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三又又三の「社長、前借りいいですか?」〈恥をかけ〉

三又又三の「社長、前借りいいですか?」〈恥をかけ〉

 元気ですか〜!(猪木風)。還暦ブレイクを本気で狙っている三又又三(58)です。

 千葉県の不動産屋に勤めて3年になりますが、まだまだわからないことばかり。特に不動産用語とか、難しくて読めない漢字がたくさんあるんですよ。先日、お客様に市川市の物件の説明をしようと資料を見たら、所在地の欄に「欠真間」という地名があったんです。

 僕は何の迷いもなく、「ケツママ」と読みました。すると、そばにいた上司が、

「カケママですよ。カケママ。なんですか、ケツママって(笑)」

 とツッコミを入れて、他の社員やお客様も大爆笑。千葉の不動産屋が千葉の地名を読めないって大丈夫か? なんて心配されそうですが(笑)、そんな時、決まって猪木さんのこんな言葉が頭に浮かぶんです。

〈馬鹿になれ とことん馬鹿になれ 恥をかけ とことん恥をかけ かいてかいて恥かいて 裸になったら見えてくる 本当の自分が見えてくる 本当の自分も笑ってた それくらい馬鹿になれ〉(詩集「馬鹿になれ」より)

 もちろん勉強して漢字が読めるに越したことはない。でも、この時は「欠真間」を「ケツママ」と誤読して赤っ恥をかいたことで、もう一生忘れないわけですよ。

 10年ほど前に、僕がR-1ぐらんぷりに出場した時のこと。準決勝を前に、千原ジュニアや後輩芸人たちと出雲大社へお参りに出かけたんです。絵馬にしっかりと「R-1優勝」と願掛けして、その帰りにそば屋に入ると、座敷に他の客はなく、ほぼ貸し切り状態。そこで僕はみんなにこう頼んだのです。

「みんな、これからR-1の準決勝で披露するネタをやるから見てくれないか」

 恥も外聞もないですよ。とにかく必死になって一人コントをやりました。でも、誰も笑ってない。ネタを終えるとジュニアは言いました。

「三又さん、絶対に落ちますよ」

 そしてこう続けます。

「みんな1年以上かけてネタを仕上げているのに、そんな付け焼き刃でよく準決勝まで進めましたね。それはそれですごいです」

 結果はジュニアが言った通り、準決勝敗退。ネタの修正が間に合わなかったんです。でも、今となってはこのネタ見せで恥をかいた経験は大きな財産ですよ。

「恥をかけ」をモットーにしている僕でも、なかなかネタにできなかったのが「尿漏れ」の悩み。トイレで用を足して「あ〜出し切った」と思っても、まだ残っていたり、逆に脳が「まだガマンできる」と判断していても、すでに“決壊”していたり。さすがの僕でも、あまりに情けなくて誰にも話せなかったんです。「大人用オムツが必要になるのかなぁ」と落ち込んでいると、たまたまラジオから、ある大御所芸人のエピソードトークが聴こえてきたんです。ここではA師匠としましょう。

 A師匠がちょうど今の僕くらいの年齢の時、ゴルフに行ってクラブハウスのトイレで小便器の前に立って、小を出そうとしたら大が出てしまった。脳が小と大を識別できなくなっていたわけですよ。しょうがないから下半身ハダカになって、汚れたパンツを洗ってると、トイレに入ってきた人が「すいません!」と慌てて引き返す。そんな地獄のような状況で、A師匠は娘に電話をかけてこう言うんです。「もう俺のことは諦めてくれ」って。

 ラジオでこの話を聴いて救われた思いがしました。自分だけじゃない。これは誰でも通る道なんだって。A師匠のおかげで僕もこうして下半身の失敗談を明かせるわけです。

 不動産の仕事でも、芸能の仕事でも、恥をかくことから逃げていたら前に進めない。この年になってつくづく思うんです。

三又又三(みまた・またぞう)株式会社TAP所属のお笑い芸人。「踊る! さんま御殿!!」(日テレ系)等のバラエティーに出演。2023年より不動産会社に勤務し、二刀流で活動。今夏より漫才協会に入会。

配信元: アサ芸プラス

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