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“流浪のPG”が大一番で殊勲の働き。キャブズを救ったシュルーダーの経験値を選手、指揮官が絶賛「本当に大きい」<DUNKSHOOT>

“流浪のPG”が大一番で殊勲の働き。キャブズを救ったシュルーダーの経験値を選手、指揮官が絶賛「本当に大きい」<DUNKSHOOT>

現地時間4月29日にロケット・アリーナで行なわれたトロント・ラプターズとクリーブランド・キャバリアーズによるプレーオフ1回戦第5戦は、ホームのキャブズが125-120で勝利。3勝2敗とカンファレンス準決勝進出に王手をかけた。

 試合は第2クォーターにリードを奪ったラプターズが、74-67と7点リードで前半を終了。しかし、後半に入ってキャブズが挽回。3点ビハインドで迎えた第4クォーターに試合をひっくり返し、貴重な勝利を手にした。

 キャブズの終盤戦の追い上げの旗手となったのは、控えガードのデニス・シュルーダーだった。

 32歳のベテランガードは、この日あげた19得点のうち、最終クォーターだけで11点をマーク。トップ・オブ・ザ・キーからの3ポイントなど要所でビッグショットを沈めただけでなく、的確なアシストでエバン・モーブリーの3ポイントを生み出したりと、エネルギッシュなプレーでゲームの流れを引き寄せた。
  シュルーダーは今年2月、3チーム間トレードでサクラメント・キングスからキャブズに加入。その後ジェームズ・ハーデンの加入もあり、3試合を除いてベンチスタートとなり、平均21.4分の出場で、8.2点、4.3アシストにとどまった。このプレーオフでも、最初の4試合の合計出場時間が44分で計18得点と、見せ場は多くなかった。

 それが、この第5戦の第4クォーターはハーデンと並んで12分間フル出場。重要な一戦の山場で大仕事を託したことについてケニー・アトキンソンHC(ヘッドコーチ)は、「彼はNBAでも国際大会でも、このようなビッグマッチを数多く経験している。こうした試合には打ってつけの男だ。デニスのボールハンドリングのおかげで、ジェームズやドン(ドノバン・ミッチェル)へのプレッシャーを軽くすることができた」と称賛した。

 シュルーダーは今季で13シーズン目と、キャブズではハーデン(17年目)に次ぐキャリアを誇る。渡り歩いた球団も数多く、現チームで11球団目。また現在、W杯、ユーロバスケットともにディフェンディング王者に君臨しているドイツ代表でも、大エースとしてチームを率いて数々の修羅場を潜り抜けてきた。「ビッグマッチは好きだし、プレーオフも大好きだ。どの選手も、こうした瞬間のために日頃から努力を重ねている。大切なのは状況を受け入れること。自分はこれまで多くの大舞台を経験してきた。

 もちろん経験は重要だが、最終的には緊迫感とエネルギーがあるかだ。それがなければ経験があっても意味がない。毎ポゼッション全力で挑む。それが第3、第4クォーターでできたから、自分たちは勝てたんだ」

 そう手応えを語ったシュルーダー。7点ビハインドで迎えたハーフタイムには、チームメイトに対し、熱弁を振るったという。

「これは第5戦で、絶対に勝たないといけない試合だった。相手は2連勝の勢いのままこの試合に入ってきていた。俺たちはホームで戦っていたのに、本来のプレーができていなかった。だからチームに何か言う必要があると感じたんだ。『キャブズのバスケットを、自分たちのスタンダードでプレーしよう』とね」

 ミッチェルによれば、シュルーダーのスピーチは「2、3分はあった」という大演説だったらしいが、実際に後半はその言葉を体現する奮戦ぶりを見せ、試合後にはチームメイトから「あれって自分に言い聞かせてたんだな」、「自分を奮い立たせてたのか」といった声もあがったようだ。
 「なんだか面白かったよ」と茶化したミッチェルだが、「でも一番大きいのは、ああいうリーダーがいることなんだ。ああいう場面を経験してきた選手がいることで、チーム全体が冷静さを保てるというのは、本当に大きいことだ」とドイツ人ガードへの敬意も忘れなかった。

「特に第4クォーターでは彼がチームを引っ張ってくれた。19得点っていう数字だけを見るかもしれないけど、彼の本当の価値はディフェンスでの存在感なんだ。コートのあちこちにいて、常にプレッシャーをかけて相手をかき乱していた。そして相手がジェームズや自分にボールを持たせないよう厳しく守ってきた時には、その分しっかり相手に代償を払わせてくれたんだ」

 アトキンソンHCが試合後の会見で明かしたところによれば、最終クォーター、ラストの追い上げに備えようと休ませていたミッチェルをコートに戻そうとしたが、シュルーダーを中心に9-0のランを繰り広げていた仲間たちを見たミッチェルは「いや、今は彼らですごくよく回っている。だからこのままいったほうがいい」と制したという。

 利己的でないエース。そしてビッグマッチに強いバックアッパーの存在。ゲーム5でキャブズに勝利をもたらした好要素は、彼らを次のステップへと導くカギとなるだろうか。

 敵地に場所を移しての第6戦は、現地時間5月1日(日本時間2日)に行なわれる。

文●小川由紀子

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配信元: THE DIGEST

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