首位攻防戦となった4月28日の神宮球場での一戦は、2位・ヤクルトが阪神を下し、首位が入れ替わる結果となった。
スコアは10-5。阪神は今季2度目の2ケタ失点となったが、2回から打者一巡の猛攻を浴び、序盤から大きなビハインドを背負う苦戦を強いられた。失策がそのまま失点に繋がった形だが、不動の1番・近本光司が左手首骨折を負い、長期離脱は避けられない。
勝った側のヤクルトには、注目すべき点があった。「3番・二塁」でスタメン起用された内山壮真だ。内山はオープン戦で負傷し、この日に1軍登録されたばかりだった。
「池山隆寛監督はキャンプ中から、内山に二塁を練習させてきました。内山は高校時代から内野守備に就くことはありましたが、元々は捕手。プロ入り後、捕手では出場機会に恵まれず、野手として出場することがありました」(スポーツ紙記者)
内外野を兼務するのは、その打撃力を生かすためだ。今季は「内野手」として登録されており、二塁手・内山は池山構想の大きなプランだった。正二塁手のベテラン・山田哲人が欠場しても攻撃力を大きく落とさないためだったが、その山田と内山の両方を欠いてペナントレースを迎えてしまったのだ。
ケガが癒えても「2軍首脳陣からの推薦がなければダメ」の徹底方針
ここで気になったのは、内山の1軍昇格までの「時間」だ。内山はファーム戦で80打席に立っていた。これまでのヤクルトであれば、ケガが癒え、試合に出られるようになったら即1軍といったケースが考えられた。ところが、
「池山監督は2軍首脳陣からの昇格推薦がなければ…という方針でした。チームが好調なので、その方針を貫くことができたと言えますが」(前出・スポーツ紙記者)
ヤクルトは前カードの中日3連戦に負け越し、「そろそろメッキが…」の声が出始めていた。池山監督が焦って内山の昇格を前倒ししていたら、「故障明けではなく、2軍戦で結果を出してから」の方針に、選手たちは疑いの目を向けていただろう。
ちなみにだが、山田はまだ2軍戦にすら出ていない。次は山田の番だが、その1軍復帰の仕方を間違わなければ、ヤクルトは最後まで優勝争いを続けるのではないだろうか。
(飯山満/スポーツライター)

