ボクシングファン待望の一戦を、リング外からの論争が直撃している。
5月2日に東京ドームで行われる「NTTドコモ presents Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ 井上尚弥VS中谷潤人」。テレビ放送はなくLeminoでの単独配信であり、ネット観戦する場合、視聴チケットは事前購入が6050円、当日購入が7150円となっている。
ここで出現するのが「家で見るだけで7000円超えはキツイ」といった声だ。
井上の試合としては、昨年12月に行われたアラン・ピカソ戦に続くPPV(ペイパービュー)の導入。同じくLeminoの配信だが、今回の中谷と戦は1000円以上の値上げとなった。
スポーツジャーナリストが語る。
「確かに日本の感覚では、7000円超えは高い。ただ、海外の格闘技ビジネスを見れば、決して異常な金額ではありません。アメリカではボクシングのビッグマッチやUFCのPPVが70ドル、80ドル近くになることは珍しくありません。日本円にすれば1万円前後です。この日は井上と中谷という無敗同士の日本人頂上決戦に加え、井上拓真VS井岡一翔なども組まれている。カード全体の豪華さを考えれば、海外基準ではむしろ普通の価格帯でしょう」
「お金を払っても見たい」と思わせる選手はどれだけいるか
問題なのは、日本のファンの受け止め方だ。日本では「スポーツはテレビで無料観戦」という感覚が根強く、PPV文化がまだ定着していない。そこに7000円台の値付けが飛び込んできたことで、割高感だけが先に立っているのだ。
「今後、ボクシングのビッグマッチはPPVが主流になるでしょう。選手に大きな報酬を還元し、興行を巨大化させるには避けられない流れです。ただ、井上と中谷のほかに『お金を払っても見たい』とボクシングファンに思わせる日本人選手が存在するかどうかは別の話。当面の間、今回の価格を超えて設定されることはないのでは」(前出・スポーツジャーナリスト)
どれほどの人が有料ナマ配信に納得し、視聴に至るのか。試合結果とともに、大きな関心事なのである。
(川瀬大輔)

