走馬のなかで最速の上がり(33秒4)を記録し、直線13番手から5着まで追い上げた。鞍上の荻野極騎手が「スタートの出遅れがすべて」と言っているように、後方からの競馬を強いられた時点で勝ち負けに加わるのは初めから無理筋だった。それでもこの強靭な末脚は出色の鋭さで、父が菊花賞(GⅠ)、天皇賞(春)(GⅠ)2連覇のフィエールマンということを考えれば、距離延長は持って来いの舞台だと言える。日本ダービーでは大いに注目すべき1頭となるはずだ。

 グリーンエナジーはゲートを出たあとのダッシュが鈍く、後方13~14番手からの追走になったため、この馬場では勝負にならなかった。その点は酌量の余地があるものの、後ろから来たフォルテアンジェロに先着されたのはいただけない。直線で内へささっていたことも影響したのであろうが、5番人気のマテンロウゲイル(牡3歳/栗東・野中賢二厩舎)が10着に敗れたのを見ると、京成杯(GⅢ)組の評価が高すぎたのかもしれない。

 ローテーション面での誤算により東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅡ)から約5か月ぶりの実戦となったパントルナイーフ(牡3歳/美浦・木村哲也厩舎)は14着。中団の後ろめから進んだが、第3コーナーあたりからバテた馬を避けるために位置取りを下げざるを得なかったのは痛かった。馬体の良さはやはり一級品で、ここでひと叩きされての上昇に注目していきたい。
<了>

取材・文●三好達彦

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配信元: THE DIGEST

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