
【北中米W杯出場国紹介|第37回:コロンビア】不動の10番ハメスが統率。各ポジションで複数の選択肢を持つ層の厚さも売り
南米屈指のタレント力と組織力を兼ね備えた存在として注目されるコロンビア。ワールドカップでは過去6大会に出場し、今回が7大会目。最高成績は2018年ロシア大会でのベスト8だが、初戦で日本に敗れたところからの巻き返しは見事だった。
今大会のコロンビアはロシア大会を経験したベテランをベースに、この8年間で伸びてきた世代が融合した構成に。若手の割合が少ないのは気になるところだが、個性と組織のチームバランスは良い。
攻撃の軸となるのはキャプテンのハメス・ロドリゲス(ミネソタ)。2014年、18年のW杯を経験してきた司令塔は、依然として不動の10番としてチームを統率する。卓越した左足のキック精度と広い視野を武器に、試合のテンポを操りながら決定機を生み出す。
そのハメスと並ぶ攻撃のキーマンがルイス・ディアス(バイエルン)。ブンデスリーガやチャンピオンズリーグでの活躍を見聞きしているファンも多いはずだが、左サイドからの鋭いドリブルと突破力で局面を打開し、ゴールやアシストに直結するプレーを連発する。相手の守備陣にとって最も警戒すべき存在だ。
右サイドではジョン・アリアス(パルメイラス)が主翼を担い、スピードと運動量で攻撃に厚みを加える。さらに、卓越したボディバランスでボールを運ぶアンドレス・ゴメス(ヴァスコ)、創造性豊かなプレーで違いを生み出すファン・キンテーロ(リーベル)といった個性的なアタッカーも揃う。
最前線は、ポルトガルリーグの得点ランキングでトップを走るルイス・スアレス(スポルティング)がファーストチョイスとなる。かつての大エースだったファルカオ・ガルシアを彷彿とさせる“ザ・ストライカー”で、動き出しとシュート精度に優れ、限られたチャンスを確実に仕留めるフィニッシュワークが魅力だ。
一方で、フィジカルの強さと推進力を備えたジョン・コルドバ(クラスノダール)が控えており、試合展開に応じた起用が可能となっている。
中盤では守備と配球の両面で安定感をもたらすリチャルド・リオス(ベンフィカ)とジェフェルソン・レルマ(クリスタル・パレス)が、守備のフィルターと攻撃のビルドアップ、両面で重要な役割を担う。
球際の強さで相手の攻撃を寸断しつつ、シンプルかつ効果的な配球で前線のタレントを前向きにプレーさせる。この2人の存在が攻守のバランスを支えるが、22歳のグスタボ・プエルタ(ラシン・サンタンデール)の台頭も見逃せない。
ディフェンスラインにはロシアW杯組でもある経験豊富なダビンソン・サンチェス(ガラタサライ)とセリエAの名門で奮闘するファン・カバル(ユベントス)が並ぶ。対人守備の強さと広いカバーリング能力を備え、最終ラインの安定感を担保するだけでなく、ビルドアップの起点としても機能する点が特長だ。
ゴールキーパーはアルバロ・モンテーロ(ベレス)とカミーロ・バルガス(アトラス)がポジションを争うが、大ベテランのダビド・オスピナ(A・ナシオナル)が大舞台で起用される可能性もある。
チームを率いるのは、アルゼンチン出身のネストル・ロレンソ監督。2022年7月の就任以降、地道にチームを構築し、24年のコパ・アメリカでは準優勝に導いた。落ち着いた振る舞いと的確な選手起用に定評があり、試合運びの安定感をもたらしている。
現代サッカーの強度に向き合いながらも、ハメスやキンテーロなど、クラシカルな香りを残すタレントを排除することなく、しっかりと組み込む哲学と手腕はコロンビア代表の監督に相応しい。
南米予選は3位で本大会出場を決めたが、スタメンの固定化や平均年齢の高さは懸念材料でもある。それでも、各ポジションで複数の選択肢を持つ層の厚さは強みであり、短期決戦では主力のコンディション維持が結果を左右するだろう。
グループステージではポルトガル、DRコンゴ、ウズベキスタンと同組に入った。実績や戦力を踏まえれば突破は現実的だが、序盤の試合で取りこぼしを避けることが重要となる。
メキシコ開催の試合では環境に慣れている選手も多く、ウズベキスタンとDRコンゴから確実に勝点を積み上げ、大一番となるアトランタでのポルトガル戦に臨みたい。
文●河治良幸
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