アメリカ、イスラエルのイラン攻撃による中東情勢の悪化に伴い、4月に開催予定だった第4戦バーレーン・グランプリと第5戦サウジアラビアGPが中止されたことで約1か月のインターバルに入っていた2026年のF1だが、今週末のマイアミGPで再開を迎える。
この中断期間、各チームは序盤の3レースから見えてきた問題の改善に取り組んできたが、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、それでも「全てのチームにラップタイムを失う弱点が存在する」と指摘し、それらをチームごとに紹介している。
まず上位勢では、メルセデスが3戦全てを制して独走態勢を築こうとしているものの、同メディアは「彼らの強みはクリーンエア下でこそ最大化されるものであり、他車と争う状況では損なわれる」と指摘。「序盤、とりわけスタート直後において、メルセデスが先頭に立つことは決して当然ではなかった」とし、混戦時のエネルギー展開に課題を抱えていると分析している。
序盤はメルセデスの対抗馬としての位置づけで、抜群のスタートの良さでレースリーダーに躍り出る場面も多く見られたフェラーリについては、「パワーユニット(PU)の性能不足が致命的」。「コーナリング性能では最高のマシンのひとつだが、V6エンジンで約20馬力の差があると見られており、パワー不足を補うためにバッテリーエネルギーの消費も早くなる」として、「オーストラリアと中国では、リードしながらも最終的にはメルセデスに後れを取った」と綴った。
低調なスタートを切った王者マクラーレンは一時、PUの活用面で遅れを取るも、その差を急速に縮めてきた。ところが、それによって新たな課題が露呈したということで、記事ではチーム代表の「我々は空力効率、とりわけダウンフォースを改善する必要がある」とのコメントを紹介。それは根本的な欠陥ではないものの、「わずかにタイムを失っている」という。
一方、マックス・フェルスタッペンの能力をもってしても苦戦を免れない状況に陥っているレッドブル。「最大の懸念は、このマシンが時に運転不能になることだ」と深刻な状況が指摘され、「中速コーナーでのアンダーステアが主要因で、セットアップ変更でも問題が解決せず、ドライバーの信頼感が損なわれている」。チーム首脳も「マシンのバランスと特性に頭を悩ませ始めている」と認めるなど、苦境は続きそうだ。
中団勢に目を向けると、ハースは決勝での安定感とは対照的に予選で苦戦。「単発の速さでは8番手に止まり、予選(スプリント予選含む)Q3進出は8回中2回のみ」とされ、「プッシュラップでのエネルギー展開の最適化が難しい」ことが課題とされる。
続いてアルピーヌは着実にポイントを重ねる一方、「高速域でのアンダーステアに悩まされている」と分析され、「修正不可能な問題ではないが、多くの細かな調整が必要」との見方が示された。レーシングブルズは、マシンの扱いにくさが弱点だ。「非常に限界が狭く、少しでもやり過ぎるとミスにつながる」とされ、特に予選での難しさが指摘されている。
このように各チームがそれぞれの問題を抱えているわけだが、最も大きな課題を抱える存在として挙げられているのが、当然と言うべきか、ここまで完走することすら大きな困難を伴う状況にあるアストンマーティンだ。
同メディアは、「ホンダのPUが約2秒の遅れの主因」と指摘しつつも、それだけに止まらない複合的な問題の存在を強調。まずPUについては、「V6エンジンの出力不足に加え、エネルギー回生効率にも苦しんでいる」とし、「信頼性の問題が解決されたとしても、パフォーマンスそのものが不足している」と厳しい評価を下している。
さらに、設計責任者エイドリアン・ニューウェイの要求によるパッケージングの影響にも言及し、「PUの短縮化に伴い、周辺部品の再設計が必要となり、統合面での難しさが増している」と分析。加えて、「振動によるバッテリー損傷」の改善が優先課題とされるなど、問題は多岐にわたる。
ニューウェイ自身も、「内燃機関の出力が不足すれば、その分を電力で補う必要がある」と語るように、弱点は連鎖的にパフォーマンスへ影響を及ぼしている。シャシーについては、「空力的には中団トップを狙える」との評価もあるが、「PUの制約が解消されない限り、それを証明する術はない」と結論づけられている。
構成●THE DIGEST編集部
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