セリエAの2025-26シーズンも残り4試合。首位を独走するインテル(勝点79)は、34節でトリノと引き分け(2-2)に終わったとはいえ、2位ナポリ(同69)に10ポイント差をつけており、2年ぶり21回目のスクデットは時間の問題。興味の関心は欧州カップ戦(とりわけチャンピオンズリーグ=CL)出場権、そして残留争いへと移っている。
そのCL出場権争いでは、ナポリに加えて3位ミラン(同67)も、5位まで6ポイント差とほぼ安全圏に入っている。したがって、注目されるのは、勝点64のユベントス、同61のコモ、ローマという3チームによる4位争い、ということになる。
ひとことで言えば、ユベントスが4位を守るか、コモ、ローマのどちらかが差し切るかが、唯一最大の焦点だ。コモ、ローマが残り4試合を全勝しても勝点は73止まりなので、ユベントスが残り4試合を3勝1分けで乗り切れば、勝点74で4位が確定する計算になる。
かつては勝点で並べばプレーオフで順位を決定していたセリエAだが、昨今の過密日程でそれが不可能になってからは、勝点で並んだ場合には、①直接対決の勝点、②直接対決の得失点差、③総得失点差、④総得点、⑤抽選、という順番で順位が決まるルールとなっている。
残り4試合の対戦相手は以下の通り(H=ホーム、A=アウェー)。
4位 ユベントス 勝点64(Hヴェローナ、Aレッチェ、Hフィオレンティーナ、Aトリノ)
5位 コモ 勝点61 (Hナポリ、Aヴェローナ、Hパルマ、Aクレモネーゼ)
6位 ローマ 勝点61 (Hフィオレンティーナ、Aパルマ、Hラツィオ、Aヴェローナ)
難易度に注目すれば、最も有利なのはユベントスだ。上位10チームとの対戦は残っておらず、対戦相手4チームの平均順位は16.0で最も低い。ただし、残留争いの真っ只中にいるレッチェ、最終節のトリノダービーというアウェー2試合は油断禁物だ。もしそこで取りこぼして、例えば2勝2分けで終わることになれば、勝点は72止まり。コモとローマのどちらかが4連勝すれば勝点73に到達するので、逆転を許すことになる。
直接対決に関して言えば、ローマに対しては優位だがコモには不利。したがって、ユベントスにとって最も危険なのはコモに追いつかれることだ。残り4試合を2勝1分け1敗(勝点71)だと、コモが3勝1分けで並んだ場合に順位が逆転することになる。
そのコモは、次節のナポリ戦が最大の難所。ここでもし勝点3を挙げることができれば、残り3試合が下位との対戦だけに、ユベントスに大きなプレッシャーをかけることが可能になる。逆に引き分け以下に終わってユベントスとの勝点差がさらに開くようなことになれば、その時点でCL出場権争いはほぼ終戦。ヨーロッパリーグ(EL)出場権をかけたローマとの5位争いに焦点が移ることになるだろう。
コモにとって有利なのは、ユベントス、ローマのどちらに対しても直接対決で上回っていること。したがって、もしナポリに勝てば、ライバルに大きなプレッシャーをかけることが可能になる。その勢いで残り2試合、さらには最終節まで4位の可能性を残すというのが、この争いが最もスリリングな展開になるシナリオだろう。
そのコモと勝点で並ぶローマは、やはり最終節の1つ前に組まれたラツィオとのローマダービーが最大の山場になるだろう。仮にその前の2試合で連勝していたとしても、それが逆にこの試合へのプレッシャーをさらに高める方向に働くことは避けられない。その時点で他2チームの勝点状況がどうなっているかにもよるが、ダービーがシーズンの行方を決定的に左右する一戦となる可能性も小さくない。
ただしローマはユベントス、コモの双方に直接対決で下回っているため、4連勝で勝点72に到達しない限り、4位到達は難しい。もし、ローマダービーを迎えた段階でまだ4位の可能性が残っていれば、空気は一気に過熱することになるだろう。
まとめれば、ユベントスが残り4試合で3勝1分けなら勝点74で4位確定。3勝1敗でも勝点73で、コモが4連勝して並ばない限りCL出場権は確保できることになる。まずは次節のコモ対ナポリが注目、である。
文●片野道郎
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