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2031年の男子バスケW杯の開催地がフランスに決定!実現に至るまでの背景にあった、ウェンバンヤマの“熱い母国愛”<DUNKSHOOT>

2031年の男子バスケW杯の開催地がフランスに決定!実現に至るまでの背景にあった、ウェンバンヤマの“熱い母国愛”<DUNKSHOOT>

4月22日、ドイツのベルリンで行なわれたFIBA(国際バスケットボール連盟)の理事会で、2031年の男子ワールドカップがフランスで、そして2030年の女子ワールドカップが日本で開催されることが発表された。

 男子大会がヨーロッパの地で開催されるのは、2014年のスペイン大会以来。2019年は中国、2023年の前回大会はフィリピン、インドネシア、日本の共催、来年行なわれる大会はカタールが舞台と、直近の3大会はアジア・中東が開催地となっている。

 発表の翌日に開催されたフランスバスケットボール連盟(FFBB)によるオンライン会見の席で、ジャン・ピエール・ハンクラー会長が語ったところによれば、22日の理事会までに11か国が立候補の意思表明を提出していた。ただそのなかで、理事会当日に具体案をまとめてプレゼンテーションをしたのはフランスのみだった。

 そこでアリーナ等のインフラ設備、近隣の欧州諸国はもちろん、アメリカやアフリカ大陸などからもアクセスできる集客力、2024年のパリ五輪に代表される国際大会の開催実績が評価されたこと、さらには欧州で2014年以来開催されていなかった点も考慮され、即日、決定に至った。
  そうした運営能力に加えて、このプレゼンテーションに大きな影響力を発揮したのは、フランスが誇る2人のビッグスター、トニー・パーカーとヴィクター・ウェンバンヤマの存在だった。

 会長曰く、パーカーはフランスバスケ界のアンバサダー役として、立候補の準備段階から多大な尽力をしてきたとのこと。ウェンバンヤマについては、会長自らが昨年12月にアメリカを訪問して、このワールドカップ誘致プロジェクトへの協力を要請した。

 これにウェンバンヤマは快諾し、“自国の連盟を100%支持している”、“国際連盟についても全面的に支持している”、“この大会を通じて、フランスと世界のバスケットボール界がさらに大きく成長できるよう、このプロジェクトに100%の情熱を注ぐ”という思いを込めた素晴らしい内容のビデオメッセージを作成した。 ウェンバンヤマという、世界のバスケ界に影響力のある現役プレーヤーの存在が、フランスが開催国誘致に成功した理由の一端であり、プレゼンテーションで上映された彼のビデオは、理事会メンバーからも非常に高く評価されたと会長は力説した。

 そもそもこの2031年は、ウェンバンヤマが27歳と選手として脂の乗った時期にあたる。加えて、彼と同期のビラル・クリバリー(ワシントン・ウィザーズ)や、ザカリー・リザシェイ(アトランタ・ホークス)とアレックス・サー(ワシントン・ウィザーズ)は26歳と、NBAドラフトで2年連続ドラ1を輩出したフランスの黄金世代が絶頂期を迎えるタイミングでもある。

 フランスがこの2031年大会の開催を目指したのは、それが一番の理由であり「当然狙っているのは優勝。最低でもベスト4」と、ハンクラー会長は意欲的な目標を明言した。

 現時点で決定している具体的な事項は、開催期日が2031年8月29日~9月14日であること。32チームが出場し、会場はパリ、リヨン、リールの3都市で行なわれる。
  リヨンはパーカー率いるアスヴェルのお膝元。彼らの本拠地であるLDCアリーナ(約1万2000席)を使用する。

 リールは、パリ五輪のバスケの会場ともなったリールのスタッド・ピエール・モーロワ。ここは普段サッカーで使用されているスタジアムだが、2015年のユーロバスケットでも決勝戦の地になるなど、一歩中に入ればサッカースタジアムとは気づかないほどバスケ仕様への変換が可能だ。さらにはパリ五輪で、フランス対日本の激闘の舞台になったのもこの会場だった。

 パリでは、NBAヨーロッパも開催されている老舗の屋内施設アコー・アリーナ、パリ五輪用に新築され、現在はパリ・バスケットボールの本拠地となっているアディダス・アリーナ、そして、普段はラグビーのプロリーグなども行なわれているデファンス・アリーナが決勝ラウンドの地となる。このデファンス・アリーナは、3万5000人が収容可能だ。

 ウェンビーの出身クラブであるナンテール92が、今年2月のモナコ戦を同会場で開催したところ、1万7487人と、フランスのプロリーグ歴代最多集客数を記録した。
  パリの3つのアリーナは、いずれも駅に近くアクセスは抜群。リヨンはフランス第2の都市、リールはイギリスやベルギーとも鉄道でつながり国際会議の拠点であるから、両都市とも宿泊施設は十分にある。また、パリからリヨンはTGV(高速鉄道)で約2時間、リールに至っては約1時間と、試合の時間次第ではパリを拠点に日帰りも可能だ。

 ここ最近のFIBAの国際大会は、運営費の負担削減やサポーター層を広げる目的で、多国間での共催が主流となっている。ユーロバスケットは2015年大会以降は毎回4か国の共催であり、前回のワールドカップも先述のように3か国の共同開催だった。

 ゆえに欧州での単独大会は、実に17年ぶりとなる。

 その2014年のスペイン大会は、パウ&マルクのガソル兄弟、フアン・カルロス・ナバーロ、ホセ・カルデロン、セルヒオ・ロドリゲスら、2006年の日本大会に優勝した黄金世代が最後の頂点獲りに挑んだ大会だったが、準々決勝でフランスが彼らの行く手を阻んだ。
  次のフランス大会で、はたして彼らのホスト国優勝は実現するのか。

 NBAのプレーオフ・ファーストラウンド第2戦で脳震盪を起こし、プロトコルにより次戦に第3戦は欠場したウェンバンヤマだが、復帰した第4戦では27得点に12リバウンド、3アシスト、4スティールに7ブロックと攻守で大暴れ。

 彼のバスケ界への影響力は、今やNBAだけでなく、全世界規模に及んでいる。「勝ち取れるものはすべて手に入れたい」と語る貪欲なウェンビーなら、どんなことでも実現してしまいそうだ。

 6年後の話とはいえ、このワールドカップ開催地決定で、フランスのバスケ界は一層沸き立っている。ウェンビーが出場するかも含め、この夏に行なわれる来年のワールドカップ予選も、これまで以上に盛り上がりを見せそうだ。

文●小川由紀子

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配信元: THE DIGEST

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