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與真司郎が示す“俺の在り方”――カミングアウトを経て、自身の経験と思いを詰め込んだ3rdアルバムとZeppツアーへの情熱

與真司郎が示す“俺の在り方”――カミングアウトを経て、自身の経験と思いを詰め込んだ3rdアルバムとZeppツアーへの情熱

與真司郎にインタビュー
與真司郎にインタビュー / 撮影:永田正雄

SHINJIRO ATAEの3rdアルバム『THIS IS HOW I AM』が4月22日にリリースされた。活動休止期間を経て、2023年7月に自身がゲイであることをカミングアウトした與真司郎(AAA)。その後、再びアーティストとして始動し、ついにリリースすることになったアルバムは、全曲でプロデュース・作詞・作曲に参加し、自身の経験と思いを詰め込み、タイトル通り“これが俺の在り方”と示す作品に。リリース直後には約5年ぶり、アーティスト活動再開後初のライブツアーとして愛知、大阪、福岡、東京を回るZeppツアーを開催している。ライブが始まる前に、ニューアルバム、そして全国4カ所を巡るツアー向けて心境、意気込みなどを語ってもらった。

■「“今”をもっと楽しもうという気持ち」が反映されたアルバム

――前回のインタビュー(2025年9月)の時に、「アルバムの曲は出そろっている」と話されていました。

その時は、リリースまで半年くらいあったので「まだまだ先だな」なんて思っていたのですが、時が過ぎるのが早くて(笑)。アルバムの準備とか、他にもいろんな活動をしていたらあっという間に春になっていました。

僕も30代後半になりましたけど、昔から先輩方がよく言ってました。「年を取るのは早いよ」とか「だんだん時間の流れが早く感じるようになるよ」とか。そういうのを実感しています。実感しているからこそ、“今”をもっともっと楽しもうという気持ちにもなっています。

――その気持ちが今回のアルバムにもしっかりと反映されていますよね。タイトルでもそれを示しています。

“これが俺の在り方”という意味なんですけど、作詞や作曲を含めた制作全般に関わっていますし、相当自分らしく曲が書けたので、これは自分にとっても大きかったと思います。
與真司郎
與真司郎 / 撮影:永田正雄


■全曲の制作に深く関わり、伝えたいことを形にしたプロセス

――與さんの思いや考えが随所に盛り込まれていて、すごくメッセージ性のある曲が並んでいるという印象を受けました。

全て自分の経験談や自分が思っていることを素直に書いています。最初にコンセプトを決めて、自分がプロデューサーとして立って、ソングライターのみんなと音を詰めていって、メロディーを考えて、歌詞を作って…という作業というかプロセスを経て、一曲一曲を作り上げていったので、ちょっと時間はかかってしまったんですけど、全曲やりがいがあったし、本当に自分が伝えたいことをそれぞれの曲で伝えられている気がしています。

――これまでと比べても、與さん自身が関わった部分がかなり多くなっていると。

ここまでちゃんと制作に関われたのも初めてでしたし、逆に自分が動かないと何も進められないし曲が作れなかったりするので、すごくいい経験になりました。

與真司郎
與真司郎 / 撮影:永田正雄

■『THIS IS WHO I AM』から『THIS IS HOW I AM』へ

――改めて聞きますが、タイトルを『THIS IS HOW I AM』にしようと思った理由は?

カミングアウトを経ていろんなことを体験し、人生経験も積んでこられたので、そういうのを込めたタイトルがいいなと思って、“これが俺の在り方”という意味の『THIS IS HOW I AM』にしました。今できる100%がこのアルバムに詰まっています。

――ファーストアルバムのタイトルが『THIS IS WHO I AM』だったので、つながりが感じられるタイトルなのはファンの人たちもうれしいんじゃないですかね。

だといいなって思います(笑)。

――4月15日に、CD発売に先駆けて配信リリースされました。すでにリリースされていた曲はありますが、曲順通りに聴いてみると、既発曲もまた違う印象が感じられたり、アルバム全体のカラーやストーリーが感じられました。

それがアルバムのいいところですよね。曲順も自分で決めました。どんなふうにして決めたのかはもう覚えてないんですけど(笑)、いろいろ並べてみたりはして、大まかな流れ(曲順)は早めに決まった感じでした。あとは、聴いてみて、いくつか入れ替えたりして曲順を確定しました。
與真司郎
與真司郎 / 撮影:永田正雄


■「メンタルヘルスアルバム」として聴く人の背中を押したい

――楽曲のタイプが豊富でジャンルの枠を越えているので、並べ方によってアルバム全体の印象も変わりますよね。

まさにその通りだなって思いました。小さい頃からなんですけど、本当にいろんな曲を聴いていて、朝起きた瞬間から音楽を聴いている感じなんですけど。特に最近というかここ数年は世界を回って、いろんな国のカルチャーに触れて、その国の音楽を聴いてインスピレーションをすごく受けたりしているので、好きな曲が増えましたし、好きな音楽ジャンルもどんどん広がっています。それが自然と自分が作る曲にも反映されていってるんだと思うんです。

――曲それぞれに個性を感じますが、作る時にどういうことを意識しましたか?

全体的にこういうふうにしたいというよりも、やりたいこと、好きなものをどんどん曲にしていったという感じなんですよね。あとは、聴いてくれる人たち、ファンの人たちが僕の作った曲をきっかけに、前向きに人生を送ってくれたらいいなと思っています。なので、前向きな曲が多いですね。もちろん、失恋ソングや「My Truth」のような裏切られた時の気持ちを歌った曲もありますけど、基本は明るめの曲調で、聴いたら「また人生、頑張ろうかな」って思える曲が多いので、メンタルヘルスアルバムになってたらいいなと思います。

與真司郎
與真司郎 / 撮影:永田正雄

■5年ぶりのツアー「自分らしく生きていい」という自信

――アルバムのリリース直後、4月26日からツアーも始まります。

約5年ぶりのフルツアーなんですよね。もう5年もたったんだなって、ここでも時の流れの早さを感じています(笑)。ツアーもそうですし、アルバムのリリースもそうなんですけど、また自分がやれるとは思っていなかった時期もあったので、今はすごく感謝しています。つらい時期もあったけど、ファンのみんなが応援してくれて、それを乗り越えられたので、アルバムが出せること、ツアーができることへのありがたみを以前よりも感じています。ツアーは、来てくれる人がいないと自分たちはステージに立てないので、恩返しではないですけど、楽曲とパフォーマンスに感謝の気持ちを込めて届けたいなと思っています。

現時点でもリハが進んでいて、だいぶ形が見えてきました。やっぱり5年前のツアーとは違う自分が見せられると思いますし、“違う自分”というか、より自分らしく表現できるという感じかなと思うんです。昔より自信があって、それはナルシストになっているとかじゃないんですけど、“自分らしく生きていいんだ”っていう気持ちを強く持てるようになったからだと思うんです。

昔は、人と比べたりして、そういうところで悩んだり苦労したりしたので、それがなくなったことでパフォーマンスも変わりましたし、感情を100%伝えられる自分が今いるんじゃないかと思うので、いい意味で、ツアー初日に向けてドキドキしています(笑)。
與真司郎
與真司郎 / 撮影:永田正雄


■初のバンド編成とライブハウスならではの距離感

――アルバムの曲順を決めるのと同様に、ライブのセットリストを考えるのも楽しい作業なのでは?

そうですね。新しいアルバムの曲は全部やる予定ですけど、そこに昔の曲も入ってくるので、どんなふうに伝えられるのか、どんなふうに受け取ってもらえるのか楽しみです。新しい試みとしては、フルライブツアーで初めてバンドが入るんです。リハをやっていても思うんですけど、バンドさんの力ってすごいですね。歌っていてすごく心地いいなって。それと、後ろにいてくれる心強さ、安心感があって、それも歌いやすい理由かなって思うんです。

僕はAAAで始まったので、誰かと一緒にやることにすごく慣れてますし、そっちの方が心地いいんです。なので、バックにバンドさんがいたり、ダンサーの方が横にいてくれることで、よりいいパフォーマンスができそうだなって思っています。基本グループなので、僕は。

ソロでの活動を始めた頃は、“一人というのもいいな”って思ったこともあったんですけど、最近は“やっぱり一人は嫌かも”って思ったりしています(笑)。どちらも経験できたからこそ両方の良さ、ありがたみがあるなって感じています。

――今回、会場がライブハウスですが、いろんな会場を経験してきている與さんはライブハウスの良さもよく分かってるとは思います。

そうですね。アリーナとかドームとか大きな会場でもライブをやらせてもらって、そういうところの楽しさも知っていますけど、ライブハウスもめちゃめちゃ楽しいんですよ。“距離感”がいいんですよね。僕の熱もみんなに伝わりやすいだろうし、ファンの皆さんの熱もしっかりと感じられる。ファンの皆さんが盛り上がってくれれば、僕も盛り上がる。その熱や熱量をお互いに交換する感覚がすごく好きです。4カ所だけなので、毎公演全力でどの会場に来てくれても満足してもらえるようなステージにします。
與真司郎
與真司郎 / 撮影:永田正雄


■表に出て「伝える人」であり続けたい

――アルバムのリリースがあって、ツアーがあって、また次につながっていくと思いますが、今後はどんなことをやっていこうと思っていますか?

アルバム制作、そしてアルバムのリリース、そしてツアー。これで一つのサイクルだと思っています。具体的に“こういうことをやります”というのは今のところ決めていませんが、歌もそうだし、言葉でもそうだし、ダンスかもしれないし、何でもいいので表に出て伝える人でい続けたいなとは思っています。

――海外を回ったりは?

ファンのみんなから「日本にいてよ」って言われるんです。でも、やっぱり海外は捨てられないんですよね。もちろん日本も大好きです。最近なんて、海外の国を回れば回るだけ、日本がどれだけ素晴らしい国なのかを感じます。その時の気分で、海外に行きたいと思ったら行くと思いますが、僕はファンのみんなと会うと元気になれるので、会う機会も今後いろいろ作れたらなと思っています。

◆取材・文=田中隆信

與真司郎
與真司郎 / 撮影:永田正雄

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